中年男性の更年期障害の特徴や起こりうる症状、改善方法を解説

「更年期」というと女性ものだとイメージする方もいるかもしれませんが、男性も更年期障害を発症することがあります。

男性の場合、女性のような明確なサインもないことから、違和感があってもなかなか更年期障害だと気付けずにいる方も多いといわれています。

更年期障害で起こる症状は、日頃の生活のなかで改善していくことが可能です。

今回は、中年男性の更年期障害の特徴や起こりうる症状、改善方法を解説していきます。

1.男性の更年期障害とはどのような症状なのか?

男性の更年期障害は、40歳以降の男性ホルモン分泌量の低下が原因でもたらされる、自律神経失調症に似たさまざまな不調を指します。

女性の更年期障害に比べると、男性の場合は自律神経失調症状で不調に陥るケースは少ない傾向です。どちらかというと精神的な症状が発現しやすいとされています。女性のような閉経のサインがないため、何らかの不調があっても更年期障害を疑いにくいのも特徴でしょう。

2.中年男性の更年期障害で起こりうる症状

男性の更年期障害では、身体的な症状や精神的な症状など全身に影響がおよびます。

【身体症状】

  • ・冷え

  • ・動悸

  • ・ほてり

  • ・頭痛

  • ・記憶・集中力の低下

  • ・耳鳴り

  • ・倦怠感

  • ・筋肉痛

  • ・肥満

  • ・めまい

  • ・頻尿

  • ・関節痛 など

【精神症状】

  • ・やる気の減退

  • ・情緒不安定

  • ・イライラ

  • ・神経過敏 など

さらに、性機能症状として代表的な症状は、性欲の低下、勃起障害(ED)、射精障害などです。

3.中年男性の更年期障害改善が期待できる方法

更年期障害の症状は、体にも精神にも起こり、体に大きく負担がかかることがわかりました。それでは、中年男性の更年期障害を改善するためにはどのようなことを行なえば良いのでしょうか。

普段の食事や生活習慣で重要なポイントをみていきましょう。

3-1.更年期障害の改善が期待されている栄養を摂取する

ビタミンEは、血行を促進し、更年期障害の身体症状である冷えや頭痛、肩こりを起こしにくくします。アーモンドや落花生(ピーナッツ)などはビタミンEを多く含むため積極的に摂取するようにしましょう。

また、更年期障害の一因となる男性ホルモンの低下を防ぐには、長ネギやタマネギ、ニンニク、ニラなどのネギ類を摂取することがおすすめです。これらネギ類の成分には、男性ホルモンであるアンドロゲンの分泌を高める作用があるとされています。

3-2.生活習慣を見直してみる

更年期障害を遠ざけるには、生活習慣を見直すことも重要です。

まずは、バランスの良い食生活を心がけましょう。外食はできるだけ減らし、肉よりも魚を選択して野菜中心の食事をするようにしてください。

また、疲労をためないようにしましょう。十分な睡眠時間をとったり、入浴したりして心身の疲労をとるように心がけることが大切です。

毎朝、太陽の光を浴びるように意識しましょう。朝日を浴びることは体内リズムを整えることにつながり、自律神経の乱れの改善に効果的です。

そして、習慣的な運動も心がけるようにしましょう。運動を行なうことで、爽快感や達成感を味わうことができ、ストレス発散やリラックス効果が期待できます。

ウォーキングをはじめとした有酸素運動を、週に3回、一日30分(10分×3回でも可)行なうことがおすすめです。また、これらの運動は生活習慣病を予防したり改善したりする効果も期待できます。

生活を見直して中年男性の更年期障害を遠ざけましょう

今回は、男性の更年期障害の特徴や起こりうる症状、改善方法を解説しました。

男性の更年期障害は、女性と比べて発症が気付かれにくく、精神的な症状から現れてくることが多いです。

食習慣や生活スタイルなどを整えることで、更年期障害特有の症状を改善できる可能性があるため、日頃の習慣に気をつけることが大切です。

初期の症状が倦怠感や寝付けないなどといった、はっきりとしない曖昧なものが多いため、知らぬ間に自分への不満がたまり、ストレスとなって精神症状を悪化させてしまうケースもあります。

更年期障害になる前に症状を理解し、いつでも対処できるように事前知識を持つようにしていきましょう。

監修者情報

氏名:井林雄太(いばやし・ゆうた)
総合病院勤務。大分大学医学部卒。
日本内科学会認定内科医、日本内分泌内科専門医、日本糖尿病内科専門医の資格を保有。現在は医師業務のかたわら、正しい医療情報を伝える啓発活動も市民公開講座など通して積極的に行なっている。