1.疲れを引き起こす原因とは?
疲れを引き起こす原因の一つは、偏った食生活です。
特に若い女性には「痩せたい」と思う傾向が見られますが、偏った食生活や無理なダイエットをすると、その影響から鉄欠乏やそれにともなう貧血などのリスクが上がります。
また、自律神経のバランスが乱れると、体にだるさを感じ、疲れやすいなどの症状が現れます。これらは、更年期障害に見られる代表的な症状です。
他にも、職場の環境や人間関係、引越しなどさまざまな変化が起きるとそれに順応できず、精神的ストレスを感じて自律神経が乱れるおそれがあります。
2.疲れやすさの改善にはバランスのとれた食事が大切
疲れやすさの改善には、バランスのとれた食事が大切です。食事では、すべての栄養素をバランス良く摂取することを心がけましょう。
栄養素は、それぞれの働きによって以下3つの種類に分類できます。
ビタミンとミネラルは、体の調子を整えてくれますが、これらの栄養素はほとんど体内で生成できません。そのため、ビタミンやミネラルが豊富に含まれている野菜や果実を食事に取り入れて不足しないようにしましょう。
旬のものは特に栄養が豊富のため、積極的に摂ることをおすすめします。
特にミネラルの一つである鉄は、多くの女性で不足しているといわれています。月経のある20~40歳代の方は、鉄を一日10.5mg摂ることが望ましいでしょう。
また、鉄欠乏による貧血では、だるさ、疲れやすさなどの症状が出ます。
鉄欠乏を防ぐには、赤身の肉や魚などの鉄分を豊富に含む食材、ほうれん草などの緑葉野菜をしっかり摂取しましょう。ミカンやリンゴ、キウイフルーツなどのビタミンCなどを含む果物を組み合わせると、栄養の吸収力が高まります。
3.食事以外で疲れやすさを改善するには
食事以外で疲れやすさを改善するには、ストレッチを行なうことが効果的です。ストレッチをすると副交感神経が働くため、ストレス解消にも役立ちます。
副交感神経は、就寝時またはリラックス時に活発になる神経のため、ストレッチによって体を緊張から解放する効果が得られます。
ストレッチをする際は、呼吸はゆっくりと行ないましょう。反動をつけたり無理をしたりせず、伸ばしている筋肉を意識しながら行なうことが大切です。
ちなみに、ストレッチは入浴後など体を温めてから行なうと、筋肉の緊張がほぐれて血行が良くなるため、さらにリラックス効果が得られるでしょう。
また、気分転換のためには、休息の時間をとることもおすすめです。プライベートの時間も、スケジュールを詰め過ぎず、忙しくならないようにすることが望ましいでしょう。一日の中で自分を見つめ直す時間や、リラックスする時間を作ったりしてみてください。
疲れやすい体の改善は食事やストレッチ、入浴などを行ないましょう
疲れは肉体的なものだけではなく、自律神経失調症などの病気や精神的な要因から起こりうる場合もあります。忙しいなかでも休養を意識し、時間をとってゆっくり休むことが大事です。
疲れやすさの改善には、バランスのとれた食事が大切です。食事以外で疲れやすさを改善するには、ストレッチや入浴などを行なってください。
この記事を参考に、自身と向き合う時間やリラックス時間を作って、心のバランスを整えましょう。
監修者情報
氏名:梅村 将成(うめむら・まさなり)
外科医として地方中核病院に勤務中。
消化器外科のみならず総合診療医として、がん治療(手術・抗がん剤・緩和治療/看取り)を中心に、幅広く内科疾患・救急疾患の診療を行なっている。
資格:医師免許・外科専門医・腹部救急認定医