ナトリウム不足が引き起こす症状とは?
一日の摂取目安量やナトリウムを多く含む食品を紹介

健康のためには減塩が良いとされていますが、食塩の主成分であるナトリウムが不足することも体に影響をおよぼします。ナトリウムは生きるうえで欠かせない成分であり、毎日の食事のなかで過不足なく摂ることが大切です。

今回の記事では、ナトリウム不足で現れる症状や一日の摂取目安量について解説し、効率よくナトリウムを摂ることができる食品を使ったおすすめレシピを紹介します。

1.ナトリウムについて

ナトリウム(Na)は人間が生きるために必要なミネラルの一つで、おもに食塩として摂取される物質です。口から入ったナトリウムは小腸で吸収され胆汁や膵液、腸液などの材料として利用されます。

また、体内で浸透圧を維持するほか、神経での情報伝達や筋肉の伸び縮みなどにも関わります。適切な血圧に調節することもナトリウムの働きの一つです。

2.ナトリウム不足により現れるおもな症状

通常の食生活であれば、ナトリウムが足りなくなることは基本的にありません。しかし、汗を大量にかいたり、ひどい下痢になったりするとナトリウムが不足することがあります。

ナトリウムが不足すると、だるさや食欲不振などの症状を起こしかねません。熱中症の対策としても、水分だけでなく適量のナトリウム摂取を心がけましょう。

3.ナトリウムの一日の摂取目安量

2020年に発表された「日本人の食事摂取基準」では、食塩摂取目標量は一日あたり男性7.5g未満、女性では6.5g未満とされています。しかし、高血圧の予防や治療をする場合は男性女性問わず一日6.0g未満が目標とされています。

日本ではしょうゆやみそをはじめ、食塩を摂る機会が多いためナトリウムの過剰摂取をしがちです。ナトリウムは多すぎるのも少なすぎるのも体に影響を与えます。目標量に沿った量を摂取できるように意識しましょう。

4.ナトリウムを多く含む食品とレシピ

ここではナトリウムを多く含む食品と、効率よくナトリウムを摂取できるおすすめレシピを紹介します。

4-1.ナトリウムを多く含む食品

ナトリウムは塩やしょうゆ、みそなどの調味料に多く含まれています。また、ハム、ソーセージ、かまぼこ、即席めんなどの加工食品や漬物もナトリウム含有量が多い食品です。ナトリウムを摂取する必要がある場合は、これらの食品を利用したレシピがおすすめです。

4-2.さつまいもとソーセージのグリル

ソーセージは塩分が多く含まれるため、ナトリウムを効率よく摂れる食品です。焼いたさつまいものカリッとした食感に、スパイシーなソーセージを合わせた「さつまいもとソーセージのグリル」は、おつまみにもぴったりです。

【材料】2人分

  • ・さつまいも 300g

  • ・あらびきソーセージ 8本

  • ・にんにく 2片

  • ・オリーブオイル 大さじ2

  • ・塩・黒こしょう 適量

  • ・パセリの葉(飾り用) 適量

【作り方】

  • 1.あらかじめオーブンを230度に温めます。

  • 2.ソーセージを一口で食べられる大きさに切ります。

  • 3.良く洗ったさつまいもを皮が付いたまま一口で食べられる大きさに切り分けて、水にくぐらせたあと、すみやかにボウルに入れます。

  • 4.皮が付いたままのにんにくを半分に切って、さつまいもを入れたボウルに加えます。

  • 5.塩・黒こしょうをふりかけオリーブオイルをかけたあと、しっかりと混ぜ合わせて耐熱容器に入れます。

  • 6.予熱しておいたオーブンで10分間焼きます。

  • 7.10分加熱したら耐熱容器をオーブンから取り出し、上下を入れ替えるように混ぜます。

  • 8.ソーセージを散らすように載せて、オーブンでさらに5分ほど焼きます。

  • 9.さつまいもに竹串を刺して、すっと通るまで焼きます。

  • 10.最後にパセリの葉を散らして完成です。

ナトリウム不足にならないよう毎日の食生活を整えよう

ナトリウムは人間の生命維持に欠かせないミネラルであり、過不足なく摂ることが重要です。ナトリウムは血圧維持や神経伝達、筋肉の収縮に関わる栄養素です。

多量の発汗やひどい下痢などでナトリウムが不足すると、疲れや血液濃縮、食欲低下などの症状につながります。一日の食塩摂取目標量は男性7.5g未満、女性では6.5g未満です。体調維持のためにも、この量を目標に摂取しましょう。

ナトリウムはしょうゆやみその調味料のほか、加工食品や漬物にも多く含まれています。

ナトリウム不足を改善したい場合は、これらの食品を適切に食生活に加えるのがおすすめです。

ナトリウム不足にならないように、毎日の食生活で適量のナトリウムを摂取しましょう。

監修者情報

氏名:井林雄太(いばやし・ゆうた)
総合病院勤務。大分大学医学部卒。
日本内科学会認定内科医、日本内分泌内科専門医、日本糖尿病内科専門医の資格を保有。現在は医師業務のかたわら、正しい医療情報を伝える啓発活動も市民公開講座など通して積極的に行なっている。