目次
1.そもそも肌荒れはどうして起こるのか?
皮膚は表皮、真皮、皮下脂肪組織で構成され、外側に存在する表皮が肌としての役割を果たしています。皮膚表面の角質は、表皮の一番深い場所に存在する基底層で分裂した細胞の一部が、肌表面へと押し上げられていく過程で変化したものです。
皮膚は、約28日間で新しい細胞へと入れ替わる「ターンオーバー」が行なわれますが、何らかの理由でターンオーバーに異常が起きると肌荒れが起こることがあります。
肌は体の内から作られるため、肌の状態は健康状態を表しているともいえます。また、肌荒れが起きると見た目に変化が生じることもあるので、改善したいと考える方も多いでしょう。
今回は、肌荒れが起こる原因や改善する方法などについて解説します。
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皮膚は表皮、真皮、皮下脂肪組織で構成され、外側に存在する表皮が肌としての役割を果たしています。皮膚表面の角質は、表皮の一番深い場所に存在する基底層で分裂した細胞の一部が、肌表面へと押し上げられていく過程で変化したものです。
皮膚は、約28日間で新しい細胞へと入れ替わる「ターンオーバー」が行なわれますが、何らかの理由でターンオーバーに異常が起きると肌荒れが起こることがあります。
肌荒れが起きると、肌の乾燥やかゆみだけでなく、肌のきめの乱れや落屑など見た目に明らかな変化が生じることも少なくありません。
肌は体内と外界の環境を隔てるバリア機能を持ち、外界の刺激や紫外線、異物の侵入から体を防御しています。また、肌の水分を保持するのも役割の一つです。
肌荒れによってバリア機能が低下すると、刺激から防御したり、水分の蒸発を抑制したりすることが難しくなり、上記のような症状が現れる可能性が高まるので早めの対処を心がけましょう。
皮膚のバリア機能は紫外線や乾燥などの外部刺激から肌を守り、体の水分が蒸発するのを防ぐ機能です。バリア機能が低下すると、外部刺激を受けやすくなったり、肌の水分が蒸発しやすくなったりするので、肌荒れの原因になることがあるでしょう。
また、表皮が入れ替わるターンオーバーの異常も正常な肌が作れなくなるため、皮膚のバリア機能の低下につながることがあります。
肌荒れは、皮膚のバリア機能の低下と深く関係しています。皮膚のバリア機能を維持するためには、健康的な生活を送ることが重要です。ここでは、肌荒れを招く生活習慣を紹介します。
健やかな皮膚を作るためには、十分な栄養を摂取する必要があります。ダイエットのために無理な食事制限をしたり、美容のために野菜だけをとったりするなど偏った食生活を送ると皮膚の材料となる栄養素が不足する可能性があるので注意が必要です。
特に、タンパク質や皮膚の健康維持をサポートするビタミン類などはしっかりとりましょう。
就寝中に分泌される成長ホルモンは、肌のターンオーバーに重要な物質です。そのため、十分な睡眠時間や質の良い睡眠が確保できていない場合は、ターンオーバーがうまく行なわれず、肌荒れの原因になることがあります。
ストレスを受けると体内で活性酸素が過剰に産生されることがあります。活性酸素は、少量であれば免疫機能や正常な細胞分裂に利用されるといった重要な役割を持つ物質です。
しかし、過剰に産生されると細胞を傷付けたり、老化の原因になったりすることがあります。そのため、ストレスによって活性酸素が過剰になると肌の細胞を傷付けられ、肌荒れの原因になることも考えられるでしょう。
また、活性酸素を消去する作用のあるビタミンCは、肌の材料となるコラーゲンを作るためにも必要です。ストレスで活性酸素が過剰に産生されると、酵素で消去しきれない分は、その消去にビタミンCが使われることがあります。そのため、ビタミンC不足による肌荒れにつながる可能性もあるでしょう。
喫煙は活性酸素の産生を促進するとされており、ビタミンCを多く消費しやすくなると考えられます。また、毛細血管を収縮させる作用もあるため、表皮細胞へ酸素や栄養がうまく供給できず、正常な肌を作る働きを阻害する可能性もあるでしょう。
腸内細菌は、善玉菌と悪玉菌、どちらにも属さない中間の菌が複雑にバランスを取りながら存在しています。腸内環境を良好に保つためには、善玉菌の割合を増やすことが重要です。
不規則な生活やストレスなどが続くと、腸内細菌のバランスが崩れて悪玉菌が増殖します。悪玉菌は、タンパク質や脂質をエサとして有害物質であるアンモニアや硫化水素などを産生し、全身にさまざまな不調を起こすとされているため注意が必要です。
腸内環境の悪化が肌荒れの原因になることがあるので、食物繊維や乳酸菌といったプロバイオティクスの摂取を意識することは、一つの肌荒れ対策になるでしょう。
日焼けをすると肌荒れやしみ、シワなどの原因になることがあります。また、医薬品の副作用で光線過敏症が起こるがあるので、医薬品の使用中に日光を浴びて皮膚に炎症が起きた場合には医療機関に相談しましょう。
肌荒れを改善するためには、生活習慣を見直すことが重要です。ここでは、肌荒れを改善する方法を紹介します。
健康な皮膚を作るためには、タンパク質やビタミン類などさまざまな栄養素が必要です。また、腸内環境を整えることも、肌の健康維持に関係しています。有用菌を増やすためには、食物繊維を豊富に含んだ食材や発酵食品を意識的に摂取しましょう。
睡眠不足や喫煙、気候の変化などは体にとってストレスになる可能性があります。特に睡眠不足は、ターンオーバーに重要な成長ホルモンが十分に分泌されなくなるため、睡眠の時間と質の確保は大切です。
肌荒れを改善するためのスキンケアでは、「清潔・保湿・保護」が基本です。刺激の強いナイロンタオルなどは使用を避け、手で石鹸をよく泡立てて優しく洗ってください。そして、洗顔後や入浴後は、なるべく早く保湿ローションやクリームなどを使用し、肌の乾燥を防ぎましょう。
また、日焼け止めや日傘、帽子などを活用して紫外線対策を行なうことも大切です。
皮膚は体の内側から作られるため、生活習慣の乱れや過剰なストレス、腸内環境の悪化などの問題が生じると肌荒れが起きる可能性があります。肌荒れを改善するためには、生活習慣の改善やストレス対策、スキンケアを行なうことが重要です。
現在、肌荒れが気になっている方は、この記事を参考に、肌荒れの原因として考えられるものから改善してみてください。
氏名:豊田早苗(とよだ・さなえ)
とよだクリニック院長。鳥取大学医学部卒。精神科・心療内科・内科・神経内科(認知症、物忘れ)の診療を担当している。総合診療医学会、認知症予防学会、精神医学会などに所属。現在は医師業務の傍ら、正しい医療情報を伝える啓発活動も市民公開講座など通して積極的に行なっている。
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