アントシアニンとは?期待できる作用や摂取時のポイントについて解説

アントシアニンは、ブルーベリーなどに多く含まれているポリフェノールです。ポリフェノールには、ビタミンCやビタミンEなどと同じような抗酸化作用が期待されています。

では、アントシアニンには、他にどのような働きがあるのでしょうか。
今回は、アントシアニンの特徴や、摂取するときに注意したい点などを解説します。

1.アントシアニンについて

アントシアニンはポリフェノールの一種であり、ぶどうやブルーベリー、カシス、なす、むらさき芋、黒豆、赤ワインなどに多く含まれています。赤・紫・青系の天然色素で、昔から食品に色を付ける際に利用されてきました。

アントシアニンの作用について詳しくは次の章で解説しますが、アントシアニンには目の健康を維持する作用や抗酸化作用が期待できるとされています。

近年は、スマートフォンの普及により目が疲れやすい環境にあるため、目の健康を意識することは大切でしょう。

ちなみにポリフェノールとは、植物に含まれる色素成分や苦み成分のことです。構造の違いによってあらゆる種類が存在し、自然界に存在する数は5,000種を超えるとされています。

ポリフェノールは構造によってヒトへ与える効果が異なりますが、その多くは強い抗酸化作用を持つものです。活性酸素の発生や働きを抑制したり、活性酸素そのものを除去したりするため、免疫機能の低下などの予防に役立ちます。

それでは、次章でアントシアニンの働きについて詳しく説明します。

2.アントシアニンを摂取することで期待できる作用

ここでは、アントシアニンを摂取することで期待できる働きを解説します。

2-1.目の機能回復

アントシアニンは、目の網膜に存在しているタンパク質(ロドプシン)の再合成を促進する働きがあるため、目の機能を改善することが期待されています。

そのため、目の健康が気になる人は、アントシアニンを含む食材を日常的に摂取するとよいでしょう。

2-2.抗酸化作用

先述したとおり、アントシアニンなどのポリフェノールには抗酸化作用があり、活性酸素の発生や働きを抑えることが期待できます。

活性酸素は、呼吸して取り込んだ酸素のうち、通常に比べて活性化しているものを指します。

活性酸素は、免疫機能や細胞伝達物質として働くため、少ない量であれば体に害はありません。しかし、あまりにも量が多くなると過酸化脂質を産出して細胞障害をもたらし、さまざまな病気や老化の原因となります。

ヒトには、活性酸素から身を守るための抗酸化機能がもともと備わっていますが、紫外線や大気汚染、酸化物質の摂取などが原因で活性酸素の生成がこの機能を上回ってしまうことがあります。

そのため、生活習慣を改善したり抗酸化物質を食事から摂取したりして、抗酸化機能を維持することが大切だといえるでしょう。

3.アントシアニンを摂取する際のポイント

アントシアニンを含むポリフェノールは、水に溶けやすいという特徴があり、体内に取り込んでから作用するまでの時間が比較的短い傾向にあります。その一方で、効果があまり長く続かないため、日々継続的に摂取することが大切です。

また、ポリフェノールの研究はこれまでにも行なわれていますが、十分な情報がなく、いまだに一日の摂取量については基準値を設けられていません。

安全性についても確証がないため、健康効果を期待してポリフェノールを摂取する場合は、過剰摂取にならないように注意しましょう。

栄養バランスが偏らないようにするためにも、さまざまな食品からの摂取を心がけてください。

健やかな日々のためにアントシアニンを食事から摂ろう

アントシアニンは、活性酸素を除去・抑制する抗酸化作用が期待されているポリフェノールの一種です。

活性酸素が増えすぎると、さまざまな病気や免疫機能の低下を招くおそれがあるため、生活習慣を整えたり、抗酸化物質を食事から摂取したりすることがすすめられます。

アントシアニンは抗酸化作用のほかに、目の健康を維持する働きも期待されています。

ポリフェノールは比較的速く作用しやすいものの、効果が持続しにくいため、毎日こまめに摂ることがおすすめです。健やかに日々を過ごすためにも、アントシアニンが含まれる食事を意識して摂るとよいでしょう。

監修者情報

氏名:梅村 将成(うめむら・まさなり)
外科医として地方中核病院に勤務中。
消化器外科のみならず総合診療医として、がん治療(手術・抗がん剤・緩和治療/看取り)を中心に、幅広く内科疾患・救急疾患の診療を行なっている。
資格:医師免許・外科専門医・腹部救急認定医