炭水化物はどのような食べ物に含まれる?
一日の摂取目安量や健康的な摂取方法を紹介

炭水化物は、私たちの体を動かす時に必要となる大事なエネルギー源です。糖質とも呼ばれており、脳や神経組織などに糖を運ぶ役割があります。
炭水化物の摂取量と生活習慣病は、関係があることがわかっているため、適切な摂取を心がけることが大切です。

今回は、炭水化物が多く含まれている食べ物、一日の摂取目安量や健康的な摂取方法を紹介します。

1.炭水化物を多く含む食べ物

炭水化物はご飯やパン、麺など、私たちが主食として食べる機会が多い食べ物に含まれている栄養素です。また、次のような食べ物にも多く含まれています。

食品名 食品100gあたりに含まれる総炭水化物の量
上白糖 99.3g
緑豆はるさめ(乾) 87.5g
ドライマンゴー 84.9g
コーンフレーク 83.6g
干しぶどう 80.3g
おにぎり 39.4g
うるち米 37.1g
マカロニ・スパゲッティ(ゆで) 32.2g
そば(ゆで) 26.0g
皮付きじゃがいも(生) 15.9g


引用:文部科学省「食品成分データベース

炭水化物は、糖質と食物繊維の総称です。糖質にはブドウ糖や果糖、食物繊維にはグルコマンナンやアガロースなどがあります。炭水化物のうち糖質はエネルギー源となり、食物繊維は腸内環境を整えたり血糖値の上昇を抑えたりする働きがあることが特徴です。

栄養成分表示には糖質と食物繊維を分けて書かれていることもあれば、両方を合わせて炭水化物とだけ書かれている場合もあるため、よくチェックしてみましょう。上の表は、糖質と食物繊維を合わせた炭水化物量を示しています。

2.炭水化物の一日の摂取目安量

炭水化物は私たちの大きなエネルギー源となりますが、摂りすぎには要注意です。炭水化物の摂りすぎは必然的にほかの栄養素の摂取量の低下を招き、ビタミンやミネラルの不足を起こす可能性があることから、バランス良く摂ることが推奨されています。

炭水化物の摂取量については、男女とも一日に摂取するエネルギーのうち50~65%を目標にするとよいでしょう。具体的には、一日に2,000kcal摂取する方だと、炭水化物の摂取量は250~325gが目安です。アメリカで行なわれた研究では、炭水化物の摂取量が50~60%の場合に総死亡率が減少し、平均期待余命が長くなったことがわかっています。

食物繊維だけを見た場合、目標とするべき摂取量は18~64歳の男性で一日21g以上、女性は18g以上です。

3.炭水化物を健康的に摂取する方法

エネルギー源となる炭水化物が不足すると、体を動かすためのエネルギーが不足して疲れやすくなったり、判断力や注意力が低下したりする恐れがあります。

とはいえ、炭水化物は血糖値を上げる原因の一つです。必要な栄養素を1回にまとめて摂取することは急激な血糖値の上昇を招くため、3食しっかりと食べるようにしましょう。食事を抜くと、そのあとに食べた際に血糖値が上がりやすくなります。

また、野菜から食べたりよく噛んだりすることも大切です。野菜から先に食べることで、炭水化物がゆっくり吸収されるため、血糖値が急上昇するのを抑えられます。

適量の炭水化物を摂取して健康的に過ごそう

糖質と食物繊維は合わせて炭水化物といわれており、重要なエネルギー源として必要になる栄養素です。うるち米やそば、マカロニなどご飯や麺類などに多く含まれています。一日に摂取するエネルギーのうち、50~65%を炭水化物から摂取するようにするとよいでしょう。

3食きちんと食べたり、野菜から食べたりすることで炭水化物による急激な血糖値の上昇を抑えられます。炭水化物が不足すると疲れやすくなり注意力も低下するため、正しく摂取して健康的な毎日を過ごしていきましょう。

監修者情報

氏名:梅村 将成(うめむら・まさなり)
外科医として地方中核病院に勤務中。
消化器外科のみならず総合診療医として、がん治療(手術・抗がん剤・緩和治療/看取り)を中心に、幅広く内科疾患・救急疾患の診療を行なっている。
資格:医師免許・外科専門医・腹部救急認定医