1.大根の食物繊維量について
大根は生の大根と切り干し大根とでは含まれている食物繊維の量がまったく違います。それぞれにどれくらいの食物繊維が含まれているのか見ていきましょう。
1-1.大根
生の大根には、次の量の食物繊維が含まれています。
食物繊維の種類 |
食物繊維の量(可食部100g当たり) |
水溶性食物繊維 |
0.5g |
不溶性食物繊維 |
0.9g |
食物繊維の総量 |
1.4g |
参照:文部科学省「食品成分データベース」
1-2.切り干し大根(可食部100g当たり)
切り干し大根の場合は、大根の水分が抜けて栄養素がぎゅっと凝縮されているため、生の状態より食物繊維の量が多いことが特徴です。
食物繊維の種類 |
食物繊維の量(可食部100g当たり) |
水溶性食物繊維 |
5.2g |
不溶性食物繊維 |
16.1g |
食物繊維の総量 |
21.3g |
参照:文部科学省「食品成分データベース」
食物繊維の量は、生の大根と比べて約15倍も含まれています。
2.大根に含まれる食物繊維以外の栄養素
大根には、食物繊維以外にカルシウムや葉酸、ビタミンCなども豊富に含まれています。
2-1.カルシウム
可食部100g当たり生の大根には24mg、切り干し大根には500mgのカルシウムが含まれています。カルシウムが多く含まれるイメージの強い牛乳の含有量は、100g当たり110mgです。
切り干し大根を一度に大量に食べることはあまりないかもしれませんが、カルシウムの摂取源として優秀だといえるでしょう。
2-2.葉酸
可食部100g当たり生の大根に34μg、切り干し大根に210μgの葉酸が含まれています。
厚生労働省が出す2020年版の「日本人の食事摂取基準」では、18歳以降の場合、一日に240μgの葉酸を摂取するように推奨されているため、切り干し大根をうまく活用すると目安量をクリアしやすいでしょう。
2-3.ビタミンC
ビタミンCは、可食部100g当たり生の大根に12mg、切り干し大根に28mg含まれています。
ほかの食品と比べて特に多く含まれているわけではありませんが、腸が弱っているときにも効果的な食べ物のため、胃の弱い人にもおすすめです。
3.食物繊維を含む大根を使ったレシピ
ここからは、食物繊維やカルシウムなどの栄養素を豊富に含んだ大根を使ったレシピを2品ご紹介します。
3-1.大根のレンジ蒸し 豆鼓ソースがけ
まずは、レンジで簡単に作れるレシピです。メインのおかずを作っている片手間で料理できるので、手軽に品数を増やしたいときにもおすすめです。
【材料】2人分
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・大根 10cm
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・長ねぎの白い部分 1/4本
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・長ねぎの青い部分 1本分
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・紹興酒(または料理酒) 大さじ2
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・豆鼓醤 大さじ1
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・ごま油 大さじ1
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・黒酢(または米酢) 大さじ2
【作り方】
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1. 大根は皮をむき、縦半分に切ってから1cm幅の厚さに切っておきます。長ねぎの白い部分は縦半分に切ってから斜めの細切りにしましょう。
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2. 豆鼓醤、ごま油、黒酢(または米酢)を混ぜて豆鼓ソースを作っておきます。
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3. 耐熱皿に大根が重ならないように並べ、紹興酒(または料理酒)を振りかけてください。その上から長ねぎの青い部分を載せ、ふんわりとラップをして電子レンジで3~4分加熱します。
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4. 大根に竹串がすっと通るほどやわらかくなったら、長ねぎの青い部分を取り除いて豆鼓ソースをかけ、長ねぎの白い部分をかけたら完成です。
3-2.貝柱と大根のシャキシャキサラダ
次に、ビールや焼酎のおつまみにもピッタリな大根を使ったサラダを紹介します。
【材料】2人分
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・ほぐし貝柱水煮缶 1缶
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・大根 5cm
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・かいわれ大根 1/4パック
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・サラダ油 大さじ2
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・酢 大さじ2
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・マヨネーズ 大さじ3
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・和辛子 小さじ1
【作り方】
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1. 大根は5cmの長さの千切りにし、かいわれ大根は洗って根元を切っておきます。
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2. サラダ油、酢、マヨネーズ、和辛子を混ぜてドレッシングを作りましょう。
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3. 1の大根に水気を切ってほぐした貝柱と2のドレッシングを加え、あえてから器に盛りかいわれ大根を散らしたら完成です。
大根を活用して積極的に食物繊維を摂りましょう
大根は、一年を通して手に入りやすい野菜です。食物繊維が豊富なほか、カルシウムや葉酸なども含まれています。食物繊維を多く摂りたい方は、生の大根ではなく切り干し大根がおすすめです。
もちろん、生の大根でも食物繊維は摂取することが可能です。今回紹介した「大根のレンジ蒸し 豆鼓ソースがけ」や「貝柱と大根のシャキシャキサラダ」のレシピを参考に、日々の食卓に大根を取り入れてみてください。
監修者情報
氏名:高橋健太郎(たかはし・けんたろう)
循環器内科医として臨床に関わりながら、心血管疾患のメカニズムを解明するために基礎研究に従事。現在はアメリカで生活習慣病が心血管疾患の発症に及ぼす影響や心血管疾患の新しい治療法の開発に取り組んでいる。国内・海外での学会発表や論文報告は多数。
日本内科学会認定内科医、日本循環器学会所属。