1.γ-GTPの数値が高い原因とは?
γ-GTPは、肝臓の機能の状態を知るうえで重要な指標とされています。
ここでは、γ-GTPが血中で高くなる原因を確認していきましょう。
1-1.γ-GTPとは
γ-GTPは、ガンマグルタミルトランスペプチダーゼ(γ-Glutamyl TransPeptidase)の略で、タンパク質を分解する酵素の一つです。
胆道から分泌され、肝臓での解毒作用に関わっている物質で、γ-GTPの値は肝機能の指標とされています。
1-2.原因
肝臓にて処理済みとなった老廃物は、通常は胆管を通って十二指腸に排泄されます。しかし、胆石などによって胆道が詰まってしまうと、γ-GTPや老廃物が逆流して、血中のγ-GTPの濃度が高くなってしまいます。
一般的にγ-GTPの上昇は、肝臓の機能低下などによって引き起こされるものです。しかし、なかには栄養の過剰や肥満が原因でγ-GTPが上昇するNASH(非アルコール性脂肪性肝炎)と呼ばれる病気もあるため注意が必要です。
2.肝機能の回復に効果が期待できる栄養素と食材
肝機能の回復をサポートする栄養素と食材は、以下のとおりです。
なお、あさりやしじみなどの貝類、たこやえびなどは肝臓の解毒作用を高める食材だといわれています。
3.γ-GTPの数値改善におすすめの食事レシピ
ここからは、γ-GTPの数値を改善させるためにおすすめのレシピを3品紹介します。
3-1.あさりと豆腐のチャンプルー
まず紹介するレシピは、あっさりとした味わいでつまみにぴったりな「あさりと豆腐のチャンプルー」です。
【材料】2人分
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・あさり(砂抜きをしたもの) 20個
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・木綿豆腐 1/2丁
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・小松菜 1/2束
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・酒 大さじ1
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・塩 適量
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・こしょう 適量
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・ごま油 適量
【作り方】
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1. 豆腐は水切りをして3cmの賽の目に切り、小松菜は5cmの長さに切ります。
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2. ごま油を熱したフライパンで、豆腐・あさりを軽く炒め、酒を入れて蓋をします。
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3. あさりの口が開いたら、小松菜を加えてさっと炒め、塩、こしょうで味を調え、盛り付けたら完成です。
小松菜の代わりに三ツ葉を使うと、香りがさらに豊かになります。
3-2.たことオリーブのトマト煮
次に紹介するのは、たこの食感とにんにくの香りがクセになる「たことオリーブのトマト煮」です。
【材料】2人分
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・ゆでたこ 180g
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・玉ねぎ 1/4個
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・にんにく 1/2片
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・グリーンオリーブ(種なし) 50g
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・オリーブ油 大さじ1
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・トマト水煮缶(ダイスカット) 1/2缶
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・ドライバジル 適量
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・塩 適量
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・こしょう 適量
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・パセリ(みじん切り) 適量
【作り方】
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1. ゆでたこは食べやすい大きさのそぎ切りにします。
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2. 玉ねぎとにんにくはみじん切りにしましょう。
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3. フライパンにオリーブ油とにんにくを入れて弱火にかけます。にんにくの香りが立ってきたら、玉ねぎを加えて炒めてください。
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4. 玉ねぎが透き通ってきたら、ゆでたこ、グリーンオリーブを加えます。
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5. 油が全体になじんだら、トマト水煮缶、塩、こしょう、ドライバジルを入れて12~13分ほど煮ましょう。
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6. 器に盛り付け、パセリのみじん切りを散らしたら完成です。
グリーンオリーブの代わりに、ブラックオリーブを使ってもおいしくできます。
3-3.サーモンのきのこクリームソース
最後に紹介するのは、きのこの風味とクリームがよく合う「サーモンのきのこクリームソース」です。
【材料】2人分
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・鮭 2切れ
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・塩 適量
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・こしょう 適量
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・小麦粉 小さじ2
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・しめじ 1/2パック
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・マッシュルーム 3個
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・エリンギ 1/2パック
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・オリーブ油 大さじ2
(A)
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・生クリーム 100ml
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・牛乳 50ml
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・塩 適量
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・こしょう 適量
【作り方】
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1. 鮭は塩、こしょうをして下味をつけ、小麦粉を薄くまぶします。
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2. しめじは小さく分け、エリンギとマッシュルームは食べやすい大きさに切ります。
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3. フライパンにオリーブ油(大さじ1)を熱し、鮭を焼いて火を通します。
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4. 別のフライパンに残りのオリーブ油を熱し、先ほど切っておいたきのこを炒めます。きのこがしんなりしたら、(A)を加えて軽く煮詰めましょう。
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5. 皿に盛り付け、フライパンに残っているソースをかけて完成です。
お好みで粉チーズをかけると、一風変わった味を楽しむことができます。
食生活を整えてγ-GTPを改善しよう
今回は、γ-GTPの数値が高くなる原因と、数値改善におすすめの食事レシピを紹介しました。
γ-GTP値の上昇は、肝機能の低下などにより引き起こされます。
肝臓は予備能力が高く、多少の障害があっても正常に機能し続けますが、一方で肝臓は日々の生活の影響を受けやすい臓器です。
また、痛みなどの自覚症状が出にくく、症状が悪化しやすいため、今回紹介した食材を積極的に食生活に取り入れ、肝臓の解毒機能に負担をかけるようなレトルト食品やスナック菓子などは控えるようにしましょう。
監修者情報
氏名:井林雄太(いばやし・ゆうた)
総合病院勤務。大分大学医学部卒。
日本内科学会認定内科医、日本内分泌内科専門医、日本糖尿病内科専門医の資格を保有。現在は医師業務のかたわら、正しい医療情報を伝える啓発活動も市民公開講座など通して積極的に行なっている。