1.かかりつけ医とは?
かかりつけ医とは、体調が悪いときに最初に相談する身近な医師のことです。
かかりつけ医がいれば、病状や病歴などを考慮した診療を受けられるほか、休日・夜間などの急病時にも対応してもらいやすくなるなど、さまざまなメリットがあります。
日頃の健康相談以外に、かかりつけ医の役割やメリットは以下のとおりです。
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健康診断や相談
感染症の予防注射や定期的な健康診断、生活習慣病の診察なども行なわれているところが多く、日頃の健康に関して相談することが可能です。
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適切な医療機関の紹介
かかりつけ医がいれば、精密な検査や専門的な治療、入院などが必要なときに、適した医療機関を紹介してもらえます。
また、かかりつけ医からの紹介状があれば、大学病院などを受診するときに必要となる特別料金がかかりません。
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介護保険の主治医意見書
介護保険を受けるときは、行政から要介護認定をされるために被保険者の主治医からの「主治医意見書」が必要です。
主治医意見書とは、被保険者の負傷・疾病の状態に関する医学的な意見をまとめたものであり、介護認定審査会でどういった介護が必要か決めるときの資料の一つとして使われます。
かかりつけ医がいれば、この主治医意見書を書いてもらえます。
2.かかりつけ医を選ぶ際のポイント
かかりつけ医のメリットを見てきましたが、信頼できるかかりつけ医はどうやって見つけたらよいのでしょうか。
ここでは、かかりつけ医を選ぶ際のポイントを紹介します。
2-1.相談しやすいか
自分の健康状態について何でも話せるような医師でなければ、かかりつけ医にはならないでしょう。
信頼できて何でも話せそうな医師かどうかを確認するためには、コミュニケーションを取れる医師であるかどうかが大切です。
2-2.説明がわかりやすいか
診断内容や治療方針を説明するときに、専門的な内容を患者にもわかりやすいように説明してくれるかどうか、話していて安心できるか話しやすい雰囲気であるかどうかも大切な要素です。
2-3.自宅や職場から近いか
何かあったときに、すぐに相談しやすいかかりつけ医だと安心でしょう。そのため、自宅や職場の近くなど、通いやすい場所にある医療機関の医師であることもポイントです。
3.かかりつけ医の探し方・作り方
そもそも、かかりつけ医を探すのはどうしたら良いのかと悩む人も少なくないでしょう。ここでは、かかりつけ医を探す方法について解説します。
3-1.身近な医療機関に行く
これまで医師と関わる機会がなかった方は、健康診断や産業医との面談などの機会に医師と話をしてみるとよいでしょう。また、家族が医療機関を受診するときに付き添うことも、きっかけになります。
子どものかかりつけ医を探す場合は、健康診断や予防接種などがきっかけになります。
3-2.Webサイトで調べる
実際に医療機関に足を運ぶ前に、医療情報ネットや地区医師会のホームページから、地域の医療機関やかかりつけ医についての情報も収集することができます。
また、保健センターなどの情報誌も参考にしてみましょう。
万一に備えて信頼できるかかりつけ医を見つけましょう
「大きな病院に行くほどではないけれど、体調に不安がある」というときには、身近に相談できるかかりつけ医がいると安心でしょう。
かかりつけ医がいると、日頃の健康相談だけでなく、精密検査や専門性の高い治療が必要な場合に適した病院を紹介してもらうことも可能です。
かかりつけ医は、通いやすい自宅や職場周辺などで、相談しやすい医師を見つけることが理想的といえるでしょう。
医療情報ネットや地区医師会のホームページなどを積極的に活用して、信頼的できるかかりつけ医を探してみてください。
監修者情報
氏名:井林雄太(いばやし・ゆうた)
総合病院勤務。大分大学医学部卒。
日本内科学会認定内科医、日本内分泌内科専門医、日本糖尿病内科専門医の資格を保有。現在は医師業務のかたわら、正しい医療情報を伝える啓発活動も市民公開講座など通して積極的に行なっている。