肉と魚のタンパク質の違いとは?それぞれの栄養の特徴を解説

肉と魚は、タンパク質の重要な供給源です。タンパク質は人間が生きていくために必要不可欠なホルモンや神経の働きに関与しています。

また、タンパク質といっても、肉と魚に含まれるタンパク質には性質の違いがあり、それぞれの特徴を理解し摂取することが重要になります。

そこで今回は、肉と魚のタンパク質の違いや、それぞれの栄養の特徴を解説します。

1.肉に含まれる栄養の特徴とタンパク質を多く含む肉の種類

肉の特徴は、タンパク質を多く含むことだけではありません。ここでは、肉に含まれる栄養素の種類や、特にタンパク質が多い肉の種類について見ていきましょう。

1-1.肉に含まれる栄養の特徴

肉には、タンパク質のほかに次のような栄養素が含まれています。

  • • ビタミンB群

  • • 鉄分

  • • コラーゲン

ビタミンB群は、エネルギーを作り出すために必要な栄養素です。鉄は血液中に存在するヘモグロビンに多く存在するミネラルで、全身に酸素を送り届ける働きがあります。

コラーゲンは、皮膚や腱、軟骨など健康を保つために必要な成分です。ただし、肉の摂りすぎは血管の弾力性を失わせたり、生活習慣病のリスクを高めたりすることもあるため、注意しましょう。

1-2.タンパク質を多く含む肉の種類

タンパク質を多く含む肉の種類は、おもに次のものが知られています。

肉の種類 可食部100gあたりのタンパク質量
豚ヒレ 39.3g
鶏むね 38.8g
鶏ささみ 36.1g
豚もも 30.2g
牛もも 28.4g

参照:文部科学省「食品成分データベース

2.魚に含まれる栄養の特徴とタンパク質を多く含む魚の種類

では、魚にはどのような栄養素が含まれているのでしょうか。タンパク質を多く含む魚の種類も一緒に見ていきましょう。

2-1.魚に含まれる栄養の特徴

魚には、次の栄養素が豊富なことで知られています。

  • • DHA(ドコサヘキサエン酸)

  • • EPA(エイコサペンタエン酸)

  • • アスタキサンチン

  • • タウリン

  • • アンセリン

DHAやEPAは、血液をサラサラにする働きがあることで有名です。アスタキサンチンは抗酸化作用や、免疫機能を調節する働きがあります。

タウリンは肝臓の働きを助け、アンセリンは尿酸値を下げる働きがある成分です。魚はカロリーが低く、消化されやすい点が肉との大きな違いといえるでしょう。

2-2.タンパク質を多く含む魚の種類

以下の魚には、特にタンパク質が多いものとして知られています。

魚の種類 可食部100gあたりのタンパク質量
しらす干し 40.5g
ごまさば 31.1g
しろさけ 29.1g
くろまぐろ 29.0g
べにざけ 28.5g

参照:文部科学省「食品成分データベース

3.肉も魚も重要なタンパク源

肉(特に赤み肉)を過剰摂取すると生活習慣病などのリスクが上がる可能性もありますが、肉も魚も、体内で作ることのできない必須アミノ酸を豊富に含む良質なタンパク質の供給源です。

どちらか一方ばかりを食べるのではなく、肉と魚の両方を食べるほうが健康には良いといわれています。バランス良く多彩な食事なら楽しみも増えるため、肉と魚の両方を取り入れながら良質なタンパク質を摂取していきましょう。

タンパク質は肉と魚からバランス良く摂取しましょう

肉と魚は、どちらもタンパク質を豊富に含んでいます。魚には血液をサラサラにするDHAやEPAなども含まれているため、肉よりも魚を食べたほうが良いと感じることもあるかもしれません。

しかし、肉と魚の両方をバランス良く食べることが望ましいといわれています。

肉類中心の偏った食生活をしている方は、一日に1食は魚料理を取り入れるように心がけ、肉と魚をバランス良く食べるようにしましょう。

監修者情報

氏名:井林雄太(いばやし・ゆうた)
総合病院勤務。大分大学医学部卒。
日本内科学会認定内科医、日本内分泌内科専門医、日本糖尿病内科専門医の資格を保有。現在は医師業務のかたわら、正しい医療情報を伝える啓発活動も市民公開講座など通して積極的に行なっている。