1.ニキビのおもな原因
ニキビは毛根を包む「毛のう」という組織の詰まりや炎症のことで、皮脂の分泌が活発になる思春期に多く見られるのが特徴です。思春期を過ぎてもニキビが多い場合には、栄養バランスの偏りやストレス、便秘、睡眠不足、喫煙などが原因になっている可能性があります。
偏った食生活を続けていると栄養バランスが悪くなり、肌に悪い影響を与えるため、注意が必要です。ストレスもニキビの要因です。人はストレスにさらされるとビタミンCの消費が多くなることが知られており、ニキビ予防に有用なビタミンCが不足します。また、ストレスは免疫力を低下させるため、ニキビの原因菌となる皮脂に詰まった雑菌が増殖しやすい肌環境に陥る場合もあるでしょう。
腸内環境が悪化して便秘がちになると、腸の動きが滞ってアンモニアなどの有害物質が腸から体内に吸収され、ニキビなどの不調につながるため注意が必要です。また、睡眠不足は肌の新陳代謝を妨げ、喫煙は毛細血管の収縮によって酸素や栄養素が全身に供給されにくくなるため、ニキビのできやすい肌につながります。
2.ニキビの改善に効果が期待できるビタミン
ニキビが気になる方におすすめのビタミンは、ビタミンCやビタミンE、β-カロテンなどです。ビタミンCはコラーゲンが生み出されるときに働くビタミンであり、健やかな肌作りに欠かせません。ゴーヤやピーマン、オレンジなどはビタミンCが豊富です。ビタミンEは、かぼちゃやうなぎなどから摂取できます。緑黄色野菜に多いβ-カロテンは強い抗酸化作用を持ち、肌の再生に関わるビタミンAのもとになるためおすすめです。
また、エネルギー代謝に関わるビタミンB1や、皮脂の分泌を整える働きも持つビタミンB2もしっかり摂るとよいでしょう。ビタミンB1は豚肉や玄米などに、ビタミンB2はうなぎや納豆などに豊富です。単一の栄養素ばかりを摂るのではなく、さまざまな食材からバランス良く摂取しましょう。
3.ビタミンが摂れるレシピを紹介
ビタミンをたっぷり摂れるおすすめレシピを2つ紹介します。
3-1.ビタミンパワーのゴーヤチャンプルー
ビタミンCの豊富なゴーヤを用いた、ゴーヤチャンプルーのレシピです。
【材料】(2人分)
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• ゴーヤ 1/2本
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• 豚薄切り肉 100g
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• 木綿豆腐 1/2丁
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• 卵 1個
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• 泡盛大さじ 1
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• オイスターソース 大さじ1/2
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• 鶏ガラスープの素 小さじ1
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• ごま油 大さじ1
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• 塩 適量
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• こしょう 適量
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• かつお節 1パック
【作り方】
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1. ゴーヤを縦半分にカットしてスプーンでワタを除いたら、5mm幅に切ります。塩小さじ1/3を振って軽く揉んだら5分置き、水でさっと洗い、水気を取りましょう。豚薄切り肉に塩、こしょうをしたら、食べやすいサイズにカットします。木綿豆腐をキッチンペーパーでくるみ、重しをして水気を切ります。
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2. フライパンにごま油を熱して、豚肉を炒めましょう。肉の色が変わったところでゴーヤを入れ、強火にして炒め合わせます。
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3. ゴーヤがしんなりとやわらかくなってきたら、手でちぎった木綿豆腐を入れて炒めます。泡盛、鶏ガラスープの素、オイスターソースの順に加えてさらに炒めます。
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4. 3に溶き卵をまわし入れます。卵が半熟状になったタイミングで塩、こしょうを加えて味を調えましょう。
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5. 4を器に盛り付け、かつお節をかければできあがりです。
泡盛を使うとコク深くなりますが、普通の酒で代用することも可能です。1でゴーヤを5分以上置くと苦みをやわらげることができるため、ゴーヤの苦みが苦手な方は試してみてください。
3-2.砂肝のレモン炒め
ビタミンやミネラル、タンパク質が豊富に含まれる砂肝を使った、さっぱり風味のレシピです。
【材料】(2人分)
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• 砂肝 300g
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• 【A】
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• レモン汁 1/2個分
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• おろしにんにく 小さじ1/2
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• 塩 小さじ1/4
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• 酒 小さじ1
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• サラダ油 大さじ1/2
【作り方】
砂肝はビタミンなどの栄養が豊富な食材です。おいしく食べるには砂肝の下処理が必要ですが、家庭でも手軽に作れるため、おつまみとしても最適です。
ビタミンを意識した食生活を心がけニキビを改善しましょう
ニキビは、毛穴の組織に皮脂が詰まったり炎症が起こったりすると発生します。食生活の乱れや睡眠不足、ストレスなどはニキビを悪化させる要因となるため、注意が必要です。
ニキビが気になる方には、健やかな肌を支えるビタミンCやビタミンE、β-カロテン、ビタミンB1、ビタミンB2などを意識的に食事から摂取することをおすすめします。
今回紹介したレシピを参考に、ビタミンなどさまざまな食材をバランス良く取り入れ、ニキビ対策をしていきましょう。
監修者情報
氏名:梅村 将成(うめむら・まさなり)
外科医として地方中核病院に勤務中。
消化器外科のみならず総合診療医として、がん治療(手術・抗がん剤・緩和治療/看取り)を中心に、幅広く内科疾患・救急疾患の診療を行なっている。
資格:医師免許・外科専門医・腹部救急認定医