目次
1.ねぎの種類と栄養成分
まずは、ねぎの種類や栄養成分を解説します。
1-1.ねぎの種類
ねぎの種類は400種類ほどあり、大きく「根深ねぎ」と「葉ねぎ」の2つに分類されます。東日本と西日本それぞれの土地の気候や土壌に合ったねぎが栽培されており、呼び方もそれぞれ異なります。
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根深ねぎ
根深ねぎは、白い部分が多いねぎのことです。寒さに強く、東日本でよく栽培されています。
東日本では「ねぎ=根深ねぎ」を指し、西日本では「白ねぎ」「ネブカ」などと呼ばれます。 -
葉ねぎ
葉ねぎは、緑の部分が多いねぎのことです。暑さに強いので、西日本でよく栽培されています。また、土が硬く土寄せの作業が大変という理由からも葉ねぎの栽培が盛んに行なわれているようです。
東日本では「アサツキ」「ワケギ」「万能ねぎ」、西日本では「青ねぎ」などと呼ばれます。
1-2.ねぎ100gに含まれる栄養成分
ねぎに含まれる栄養成分は、以下のとおりです。
【ねぎ(生)100gに含まれるおもな栄養素】
成分 | 単位 | 根深ねぎ(白) | 葉ねぎ(青) |
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エネルギー | kcal | 35 | 29 |
カリウム | ㎎ | 200 | 260 |
カルシウム | ㎎ | 36 | 80 |
鉄 | ㎎ | 0.3 | 1.0 |
亜鉛 | ㎎ | 0.3 | 0.3 |
β-カロテン | ㎍ | 82 | 1500 |
ビタミンK | ㎍ | 8 | 110 |
ビタミンB2 | ㎎ | 0.04 | 0.11 |
葉酸 | ㎍ | 72 | 100 |
ビタミンC | ㎎ | 14 | 32 |
食物繊維 | g | 2.5 | 3.2 |
参照:文部科学省「食品成分データベース」をもとに作成)
根深ねぎ(白)と葉ねぎ(青)を比べてみると、全体的に葉ねぎのほうが栄養価は高いことがわかります。特にねぎの青い部分には、カルシウム・β-カロテン・ビタミンKなどが豊富です。ねぎの白い部分は、「葱白(そうはく)」の名で漢方でも用いられており、発汗作用や体を温める作用があります。
ねぎに含まれるおもな栄養成分の働きは、以下のとおりです。
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カリウム
カリウムは、塩分を体の外に排出する働きがあります。血圧が高めの方は、積極的に摂りましょう。
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カルシウム
カルシウムは、骨や歯を構成する主要成分です。神経や血液、筋肉にも存在しており、丈夫な体を維持して、穏やかな毎日を支えています。
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β-カロテン
β-カロテンは体が必要とする分だけをビタミンAに変換し、残りは体に蓄積されます。ビタミンAは、目の健康を維持するために欠かせない成分です。
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ビタミンK
ビタミンKは血を固めるために必要な成分で、丈夫な骨を作るために重要な役割を担っています。
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葉酸
葉酸は、赤血球を作る働きがあり「造血のビタミン」といわれています。体の発育に関与し、細胞の分裂や成熟に重要な役割を担っています。妊婦さんが積極的に摂ることで胎児の健全な成長に役立ちます。
1-3.辛みとにおいの成分「硫化アリル」
ねぎ特有の辛みと刺激臭の成分は、「硫化アリル」という揮発性の成分によるものです。硫化アリルは、胃液の分泌を促進して、消化を良くする働きがあります。また、高い抗菌作用と抗酸化作用があり、免疫力がアップして血液をサラサラにしてくれます。
硫化アリルは体内で分解されると、ビタミンB1の吸収を高めるアリシンに変化し、睡眠の質改善・疲労回復に効果的です。そのため、ビタミンB1が多い豚肉や大豆、カツオ、緑黄色野菜などと一緒に食べるとよいでしょう。
1-4.「含硫アミノ酸」が男性のメタボに効果的!?
男性の内臓脂肪型肥満の原因の一つは、男性ホルモンの低下です。ねぎに含まれる「含硫アミノ酸」は男性ホルモンを増やす働きがあり、メタボリックシンドローム(メタボ)を防ぐ効果が期待されています。
メタボは、内臓脂肪蓄積によって血圧や血糖、脂質代謝の異常を引き起こし、あらゆる病気の原因となります。
男性ホルモンの分泌低下は、男性の更年期障害にもつながるため、メタボ予防のために積極的にねぎを摂取しましょう。