ラジオ体操の消費カロリーとは?
ラジオ体操で期待できる健康効果についても解説

国民の健康を保つために1928年から始まった、ラジオ体操。子どもの頃、夏休みにラジオ体操をしていたという人は多いのではないでしょうか。

現在でも、ラジオで朝6時30分から毎日放送されています。そのため、ラジオを持っていれば、場所を問わずラジオ体操を気軽に始めることが可能です。

今回の記事では、日本人にとってなじみ深いラジオ体操について、消費カロリーや期待できる効果の解説をします。

1.ラジオ体操の運動強度と消費カロリー

ラジオ体操には第一と第二がありますが、それぞれどのくらいの運動量になるのでしょうか。運動強度と消費カロリーについて、第一と第二、そして座って行なった場合に分けて解説します。

1-1.ラジオ体操の運動強度

運動強度(その運動を行なうにはどのくらいの負荷がかかるか)は、じっと座っているときの何倍のエネルギーを必要とするかで測ることが可能です。そして、その単位を「メッツ」と呼びます。

それでは、ラジオ体操の種類ごとの運動強度や他の運動との比較について見てみましょう。

  • ラジオ体操第一

    ラジオ体操第一の運動強度は4メッツです。これは、ゆっくりと階段を昇ったり、自転車で通勤したりするのと同程度の強度にあたります。また、自分の体重を使って行なう軽めの筋力トレーニングよりも、強度が強い運動といえます。

  • ラジオ体操第二

    ラジオ体操第二の運動強度は4.5メッツです。テニス(ダブルスの試合)や水中歩行(中等度)と同等の強度になります。

  • 座って行なうラジオ体操

    ラジオ体操を座って行なう場合の運動強度は、2.8メッツです。ストレッチは2.3メッツ、ヨガは2.5メッツとなるため、これらの運動よりも強度は強いといえます。

1-2.ラジオ体操の消費カロリー

ラジオ体操を5分間行なうと20kcal消費し、これは660歩を歩いた場合の消費カロリーに相当します。

ストレッチは10分ほど行なうと26kcal、植物の水やりも10分ほどで26kcalの消費となるため、ラジオ体操は効率良くカロリーを消費できる運動だといえるでしょう。

2.ラジオ体操で期待できる健康効果

ラジオ体操を行なうことで、どのようか効果が得られるのでしょうか。効果に加えラジオ体操で意識すべきポイントについても解説します。

2-1.ラジオ体操で得られる効果

ラジオ体操には、上半身・下半身の運動となる動きだけでなく、全身を使う動きが含まれています。さらに、ひねったり屈伸したりと、さまざまな関節を使う動きもあります。

これらの動きによって、呼吸が促される、消化器の働きが改善される、肩こりや腰痛の予防・改善になるなどの効果が期待できるでしょう。

また、ラジオ体操は単なる体操というだけでなく、エクササイズとしても有酸素運動としても優れています。一日の始まりや、運動前に行なうウォーミングアップにもおすすめです。

2-2.ラジオ体操で意識すること

上記で紹介した効果をより高めるには、意識すべきポイントがあります。

ラジオ体操を行なう際には、呼吸を意識すること、動きを一つひとつ丁寧に行ない指先まで伸ばすこと、動かしている部位に集中することが大切です。

ラジオ体操でカロリーを消費して健康を目指そう

国民の健康維持を目的にスタートした、ラジオ体操。夏休みに行なう体操というイメージがあるかもしれませんが、丁寧に個々の動作を意識して行なうと心拍数が上昇し、優れたエクササイズや有酸素運動になります。

ラジオ体操の動きには、呼吸の促進、消化器の働きの改善、肩こりや腰痛の予防・改善など、さまざまな効果が期待されています。

運動は、誰かと一緒に行なうと継続しやすいことがわかっています。ぜひ周りの人を誘って、ラジオ体操を習慣化してみてください。

監修者情報

氏名:井林雄太(いばやし・ゆうた)
総合病院勤務。大分大学医学部卒。
日本内科学会認定内科医、日本内分泌内科専門医、日本糖尿病内科専門医の資格を保有。現在は医師業務のかたわら、正しい医療情報を伝える啓発活動も市民公開講座など通して積極的に行なっている。