アルコール(お酒)の適量ってどのくらい?
飲酒時のポイントについても解説

アルコール(お酒)には、ストレス軽減や食欲増進、コミュニケーション促進といったメリットがあります。ただし、これらのメリットは適量の飲酒によって、もたらされるものです。

そのため、飲酒にあたっては「どれくらいが適量なのか」「どういった飲み方が良いのか」など、気になる方も多いのではないでしょうか。

今回の記事では、アルコールの適量の目安や、飲酒時に注意すべきポイントを解説します。

1.アルコール(お酒)の適量とは?

適量のアルコールとは、どのぐらいの量なのでしょうか。
ここでは、アルコールにおける適量の考え方や目安などを紹介します。

1-1.アルコール(お酒)の適量について

アルコールにおける適量は、個人の体重や年齢、アルコール分解速度によって大きく異なります。例えば、65歳以上の高齢者はアルコール分解速度が低下していることから、深く酔いやすい傾向にあるため、少量に抑えたほうがよいでしょう。

また、アルコールの適量には男女差もあります。同じ飲酒量でも、アルコール分解速度が遅い傾向にある女性のほうが、体への影響が出やすいとされています。

自分の体質を踏まえたうえで、節度ある飲酒を心がけることが大切です。

1-2.純アルコール20g程度が目安

厚生労働省が取り組んでいる国民健康づくり運動「健康日本21」によれば、節度ある適度な飲酒量は、純アルコールに換算すると一日平均20g程度と定義されています。

この量は、通常のアルコール代謝能力を持つ日本人の場合の数値となるため、お酒を飲むとすぐに顔が赤くなる方や持病を抱えている方は、より少量が適当です。

また「健康日本21」では、生活習慣病のリスクを高める飲酒量も定義され、一日あたりの純アルコール量が男性は40g以上、女性は20g以上でリスクがあるとされています。

1-3.酒類に換算した純アルコールの目安

お酒によってアルコール度数が異なるため、酒類ごとに換算した純アルコール量を押さえておくとよいでしょう。

下記の計算式を使えば、自分が飲んでいるお酒の純アルコール量を算出できます。

純アルコール量(g)=お酒の量(ml)×アルコール度数/100×0.8(アルコール比重)

おもな酒類ごとの純アルコール量の目安をまとめているので、こちらもぜひ参考にしてください。

酒類 アルコール度数 純アルコール量
ビール(中瓶1本500ml) 5% 20g
清酒(1合180ml) 15% 22g
ウイスキー・ブランデー(ダブル60ml) 43% 20g
焼酎35度(1合180ml) 35% 50g
ワイン(1杯120ml) 12% 12g

2.アルコール(お酒)を飲むときのポイント

お酒を健康的に楽しみたいなら、先述した「節度ある適度な飲酒量」を守るとともに、正しい飲み方を学んで実践することが大切です。

まずは大原則として、空腹時の飲酒は避けましょう。胃が空っぽだとアルコールはすぐ吸収されてしまうので、悪酔いをしやすくなります。お酒は食事と一緒に、食べ物をお腹に入れながら飲むことを心がけましょう。

また、飲酒を2~3日したら飲酒しない日を1日つくるなど、週2回以上は「休肝日」をつくってください。毎日飲酒すると、胃腸の粘膜や肝臓に影響をおよぼすことになりかねません。

そして、ウイスキー・ブランデー・焼酎など、アルコール度数の高いお酒を飲む場合は、水や炭酸水で薄めてゆっくりと飲みましょう。こういったお酒は、血中アルコール濃度が高まって酔いやすく、胃腸や肝臓への影響も増大する傾向にあります。

アルコール(お酒)は適量を意識して飲むようにしましょう

アルコール(お酒)は、節度のある適度な量であれば、ストレスの軽減やコミュニケーションの促進などのメリットをもたらしてくれるものです。

しかし、どれくらいが適量なのかは個人の体重や年齢、アルコール分解速度によって異なるため、一般的な数値を参考にしながら、自分の適量を考える必要があります。

適量を意識する以外にも、お酒は食事をとりながら飲む、週2回以上のペースで休肝日をつくるなど、正しい飲み方を心がけることが大切です。

楽しい時間を過ごすためにも、飲酒の際には、今回紹介したことを意識してみてください。

監修者情報

氏名:井林雄太(いばやし・ゆうた)
総合病院勤務。大分大学医学部卒。
日本内科学会認定内科医、日本内分泌内科専門医、日本糖尿病内科専門医の資格を保有。現在は医師業務のかたわら、正しい医療情報を伝える啓発活動も市民公開講座など通して積極的に行なっている。