目次
1.シュウ酸とは?
シュウ酸は、食べ物のアクの素になっている成分です。カルシウムや鉄分の吸収を阻害する働きがあります。
シュウ酸の摂り過ぎは、尿路結石の原因となるため、注意が必要です。シュウ酸を摂り過ぎると、尿のなかで飽和状態になってしまいます。そして、腎臓でシュウ酸などの成分が結晶化し、その結晶がいくつか集まった塊が尿路結石になるのです。
ある日突然、お腹や背中に転げまわるほどの激痛が走り、吐き気や冷や汗が出たという経験のある方はいますか。これは、尿路結石のおもな症状です。「シュウ酸」の摂り過ぎはこの尿路結石の一因となります。
では、シュウ酸はどのような食品や飲み物に多く含まれているのでしょうか。
今回の記事では、シュウ酸を多く含む食品や飲み物を解説します。また、注意したい生活習慣やシュウ酸濃度が高くならない工夫についても紹介するので、参考にしてみてください。
目次
シュウ酸は、食べ物のアクの素になっている成分です。カルシウムや鉄分の吸収を阻害する働きがあります。
シュウ酸の摂り過ぎは、尿路結石の原因となるため、注意が必要です。シュウ酸を摂り過ぎると、尿のなかで飽和状態になってしまいます。そして、腎臓でシュウ酸などの成分が結晶化し、その結晶がいくつか集まった塊が尿路結石になるのです。
次に挙げる食品は、シュウ酸を多く含むため摂り過ぎに注意が必要です。
ここからは、シュウ酸の含有量が多い食品を紹介します。
食品名 | シュウ酸含有量(g) |
---|---|
ほうれん草(生) | 0.7 |
純ココアパウダー | 0.7 |
チアシード(乾燥) | 0.7 |
里芋(生) | 0.1 |
さつまいも(生) | 0.1 |
干し芋 | 0.1 |
ピーナッツ | 0.1 |
オクラ | 0.1 |
青大豆(炒り) | 0.1 |
参照:文部科学省「食品成分データベース」
その他、タケノコ・レタス・バナナ・チョコレート・紅茶・緑茶・コーヒーもシュウ酸が多く含まれているため、摂り過ぎには注意しましょう。
尿中シュウ酸濃度を高める要因は、年齢や男女の違い・遺伝・職業・気候などさまざまです。ここでは、特に影響力の高い食生活を紹介します。
日本人の食事は欧米化が進み、昔と比べて「動物性タンパク質」「塩分」「糖分」「脂質」が多い食品を食べる機会が多くなりました。
過剰に摂取すると血中や尿中のシュウ酸濃度を高める可能性があるため、以下のような食品の食べ過ぎにも注意しましょう。
・インスタントラーメン
・コンビニ弁当
・カップ麺
・脂身の多い肉や皮
・肉加工食品(ベーコン・ハムなど)
・動物性油脂(バター・ラード)
・スナック菓子(クッキーなど)
・洋菓子(チョコレート・ケーキ・ドーナツなど)
食事以外にも、尿中のシュウ酸濃度を高める生活習慣があります。次のような生活習慣はなるべく避けましょう。
・食事のあとすぐに寝る
・トイレを我慢する
・ストレスの多い環境
・水分不足
また、男性ホルモンにはシュウ酸を増やす働きがあるため、女性よりも男性のほうが尿中シュウ酸濃度は高くなりやすいといわれています。
尿中シュウ酸濃度を低くするために、日常生活で気を付けるべきポイントをお伝えします。
水をたくさん飲むことで、尿のシュウ酸濃度が薄まります。万が一小さな結石ができてしまった場合も、尿量が多ければ自然に尿として排出が可能です。一日に2リットル以上の排尿が目標とされているため、積極的に水分補給しましょう。
結石はカルシウムを含むものが8割といわれており、以前はカルシウムの摂取が結石の原因になるといわれていましたが、現在は積極的に摂るように推奨されています。なぜなら、カルシウムは腸のなかでシュウ酸とくっついて、体内に吸収されるのを抑制することがわかったからです。
シュウ酸はカルシウムの多い食品と一緒に食べると、尿ではなく便と一緒に排泄されます。そのため、シュウ酸の多い食品はカルシウムの多い食品と組み合わせて摂取するとよいでしょう。
食事は夕食が特にボリューミーになりがちですが、一日3食バランス良く食事を摂ることが大切です。肉など脂っこい食事はほどほどにして、野菜中心の食事が推奨されています。また、夕食後はすぐに寝ないで、食後4時間はあけて寝るようにしましょう。
飽食の時代といわれる現代は、自分の好きな食事に偏りがちです。また、一日の頑張りを労うように、夕食はボリューミーになりやすい傾向があります。一日の50%以上のエネルギーを夕食で摂っている方も珍しくありません。
このような食生活を送っていると、尿路結石で、ある日突然激しい腹痛や背部痛に襲われる危険性があります。シュウ酸の摂り過ぎは、尿路結石の一因であり、注意が必要です。
シュウ酸はほうれん草やチアシード・ココアパウダーなど栄養豊富な食品に多く含まれています。これらの食品の栄養素をしっかり摂りつつ、リスクを低くするには、カルシウムの多い食品と一緒に食べるのがおすすめです。
今回紹介した内容を参考に、シュウ酸と上手に付き合っていきましょう。
氏名:井林雄太(いばやし・ゆうた)
総合病院勤務。大分大学医学部卒。
日本内科学会認定内科医、日本内分泌内科専門医、日本糖尿病内科専門医の資格を保有。現在は医師業務のかたわら、正しい医療情報を伝える啓発活動も市民公開講座など通して積極的に行なっている。
成分
健康を気にする方のなかには、プロポリスが体に良いと耳にしたことがある方もいるでしょう。
成分
ビタミンを摂取できるものといえば、野菜や果物を思い浮かべる人も多いかもしれませんが、実はさまざまな食品に含まれています。
成分
酵素が健康に良いと聞いたことはありませんか。
成分
一日に摂取する野菜の目安量は350gとされています。
成分
甜茶(てんちゃ)は、非常に貴重なお茶として、国外への持ち出しが禁止されていた過去があるといわれています。