海苔(焼きのり)の栄養素とは?
おすすめレシピを紹介

仕事や毎日の生活のなかで、なかなか疲れが取れないと感じていませんか。食事でしっかり栄養素を補給すると疲労回復に役立ちます。

栄養素が多く含まれ、料理へのアレンジもしやすい食材の一つが海苔です。

今回の記事では、身近な食材で食生活に取り入れやすい海苔の栄養素と、海苔を使ったおすすめレシピを4つ紹介します。

1.海苔(焼きのり)の栄養素について

海苔(焼きのり)にはさまざまな栄養素が含まれています。それぞれの栄養素の含有量とおもな働きは次のとおりです。

栄養素 可食部100gあたりの量
カリウム 2,400mg
カルシウム 280mg
11.0mg
亜鉛 3.6mg
α-カロテン 4,100μg
β-カロテン 25,000μg
ビタミンB1 0.69mg
ビタミンB2 2.33mg
ビタミンB12 58.0μg
葉酸 1,900μg
ビタミンC 210mg
食物繊維 36.0g

亜鉛

亜鉛は多くの酵素を構成する成分です。亜鉛が足りなくなると、体内でのタンパク質やDNAの合成に影響をおよぼし、成長障害が生じることがあります。また、味覚障害や貧血、生殖機能の低下を招くことがあります。

葉酸

葉酸はビタミンB群の一種で、別名「造血のビタミン」と呼ばれています。葉酸は赤血球合成に重要な役割を持つ栄養素であるため、貧血予防のためにも必要量をしっかり摂取しましょう。

ビタミンB2

ビタミンB2は皮膚や髪、爪を健やかに保つサポートをします。ビタミンB2不足は口内炎や口角炎の原因の一つです。

鉄は血液中のヘモグロビンの構成成分として、酸素を運ぶ働きをします。鉄の摂取量が少ないと鉄欠乏性貧血を引き起こすため、毎日の食事で十分量を補いましょう。

カリウム

カリウムの多くは細胞内に存在して、細胞の浸透圧や水分を適切に保っています。通常の食事でカリウム不足になることはありませんが、激しい嘔吐や下痢をすると不足状態に陥ることがあります。体調不良時は特に注意しましょう。

ビタミンB6

ビタミンB6は、アミノ酸の代謝を助ける補酵素です。免疫の働きなどをサポートします。また、ビタミンB12は葉酸とともに赤血球の合成に関わる栄養素です。

その他にも、ビタミンB1やビタミンC、カルシウムはストレスや疲労を和らげます。このように海苔に含まれる栄養素は、さまざまな形で体の健康維持に役立つ成分といえるでしょう。

2.海苔を使ったおすすめレシピ

たっぷりの栄養素を手軽にとれる海苔を、食生活にぜひ取り入れましょう。海苔はそのまま食べるだけでなく、アレンジ例も豊富です。ここでは海苔を使ったおすすめレシピを4つ紹介します。

2-1.まぐろとキムチのキンパ(韓国風海苔巻き)

マグロやキムチ、にんじん、きゅうりを使ったカラフルなキンパ(韓国風海苔巻き)です。巻き簾で巻くときは、しっかり力を入れて形をきれいに整えましょう。包丁で切り分けても崩れにくくなります。また、切るたびに濡れ布巾で包丁を拭いてきれいにすると、美しい切り口になります。生のまぐろを使うため、すべての材料は粗熱を取ってから巻きましょう。

【材料】2人分

  • ・まぐろ(刺身用) 100g

  • ・米 1合

  • ・ごま油 大さじ1

  • ・にんじん 4cm

  • ・ごま油 小さじ1/2

  • ・きゅうり 1/2本

  • ・卵 2個

  • ・白菜キムチ 50g

  • ・韓国のり(全型) 3枚

  • ・塩 少々

  • ・白ごま 小さじ2

  • ・ごま油 少々

【作り方】

  • 1. 米を炊飯器で炊いておきます。炊けたら塩、白ごま、ごま油(大さじ1)を加えて混ぜ合わせて粗熱を取っておきましょう。

  • 2. 細切りにしたにんじんをごま油(小さじ1/2)で炒めます。きゅうりは縦に8等分に切り分けましょう。卵に塩少々を加えて厚焼きたまごを作り、きゅうりと同じサイズに切ります。

  • 3. 食べやすい大きさに切ったまぐろに、白菜キムチを加えて混ぜ合わせます。

  • 4. 韓国のりを敷いた巻き簾の手前2/3に、ご飯を薄く載せます。その上に、厚焼きたまご、にんじん、きゅうり、白菜キムチを和えたまぐろを載せ、手前から一気に巻きましょう。形をきれいに整え、ごま油少々を薄く全体に塗ります。

  • 5. 食べやすい厚さに切り分けて、お皿に盛り付けて完成です。

2-2.アスパラガスののり巻き揚げ

揚げたてがおいしいのり巻き揚げは、お酒のおつまみにもぴったりです。今回のレシピでは焼きのりを紹介していますが、お好みで韓国のりを使うのもよいでしょう。

【材料】2人分

  • ・アスパラガス 5本

  • ・焼きのり(2切) 5枚

  • ・薄力粉 小さじ1/2

  • ・水 小さじ1

  • ・サラダ油 大さじ2

  • ・赤しそのふりかけ 小さじ1

【作り方】

  • 1. 根元の硬いところを切り落としたアスパラガスの皮を、根元から1/3ほどピーラーでむきます。薄力粉は水を加えて、小麦粉のりを作っておきましょう。

  • 2. アスパラガス1本にのりを1枚巻き、巻き終わりを小麦粉のりでとめます。

  • 3. フライパンで油を熱し、のりを巻いたアスパラガスを揚げ焼きにします。

  • 4. のりの色が変わり、アスパラガスの切り口が透きとおってきたら完成です。器に盛り付けて、赤しそのふりかけをちらしましょう。

2-3.もやしとツナの海苔ごまピーナツ和え

ゆでたもやしなどの具材をタレで和えて、もみのりをかけるだけの簡単レシピです。細めのもやしの方が味がよくなじむためおすすめです。もやしが冷めてからタレとからめると、水っぽくなりません。

【材料】2人分

  • ・もやし 1袋

  • ・きゅうり 1本

  • ・ツナ缶(小) 1缶

  • ・もみのり 適宜

【A】

  • ・焼肉のごまだれ(市販品) 大さじ2

  • ・オイスターソース 小さじ1強

  • ・ピーナツバター 小さじ1

  • ・ポン酢 小さじ2

【作り方】

  • 1. 根を取ったもやしをさっとゆで、ザルにとって冷まします。きゅうりはまず斜めに切り、そのあと千切りにしましょう。ツナはさっと熱湯を回しかけて、油を切ります。

  • 2. ボウルに【A】の調味料を混ぜ合わせ、もやし、きゅうり、ツナを入れて和えます。

  • 3. 器に盛り付け、もみのりをちらして完成です。

2-4.漬けサーモンの細巻き

大葉の爽やかな香りが食欲をそそる細巻きです。細巻きを巻くときは、焼きのりのザラザラした面を上にして作りましょう。

【材料】約5本分

  • ・米 1合

  • ・すし酢(市販品) 大さじ3~

  • ・サーモン(刺身用) 100g

【A】

  • ・しょうゆ 大さじ2

  • ・みりん 大さじ2

  • ・酒 大さじ2

  • ・焼きのり(2切) 5枚

  • ・大葉 5枚

【作り方】

  • 1. 研いだ米を30分以上浸水し、水加減をやや少なめにして炊きます。炊けたご飯にすし酢を回すようにしてかけ、しゃもじで切るように混ぜて粗熱を取りましょう。

  • 2. サーモンは細長く、大葉は縦半分に切ります。

  • 3. 【A】を小鍋に入れて煮立て、沸騰したら火を止めて冷ましましょう。冷めたらサーモンと大葉を加えて15~30分ほど漬けて味をなじませます。

  • 4. 巻き簾の上に焼きのりを敷き、上側を1.5cmほど空けて酢飯を全体に広げます。

  • 5. 酢飯の中央に大葉2枚を置き、その上に汁気を切ったサーモンを置いてしっかり巻きます。

  • 6. 巻き終わりを下にしてそのまま数分置いたあと、食べやすい大きさに切り分けて完成です。

おいしい料理で楽しみながら海苔の栄養素を取り入れましょう

健康な毎日のためには、食事で栄養をしっかりと摂ることが大切です。

海苔は日本人にとって身近な食材であり、ビタミンやミネラルなど体を健やかに保つための栄養素が多く含まれています。

焼きのりや味海苔として食べる以外にも、手軽に料理に加えられるのもメリットです。巻いたり、ちらしたり、和えたりなどの方法で、料理に栄養素たっぷりの海苔を取り入れてみましょう。

監修者情報

氏名:高橋健太郎(たかはし・けんたろう)
循環器内科医として臨床に関わりながら、心血管疾患のメカニズムを解明するために基礎研究に従事。現在はアメリカで生活習慣病が心血管疾患の発症に及ぼす影響や心血管疾患の新しい治療法の開発に取り組んでいる。国内・海外での学会発表や論文報告は多数。
日本内科学会認定内科医、日本循環器学会所属。