わかめに含まれる栄養素
わかめの基礎知識やおすすめのレシピを紹介

日本では昔から食べられてきたわかめは、味噌汁などによく使われる食品です。日常的に食べているという人も少なくないのではないでしょうか。

実は、わかめには体にうれしいさまざまな栄養素が含まれています。

今回は、わかめの基本的な知識や含まれている栄養、おすすめのレシピも紹介します。

1.わかめの基礎知識

わかめはコンブ科の海藻です。陸から離れた水深が浅い所で、岩の上にくっついて育ちます。乾燥させて保存もできるため、日本では昔から食べられてきました。現代でも乾燥わかめは、即席麺やインスタント味噌汁の具材などに使われています。

生わかめを選ぶときには、弾力があって色も良くツヤがあり、香りの良いものを選びましょう。

2.わかめに含まれる栄養素

わかめは海の中で育つためミネラルが豊富であり、ビタミンAやカルシウム、食物繊維なども含まれています。それぞれの栄養素の働きについて見ていきましょう。

2-1.ビタミンA

ビタミンAには、抵抗力を強くしたり、目や皮膚の粘膜の健康を整えたりする働きがあります。また、薄暗い場所で視力を保つためにも、ビタミンAは重要な栄養素です。

2-2.カルシウム

カルシウムは、私たちの骨や歯を構成する成分として重要な役割を担っています。また、細胞分裂や筋肉の収縮、血液凝固、神経活動作用などにも関わっている大切な栄養素です。カルシウムが不足すると、骨や歯が弱くなってしまいます。

2-3.食物繊維

食物繊維は、腸内で健康に有用な作用をもたらしてくれる善玉菌(ビフィズス菌など)のエサになります。そのため、食物繊維を摂ることで善玉菌を増やすことにつながり、腸内環境を整える効果が期待できるのです。

また、わかめに多く含まれている水溶性の食物繊維は、小腸での栄養素の吸収をゆるやかにし、食後の血糖値上昇を抑える働きがあります。さらに、血中のLDL(悪玉)コレステロールを低下させ、ナトリウムを外に排出し血圧上昇を抑えてくれる作用も期待されています。

3.栄養豊富なわかめを使ったレシピ

ここからは、あらゆる栄養素を含んでいるわかめを使ったレシピを紹介します。

3-1.せりとわかめのナムル

まずは、せりの食感が効いた「せりとわかめのナムル」のレシピを紹介します。

【材料】2人分

  • • せり 1束

  • • 乾燥わかめ 1.5g

  • • おろしにんにく 適量

  • • 塩 適量

  • • ごま油 小さじ1/2

【作り方】

  • 1. 塩を適量加えた熱湯でせりをゆで、冷水に取り冷ましておきます。

  • 2. せりの粗熱が取れたら、3~4cm長さにカットしましょう。

  • 3. 乾燥わかめは水で戻しておき、食べやすい大きさにカットします。

  • 4. ボウルにせりとわかめ、おろしにんにく、塩、ごま油を入れてよく混ぜ合わせたら完成です。

せりは食感を残すために、さっとゆでる程度にしましょう。

3-2.茎わかめの佃煮

次に紹介するレシピは、コリコリとした食感と佃煮の味がおつまみにぴったりな「茎わかめの佃煮」です。

【材料】2人分

  • • 茎わかめ(生) 150g

  • • 白ごま 適量

(A)

  • • 水 50ml

  • • しょうゆ 50ml

  • • 砂糖 40g

  • • みりん 大さじ2

  • • 酒 大さじ1

【作り方】

  • 1. 茎わかめを2~3㎜幅の斜め切りにします。

  • 2. 茎わかめを熱湯で30秒くらいゆでて、水に取ります。

  • 3. 鍋に(A)の調味料と茎わかめを入れて火にかけ、煮立ったら中火~弱火で15~20分煮ましょう。

  • 4. 汁気がほぼなくなったら、白ごまを振りかけて完成です。

塩蔵の茎わかめを使用する場合は、水に漬けて塩抜きをしてから使いましょう。

栄養素を豊富に含むわかめを日頃から取り入れましょう

わかめは海の中で育つため、体の調子を整えるミネラルを多く含んでいます。さらに、食物繊維やビタミンA、カルシウムなども含むため、日頃の食事に取り入れるとよいでしょう。

手軽に使いやすい乾燥わかめは、長く保存できるだけでなく、生のわかめよりも栄養分が高いともいわれています。

ぜひ今回紹介したレシピも参考に、わかめを食卓に取り入れてみてください。

監修者情報

氏名:井林雄太(いばやし・ゆうた)
総合病院勤務。大分大学医学部卒。
日本内科学会認定内科医、日本内分泌内科専門医、日本糖尿病内科専門医の資格を保有。現在は医師業務のかたわら、正しい医療情報を伝える啓発活動も市民公開講座など通して積極的に行なっている。