1.なぜ水虫ができるのか?
なかには水虫は高齢の男性がなるもの、というイメージを持っている方がいるかもしれません。しかし実は、若い方でも女性でも、年齢性別に関係なく水虫になる可能性はあります。
1-1.そもそも水虫とは?
水虫とは、白癬菌によって起こる感染症のことを指します。正式には白癬と呼ばれますが、俗称である水虫のほうがなじみのある方が多いでしょう。
水虫といえば、足に感染する足白癬を思い浮かべやすいですが、感染するのは足だけではありません。白癬菌はケラチンというタンパク質があれば増殖できるため、足以外に爪や髪の毛などに感染することもあります。
足に感染したものは足白癬、股は股部白癬(インキンタムシ)、爪は爪白癬、髪の毛は頭部白癬(シラクモ)のように、感染する場所によって呼び方が変わることが特徴です。
1-2.水虫に感染する仕組みについて
水虫にかかっている方から剥がれ落ちる垢には、白癬菌が潜んでいます。感染者が使ったバスマットやスリッパには垢が付着しているため、これらを介して感染するケースが一般的です。
しかし、白癬菌が自分の足に付着したからといってすぐに水虫を発症するわけではなく、白癬菌が付着し、角質層の中に浸入して繁殖すると発症します。
足に水虫が感染しやすいのは、バスマットやスリッパから白癬菌が付着しやすいこと、靴下や靴を履く影響で湿度が高くなりやすいことが原因です。
2.水虫に感染しやすい人の特徴
次のような方は、水虫に感染しやすいため注意しましょう。
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• 足に汗をかきやすい
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• 足の指の間をあまり洗っていない
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• 足の裏にひび割れがある
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• 家族でスリッパを共有している
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• 家族に水虫の方がいる
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• 同じ靴を続けて履くことが多い
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• 足の臭いが気になることがある
このような方は、もしかしたらすでに水虫に感染している可能性もあります。かゆみの症状がなくても、すでに感染しているケースもあるのです。
「水虫かも?」と思ったら、皮膚科を受診しましょう。早めに治療を開始し、継続的に薬を服用することで水虫は完治します。
3.水虫の対策方法とは?
水虫を予防するためには、次のような対策が効果的です。
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• 蒸れやすい靴やブーツなどを避ける
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• 足の指の間までしっかり洗う
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• スリッパを共有しない
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• こまめに掃除機をかける
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• バスマットは定期的に洗濯する
白癬菌が付着してから角質層に入り込むまでには、24時間かかるといわれています。そのため、一日に1回は足を指の間までしっかり洗うことで予防が可能です。角質層に傷がつくとそこから白癬菌が侵入しやすくなるため、ゴシゴシこすらず優しく洗いましょう。
足が蒸れているときは乾燥しているときよりも白癬菌が角質層に入りやすくなることから、通気性の良い靴下や靴を使用することも水虫予防におすすめです。
水虫対策をしても治らない場合は皮膚科を受診しましょう
水虫になるのは、白癬菌の感染が原因です。年齢や性別に関係なくどなたでも感染する可能性があります。蒸れやすい靴を避け、家族間でスリッパの共有をしないようにするなどの対策を行なうことで水虫の予防は可能です。
水虫と思われる症状が見られたら、早めに皮膚科を受診しましょう。他の感染症の場合もあるため、まずは医師に相談することが大切です。
監修者情報
氏名:梅村 将成(うめむら・まさなり)
外科医として地方中核病院に勤務中。
消化器外科のみならず総合診療医として、がん治療(手術・抗がん剤・緩和治療/看取り)を中心に、幅広く内科疾患・救急疾患の診療を行なっている。
資格:医師免許・外科専門医・腹部救急認定医