中性脂肪と体脂肪の違いとは?脂肪を減らす方法についても紹介

健康診断で中性脂肪値を指摘されたり、体脂肪計で測った体脂肪値が気になったりしていませんか。

しかし、そもそも「中性脂肪」と「体脂肪」の違いが明確にわからない方も多いかもしれません。

今回は、中性脂肪と体脂肪の違いや、脂肪を減らす方法について解説します。

1.中性脂肪と体脂肪の違い

まずは、中性脂肪と体脂肪の違いを紹介します。

1-1.中性脂肪について

中性脂肪には、魚、食用油などの食品中の脂質に含まれる他、体脂肪のほとんどを占める物質のことです。

私たちの体内にある中性脂肪は、空腹時のエネルギー源となるほか、体温の維持、脂溶性ビタミンや必須脂肪酸の吸収、内蔵の保護・固定などの重要な役割を果たしています。

しかし、摂取エネルギーが消費エネルギーを上回る生活を続け、体内の中性脂肪が増えすぎると、脂肪肝や肥満につながります。具体的な基準として、空腹時の血液中の中性脂肪値が150mg/dl以上の場合は、中性脂肪が増えすぎているといえるでしょう。

1-2.体脂肪について

体脂肪は、皮下脂肪と内臓脂肪に分けられます。

例えるなら、皮下脂肪は「出し入れしにくい定期預金」、内臓脂肪は「すぐに出し入れできる普通預金」です。過剰なエネルギーを脂肪として蓄える際も、空腹時や運動時に脂肪をエネルギーとして燃やす際も、皮下脂肪はゆっくりと反応し、内臓脂肪は速やかに反応します。

なお、「体脂肪率」は、体に占める皮下脂肪と内臓脂肪の合計の割合を表したものです。体脂肪が過剰に蓄積された状態を肥満といいますが、体脂肪率と健康障害には明確な相関が認められていません。

1-3.違いについて

体脂肪は、全身の皮下脂肪と内臓脂肪の総称です。一方の中性脂肪は、体脂肪の大部分を占める物質を指します。

中性脂肪を摂りすぎると体脂肪として蓄えられ、結果として肥満になります。

2.体脂肪と中性脂肪を減らす方法

体脂肪や中性脂肪を減らすためには、軽く汗をかくくらいの強度で、有酸素運動を行なうことが大切です。高齢者の場合は週に3〜5回、10分以上の運動を合計30分以上行なうことを目標とし、ウォーキングやジョギング、水泳などを習慣化しましょう。

併せて、一日3食(朝・昼・夜)の規則正しい食事を基本に、食事内容を見直してみてください。

具体的なポイントは、次のとおりです。

  • • ごはん・めん類・パンなどの炭水化物中心にしない

  • • 揚げ物などの油脂類を控えめにする

  • • 菓子類やジュースなどの糖質の多い食べ物・飲み物を控えめにする

  • • 脂質や糖質の吸収を抑える食物繊維を積極的に摂る

同じ食事内容でも、食べる順番によって血糖値の上がり方が変わり、体脂肪や中性脂肪の増加を抑えやすくなります。サラダ・温野菜・野菜炒めなど、野菜のおかずから食べ始めるのが理想です。

なお、間食は無意識のうちに摂取エネルギーが過剰になりやすく、体脂肪や中性脂肪が増える原因となるため、食べ方に注意しましょう。

日常生活でできる対策で脂肪の増えすぎを避けましょう

中性脂肪や体脂肪が増えすぎると、肥満などの生活習慣病につながります。

日常生活でできる対策として、ウォーキングやジョギングのような有酸素運動の習慣化を目指しましょう。

食事内容や食べ方の見直しも大切です。脂質や糖質の摂りすぎに注意したり、野菜から食べ始めたりするなど、できることから工夫してみてください。

監修者情報

氏名:梅村 将成(うめむら・まさなり)
外科医として地方中核病院に勤務中。
消化器外科のみならず総合診療医として、がん治療(手術・抗がん剤・緩和治療/看取り)を中心に、幅広く内科疾患・救急疾患の診療を行なっている。
資格:医師免許・外科専門医・腹部救急認定医