朝食を抜くデメリットは?朝食を抜くことで引き起こされる影響について解説

朝は忙しく、その貴重な時間をどう使うかは人それぞれです。「ギリギリまで寝ている」「メイクに時間がかかる」などさまざまな事情で、朝食を摂らない人もいるでしょう。しかし、朝食には、大切な役割があります。朝食を抜くデメリットは、おなかが空くことだけではありません。精神面・夜の睡眠・ダイエットなど、多方面に悪影響を与えるのです。

今回は、朝食を抜くことのデメリットについてお伝えします。朝食の大切さを知って、意識改革をしていきましょう。

1.朝食を抜くデメリット

朝食を抜くことのデメリットは、おなかが空くだけではありません。具体的にどのようなデメリットがあるのかを見ていきましょう。

1-1.精神的な面で悪影響が出やすい

朝食を抜くと、「集中力が持続しない」「イライラする」など、メンタルの不調につながります。これは、朝食を抜くことで脳のエネルギー源であるブドウ糖が不足してしまうためです。ブドウ糖は、体内に大量に蓄えておくことができない性質があります。そのため、すぐに不足しやすいのです。

また、朝食を抜くと一日の生活リズムを担う「体内時計」が狂ってしまいます。体内時計は、血圧やホルモンなどを調節しているため、このリズムが乱れると精神状態に悪影響をおよぼすのです。精神面の不調は、勉強や仕事のパフォーマンス低下につながります。

1-2.睡眠にも影響が出る

朝食を食べない人や食べる量が少ない人は、早寝・早起きが苦手な人が多い傾向があります。体温は睡眠のサイクルと連動していて、日中の活動時間は高くなり、夜のリラックスタイムは低くなるというサイクルを繰り返しています。

そのため、朝食を食べてしっかりと体温を上げることで、日中は活動的に動くことができ、夜は良質な睡眠を得ることができるようになるのです。

1-3.血糖値が高くなりやすい

朝食抜きの空腹状態から昼食を食べると、血糖値が一気に上がることになり、太りやすくなります。体は空腹状態が続くと、下がった血糖値を補うために過剰気味にエネルギーを欲するのです。また、昼食や夕食でのドカ食いにもつながります。その結果、血糖値が急激に高くなり、糖を体脂肪として蓄えるため、太りやすくなるのです。

2.朝食にはお米がおすすめ

朝食で食べるなら、パンや麺よりも「お米」がおすすめです。“粒”の状態を噛んで食べるお米は、小麦などの“粉”からできているパンや麺に比べて、ゆるやかに消化・吸収されます。そのため、腹持ちが良く、空腹感が抑えられるので間食が少なくなるのです。また、ドカ食いを抑えられるので、体脂肪を貯め込むリスクも減ります。

さらに、血糖値はゆっくりと上昇し長時間維持されるため、脳にとっての安定したエネルギー源になるのです。

毎日「朝ごはん」を食べてベストな状態で過ごしましょう

「イライラしやすい」「集中力が続かない」「睡眠の質が悪い」「太りやすい」などの自覚がある場合、朝食を抜いているのではないでしょうか。もし食べていないのであれば、朝食を摂る習慣を作ることで、これらの悩みが解決できるかもしれません。

また、朝食にはパンよりも「ごはん」がおすすめです。ごはんは、パンや麺よりも腹持ちが良く、脳の安定的なエネルギー源となります。

朝食をしっかりと食べてエネルギーを補給することで、一日を活動的に過ごし、夜にぐっすりと眠れるような生活を送ってください。

監修者情報

氏名:高橋健太郎(たかはし・けんたろう)
循環器内科医として臨床に関わりながら、心血管疾患のメカニズムを解明するために基礎研究に従事。現在はアメリカで生活習慣病が心血管疾患の発症に及ぼす影響や心血管疾患の新しい治療法の開発に取り組んでいる。国内・海外での学会発表や論文報告は多数。
日本内科学会認定内科医、日本循環器学会所属。