運動は健康に欠かせない?
運動の種類ごとの効果を紹介

運動は健康に良い影響をもたらすとされていますが、具体的にどのような効果があるのか、詳しく知らないという人も多いのではないでしょうか。

運動と一口にいっても種類はさまざまなため、方法や効果を踏まえて取り組むことが大切です。

今回の記事では、運動が健康におよぼす効果を踏まえつつ、運動の種類ごとに期待できる効果を紹介します。

1.運動が健康におよぼす効果

日頃から適度な運動に取り組むと、以下のような効果が期待できます。

  • ・骨に刺激を与えることで、骨自体が丈夫になる

  • ・体の柔軟性が高まって筋力・筋肉量が増えるため、腰やひざの痛みといった運動器疾患の改善につながる

  • ・運動でのエネルギー消費により、余分な体脂肪を落とせるため、肥満の予防・改善が見込める

  • ・高血圧など生活習慣病の予防・改善が見込める

  • ・持久力や体力の向上により、身体活動が楽に行ないやすくなる

  • ・心肺機能の向上により、風邪をひきにくい体になる

  • ・運動の爽快感によりストレスを発散でき、精神が安定しやすくなる

  • ・運動を通じて生きがいや喜びを見出すことで、社会的な意義やポジティブな思考を持てるようになる

このように、身体面・精神面どちらにも良い効果が発生するため、運動を習慣化できると望ましいでしょう。

2.運動の種類ごとの効果

運動にはいくつか種類があり、それぞれ期待できる効果が異なります。どういった効果が期待できるのかを見ていきましょう。

2-1.有酸素運動

有酸素運動(エアロビクス)とは、糖質や脂質に加えて酸素も筋肉のエネルギー源として使う、体への負荷が比較的小さい運動です。

代表的な有酸素運動には、以下のようなものがあります。

  • ・ウォーキング

  • ・ジョギング

  • ・ラジオ体操

  • ・サイクリング

  • ・水泳

  • ・水中ウォーキング

  • ・球技スポーツ

  • ・エアロビクスダンス

有酸素運動を行なうと、体を動かすための基礎体力や持久力が身に付くほか、心肺機能を鍛えられます。さらに、脂肪をエネルギー源として消費するため、血中のLDLコレステロール・中性脂肪の低下、肥満解消といった効果が見込めることもメリットです。

有酸素運動は誰でも実践できる運動が中心となり、怪我のリスクも低いため、あまり運動をしない人でも継続しやすいでしょう。

2-2.筋力トレーニング

筋力トレーニングは、体を動かすための筋力・筋肉量をアップさせる運動です。自宅でも実践しやすいトレーニングには、腕立て伏せやスクワット、つま先立ち運動などが挙げられます。

筋力トレーニングを行なえば、姿勢の維持に必要な筋力を鍛えられるほか、心機能にも良い影響を与えることが可能です。

ただし、あまり負荷を高くかけすぎると、怪我や事故のリスクが高まるので、筋力トレーニングを行なう際は加減に注意しましょう。

2-3.ストレッチング

ストレッチングは関節や筋を伸ばす運動で、体の柔軟性を高められます。怪我を予防するための準備運動、運動後の疲労を回復するための整理運動として有効です。

ストレッチングによって関節の可動性が高まると、運動しやすい状態になります。それにより血行が良くなるので、腰痛・肩こりの解消やリラックス効果も期待できるでしょう。

2-4.バランス運動

バランス運動とは、動的動作を行なうときや止まった状態で姿勢を保つためのバランス能力を向上させる運動であり、転倒予防に有効です。四つ這いで片手・片足を上げて静止する「バードドッグクランチ」のほか、バランスボールを使ったトレーニングもあります。

なお、バランス運動は筋力トレーニングと併せて実践すると、より効果的とされています。

運動を習慣化することが心身の健康につながる

日常生活の一環として適度な運動を取り入れれば、骨密度増加や筋力アップが期待できたり、余分な脂肪を落としたりすることが可能です。また、ストレス発散や生きがいの発見など、精神面にも良い影響を与えられるため、心身の健康につながります。

有酸素運動や筋力トレーニングなど、運動の種類によって得られる効果も変わってくるので、自分の目的や問題を踏まえてメニューを考えてみましょう。

監修者情報

氏名:梅村 将成(うめむら・まさなり)
外科医として地方中核病院に勤務中。
消化器外科のみならず総合診療医として、がん治療(手術・抗がん剤・緩和治療/看取り)を中心に、幅広く内科疾患・救急疾患の診療を行なっている。
資格:医師免許・外科専門医・腹部救急認定医