1.わかめの特徴
わかめは、ミネラル・ビタミン・食物繊維など、さまざまな栄養素を豊富に含む健康優良食品です。例えば、わかめに含まれるミネラルのうち、カルシウムには丈夫な骨や歯を形成する働きがあり、食物繊維は腸内環境を整える働きがあります。
わかめには、大きく分けて「北方型」と「南方型」があり、北方型は寒流と親潮に揉まれて育つため、世界的にみても希少なわかめといえるでしょう。一般的に、わかめは寒い時期に大きく成長するため、水温の低いほうが生育に適しています。
2.わかめにはどれくらいの鉄分が含まれているのか
わかめには、ミネラルの一種である鉄分も含まれます。ここでは、わかめに含まれる鉄分の量と、鉄分の働きを見てみましょう。
2-1.鉄分の含有量
わかめの鉄分含有量は、以下のとおりです。
わかめの種類 |
鉄分含有量(100g当たり) |
生わかめ |
0.7mg |
素干しわかめ(水戻し前) |
2.6mg |
素干しわかめ(水戻し後) |
0.5mg |
なお、18歳以上の鉄分の摂取推奨量(※)は、男性が7.0~7.5mg、女性が6.0~6.5mg(月経ありの場合は10.5~11.0mg)です。
※推奨量:ある性・年齢階級に属する人々のほとんど(97~98%)が一日の必要量を満たすと推定される一日の摂取量
2-2.鉄分の働き
体内の鉄分は、赤血球として酸素を全身に運んだり、補酵素として酵素の働きを助けたりしています。鉄分が不足すると、めまい・頭痛・息切れといった症状が見られるでしょう。
食べ物では、牛・豚・羊などの赤肉や、魚・野菜・卵・牛乳などに鉄分が含まれます。
3.鉄分を含むわかめを使ったおすすめレシピ
最後に、わかめを使ったおすすめのレシピを2つ紹介します。
3-1.わかめとしらすのカンタン酢の物
3ステップで簡単に作れる酢の物のレシピです。きゅうりや貝割れ大根などを加えてアレンジもできます。
【材料】2人分
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・しらす 40g
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・乾燥わかめ 5g
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・紫玉ねぎ 1/4個
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・すし酢 大さじ2.5
【作り方】
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1. 乾燥わかめを水で戻し、食べやすい大きさにカットします。
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2. 紫玉ねぎは薄切りにし、水にさらしておきます。
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3. 1に、水気をきった2を加え、そこにしらすとすし酢を入れてあえたら完成です。
3-2.わかめとねぎの玉子炒め
ビールや焼酎に合うレシピです。生わかめの食感が損なわれないよう、炒めすぎに注意しましょう。
【材料】2人分
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・生わかめ 100g
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・青ねぎ 1/2束
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・卵 3個
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・塩 適量
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・こしょう 適量
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・ごま油 大さじ1/2
【A】
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・しょうゆ 大さじ1
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・酒 大さじ1
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・鶏ガラスープの素(顆粒) 小さじ1/2
【作り方】
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1. 生わかめを食べやすい大きさにカットし、さっと下ゆでします。青ねぎは、5cm程度の長さに切ります。
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2. 卵に塩・こしょうを加え、よく溶きほぐします。
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3. フライパンに半量のごま油を熱し、2を流し入れて炒り玉子を作ったら、一度取り出します。
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4. 3と同じフライパンに残りのごま油を熱し、1を炒めます。
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5. 油が全体になじんだら、そこに【A】を加えて水分がなくなるまで炒めます。最後に、3を加えて軽く炒めたら完成です。
鉄分が豊富なわかめを食べて健康を維持しましょう
健康優良食品であるわかめには、鉄分やカルシウムなどのミネラル、ビタミン、食物繊維といった栄養素が含まれています。体内の鉄分は、酸素を全身に運んだり、酵素の働きを助けたりする働きがあり、健康維持に欠かせません。
今回紹介した「わかめとしらすのカンタン酢の物」「わかめとねぎの玉子炒め」は、栄養豊富なわかめを使った、手軽に作りやすいレシピです。アレンジも楽しめるレシピなので、ぜひご家庭で試してみてください。
監修者情報
氏名:井林雄太(いばやし・ゆうた)
総合病院勤務。大分大学医学部卒。
日本内科学会認定内科医、日本内分泌内科専門医、日本糖尿病内科専門医の資格を保有。現在は医師業務のかたわら、正しい医療情報を伝える啓発活動も市民公開講座など通して積極的に行なっている。