悪玉コレステロールと納豆の関係性
悪玉コレステロール対策におすすめのレシピも紹介

「悪玉コレステロール」の値が基準よりも高い場合、食生活や運動習慣の見直しが求められます。そこでおすすめしたい食べ物が、健康効果が高いとされる納豆です。

今回は、悪玉コレステロールの概要や納豆との関係、悪玉コレステロール対策を意識した納豆のレシピを紹介します。

1.悪玉コレステロールについて

コレステロールにはHDLコレステロールとLDLコレステロールがあり、一般的に前者は「善玉コレステロール」、後者は「悪玉コレステロール」と呼ばれます。

悪玉コレステロールには、肝臓で作られたコレステロールやホルモンの運搬、細胞膜の形成といった大切な働きがあります。

しかし、あまりにも悪玉コレステロールが増えてしまうと、血管に炎症を起こしてしまうため注意が必要です。具体的には、血液中の悪玉コレステロールの値が140mg/dL以上になると、高LDLコレステロール血症と診断され、生活習慣の改善が求められるでしょう。

2.納豆と悪玉コレステロールの関係

納豆は古くから親しまれている食べ物ですが、悪玉コレステロールとどのような関係があるのでしょうか。ここでは、納豆の健康効果などを解説します。

2-1.納豆にはコレステロールの吸収を抑える働きがある

納豆に含まれる大豆タンパク質は、コレステロールの吸収を抑制してくれます。その結果、悪玉コレステロールの値の低下につながるでしょう。

大豆タンパク質には、血液中の中性脂肪を減らしたり、体脂肪の蓄積を抑制したりする効果も期待されるでしょう。コレステロールや飽和脂肪酸を含む肉類に代わって大豆製品を食べると、さらに効果的です。

2-2.納豆のその他の働き

納豆は、納豆菌が大豆を発酵させたものです。納豆菌には、血液をサラサラにする(末梢血流を改善する)可能性も期待されているナットウキナーゼという成分が含まれています。

また、納豆に含まれるオリゴ糖には、腸内の善玉菌であるビフィズス菌を増やす作用があります。その他、カルシウムの吸収をサポートするポリグルタミン酸や、ビタミンB、ビタミンE、食物繊維、鉄分など多くの栄養素を含んでおり、健康に良い食べ物といえるでしょう。

3.悪玉コレステロール対策を意識した納豆のレシピ

最後に、悪玉コレステロール対策になる、納豆を使ったおすすめのレシピを紹介します。

3-1.まぐろと山かけの納豆和え

EPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)が含まれる、まぐろを使ったレシピです。魚に含まれるDHAやEPAなどの不飽和脂肪酸には、悪玉コレステロールを減少させる働きが期待できます。

【材料】(2人分)

  • ・まぐろ(刺身用) 150g

  • ・山いも 100g

  • ・納豆 1パック

  • ・大葉 2枚

  • ・しょうゆ 適量

  • ・ゆずこしょう 適量

【作り方】

  • 1. まぐろを1cm角に切り、しょうゆで下味を付けます。

  • 2. 山芋は1cm角に切り、大葉は千切りにします。

  • 3. 1と2の山いも、納豆を混ぜ、しょうゆとゆずこしょうで味を調えます。

  • 4. 皿に盛り付け、2の大葉を飾れば完成です。

3-2.納豆オクラ豆腐

納豆と豆腐を組み合わせたヘルシーなレシピです。コレステロールの吸収を抑える大豆タンパク質は、納豆だけでなく豆腐にも含まれます。

【材料】(2人分)

  • ・オクラ 5本

  • ・納豆 1パック

  • ・塩 適量

  • ・しょうゆ 小さじ1

  • ・絹ごし豆腐 150g

【作り方】

  • 1. オクラに塩をまぶして板ずりをし、沸騰させたお湯でゆでます。

  • 2. 1を小口切りにして、納豆としっかりとあえたら、しょうゆで味を調えます。

  • 3. 豆腐を半分に切って皿に盛り付け、2を載せて完成です。

悪玉コレステロール対策に納豆を取り入れましょう

納豆には、コレステロールの吸収抑制、血中中性脂肪の減少、体脂肪の蓄積抑制、腸内の善玉菌の増殖など、さまざまな効果があります。

悪玉コレステロール対策として納豆を食べるなら、今回紹介したレシピのように、納豆と同じく悪玉コレステロールの減少や吸収抑制が期待できる食材を組み合わせるのがおすすめです。悪玉コレステロールが気になる方は、ぜひ試してみてください。

監修者情報

氏名:井林雄太(いばやし・ゆうた)
総合病院勤務。大分大学医学部卒。
日本内科学会認定内科医、日本内分泌内科専門医、日本糖尿病内科専門医の資格を保有。現在は医師業務のかたわら、正しい医療情報を伝える啓発活動も市民公開講座など通して積極的に行なっている。