1.男性型脱毛(AGA)と女性型脱毛(薄毛)の違い
成人男性によく見られる男性型脱毛症(AGA)は、前頭部から頭頂部の髪が薄くなることが特徴です。一方、女性型脱毛症では、頭頂部の広い範囲の髪が薄くなる傾向にあります。このように、大きな違いとしては薄くなる部分が挙げられるでしょう。
では、それぞれについて詳しく見ていきます。
2-1.男性型脱毛
男性型脱毛症は、思春期以降から段階的に進行する脱毛症です。脱毛は外見上の印象を大きく左右するため、当人にとって大きなストレスともなりえます。
罹患率は年齢に比例して増える傾向にありますが、20代前半から頭頂部や前頭部の軟毛化が生じて、症状が顕著となる場合もあります。その後徐々に進行し、40代以後に完成されることが一般的です。
男性型脱毛症は、髪の成長期が毛周期を繰り返すなかで短くなり、休止期にとどまる毛包が多くなることが原因で、前頭部や頭頂部の頭髪が軟らかく、かつ細く短いものになります。さらに進行すると、頭髪が表皮に現れなくなるのです。
2-2.女性型脱毛
女性型脱毛症は、頭頂部の広い範囲で頭髪が薄くなることが特徴です。男性型脱毛症の要素のほかに休止期脱毛症もありますが、ダイエットや貧血なども原因として考えられています。一般的には女性の脱毛症は更年期に多くなりますが、休止期脱毛症の場合は若年で発症することもあります。
休止期脱毛症は、毛周期のうちの休止期にある毛包の割合が増えることで起こるものです。
2.日常生活でできる女性の薄毛対策(予防法)
日常生活でできる、髪の健康を考えた対策はどのようなものがあるのでしょうか。
2-1.食事
まず挙げられるのは、バランスの良い食事です。脂肪の多い食事を続けると、毛包が委縮して毛が再生しにくくなるとされているので、注意しましょう。
また、しっかりと良質なたんぱく質をとり、健康的な体を維持することも大事です。
2-2.生活習慣
生活習慣において、喫煙の有無や、良質な睡眠がしっかりとれているかどうかも見直してみましょう。
2-3.洗髪
食事や生活習慣だけではなく、頭皮を清潔な状態に保つために正しい方法で洗髪をすることも重要です。
3.髪の健康に良い女性に不足しがちな栄養素
体は、自分が食べたもので構成されているため、バランス良く栄養をとり、心身ともに健やかであれば、髪も美しい状態を保つことができるでしょう。
髪の健康を担う栄養素として、代表的なものを2つ紹介します。
3-1.たんぱく質
たんぱく質は、筋肉や内臓だけではなく、肌・髪・爪・免疫物質など、さまざまなものを作る働きがある栄養素です。肉類・魚介類・卵・牛乳・大豆などに多く含まれています。
3-2.亜鉛
亜鉛は、皮膚や粘膜の健康維持を助ける栄養素です。健やかな髪の維持をサポートする効果も期待できるとされています。
牡蠣・甲殻類・うなぎ・赤身肉・卵黄・チーズ・切り干し大根などに含まれています。
抜け毛対策にはバランスの良い食事を
脱毛は男性だけではなく、女性にも起こりえます。脱毛は外見の印象に大きな影響を与えるため、できれば髪が抜け始める前に対策をしておきたいところです。
健康的な髪をつくるには、健康的な食事と生活習慣、そして正しい洗髪が欠かせません。たんぱく質や亜鉛を積極的にとりながら、バランスの良い食事や規則正しい生活を意識して体の内側から健康の基盤を整えましょう。
監修者情報
氏名:松繁 治(まつしげ・おさむ)
2009年から整形外科医として病院に勤務。 現在はおもに整形外科中心に外来業務・手術業務などにあたる。 専門は脊椎手術・脊椎内視鏡手術など。