【最強の野菜】ブロッコリーに含まれる栄養素や
おすすめの料理レシピを紹介

ブロッコリーは緑黄色野菜の代表格で、彩りも良くさまざまな料理に合わせやすい食材です。地中海東部を原産とするケールを起源としており、同じくケールを起源とするキャベツの仲間といえます。

日本の食卓でもおなじみのブロッコリーですが、欧米だと「栄養宝石の冠(Crown of Jewel Nutrition)」という異名があります。ビタミンや食物繊維などの栄養価をバランス良く豊富に含むことから、まさに「最強の野菜」と呼ぶにふさわしい食材です。

この記事では、ブロッコリーに含まれる豊富な栄養素、おいしく食べられるおすすめレシピを紹介します。

1.ブロッコリーは栄養成分が豊富な最強野菜

ブロッコリーが「最強野菜」といわれる理由は、栄養素を豊富に含んでいる点にあります。ここでは、ブロッコリーに含まれる栄養素について紹介しましょう。

1-1.ビタミンC

ブロッコリーは、ビタミンCの含有量が非常に高い野菜です。可食部100gあたり140mgを含んでおり、野菜のなかでもトップクラスです。これはイチゴの約2.3倍、レモン果汁の2.8倍ものビタミンCの量になります。

ビタミンCはコラーゲンの生成に必須の栄養素で、疲労回復や美肌効果が期待できます。

1-2.ビタミンB2

ビタミンB2はエネルギー代謝に関わる栄養素で、皮膚や粘膜の保護・発育の促進といった働きをします。欠乏すると、口内炎や口角炎などの原因となるビタミンです。

ブロッコリーの可食部100gあたりのビタミンB2は0.23mgで、芽キャベツと同等の含有量になっており、ビタミンB2を多く含む野菜の一つといえます。

1-3.ビタミンK

ビタミンKは、血液凝固作用に関係するビタミンです。カルシウムを骨に沈着させる作用もあり、上部な骨づくりには欠かせません。納豆やホウレンソウとともに、ブロッコリーにも多く含まれています。

1-4.葉酸

葉酸はビタミンB群に属する栄養素で、赤血球の生産を助ける働きをします。代謝にも関与しており、細胞の分裂や成熟にも大きく関わることから、特に胎児にとって重要な栄養成分です。

ブロッコリーは、可食部100gあたり220ugの葉酸が含まれています。

1-5.β-カロテン

β-カロテンは体内でビタミンAに変換される物質で、活性酸素の働きを抑えて除去する抗酸化作用を持っています。ビタミンAには、目や皮膚の粘膜を健康に保つ働きがあり、肌の代謝を促します。

ブロッコリーをはじめとする緑黄色野菜に多く含まれている成分です。

1-6.食物繊維

食物繊維は人の消化酵素で消化されない物質で、小腸を通過し、大腸まで達する成分です。便秘解消のほか、血糖値の上昇を抑制したり、コレステロール濃度を低下させたりする働きを持っています。

日本人の摂取量は減少傾向にありますが、食物繊維は健康のために重要な役割を果たしている成分のため、積極的な摂取が必要です。ブロッコリーにも豊富に含まれており、毎日の食事に取り入れたい食材といえます。

2.最強の野菜ブロッコリーを使った料理レシピ

ここからは、豊富な栄養素を含む「最強の野菜」ブロッコリーを、おいしくいただくレシピを3つ紹介します。

2-1.えびとブロッコリーのコーングラタン

クリームコーン缶を使って簡単に作れるグラタンです。ごはんにかけてドリアにもアレンジ可能です。

【材料】2人前

  • ・ブロッコリー 1/2株

  • ・えび 8尾

  • ・ベーコン 10g

  • ・玉ねぎ 1/2個

  • ・クリームコーン缶(190g) 1缶

  • ・バター 15g

  • ・薄力粉 大さじ1

  • ・牛乳 50ml

  • ・固形コンソメ 1個

  • ・塩 適宜

  • ・こしょう 適宜

  • ・ピザ用チーズ 40g

【作り方】

  • 1. ブロッコリーを小房に分け、塩ゆでします。えびは殻をむいて背ワタを取り、玉ねぎは千切りにし、ベーコンは5mm幅に切りましょう。

  • 2. フライパンにバターを入れ、玉ねぎを炒めます。しんなりしたらブロッコリー、えび、ベーコンも入れて炒めてください。

  • 3. 火が通ったら、薄力粉を振り入れて粉っぽさがなくなるまで炒めましょう。牛乳を加えて薄力粉を溶かしてから、クリームコーン缶と固形コンソメも加えて煮込みます。

  • 4. 全体にとろみがついたら塩、こしょうで味を調えましょう。耐熱皿に入れて、トッピングにピザ用チーズを散らし、オーブントースターでこんがりと焼いたら完成です。

2-2.ブロッコリーの粒マスタードあえ

あと一品追加したいときに、10分でできるお手軽メニューです。

【材料】2人前

  • ・ブロッコリー 1/2個

  • ・ツナ缶(小) 1缶

  • ・塩 適量

  • ・粒マスタード 小さじ1と1/2

  • ・マヨネーズ 大さじ1/2

【作り方】

  • 1. ブロッコリーは小房に分けて、塩を加えた熱湯でゆでます。好みの固さにゆで上がったら、キッチンペーパーなどでしっかり水気を切っておきましょう。

  • 2. 油を切ったツナ缶に粒マスタード・マヨネーズを入れてよく混ぜてから、ブロッコリーを加えてあえたら完成です。

2-3.ハムとブロッコリーのケークサレ

ケークサレとは、塩味に焼き上げた、おつまみや食事としても使えるパウンドケーキのことです。栄養たっぷりのブロッコリーを加えて、彩り良く仕上げましょう。

【材料】パウンドケーキ型1本分

  • ・ブロッコリー 1/2株

  • ・ハム 4枚

  • ・プロセスチーズ 50g

  • ・玉ねぎ 1/2個

  • ・サラダ油 大さじ1/2

  • ・薄力粉 120g

  • ・ベーキングパウダー 5g

  • ・卵 2個

  • ・サラダ油 70g

  • ・牛乳 70g

  • ・粉チーズ 50g

【作り方】

  • 1. ブロッコリーは小さめの房に分けておきます。ハム、プロセスチーズは1cm角にカットし、玉ねぎはみじん切りにしましょう。

  • 2. フライパンにサラダ油を熱したら、中火で玉ねぎを炒めます。しんなりしたらハムも加えて炒め、粗熱を取っておきましょう。

  • 3. 薄力粉とベーキングパウダーは合わせてふるい、オーブンは180度に予熱しておきます。焼き上がりに取り出しやすくするため、パウンドケーキ型の内側にオーブン用ぺーパーを敷くか、バター(分量外)を塗り、薄力粉(分量外)を薄くまぶしておきましょう。

  • 4. 卵を溶き、サラダ油、牛乳、3の粉類、粉チーズの順に加え、その都度よく混ぜて生地を作ります。

  • 5. 生地にブロッコリー、プロセスチーズ、玉ねぎとハムを炒めたものを加え、よく混ぜましょう。パウンドケーキ型に入れ、台に軽く打ち付けて空気を抜き、表面をならし、180度のオーブンで45~50分焼きましょう。

  • 6. 中央に竹串を刺して、生の生地が付いてこなければ焼き上がりです。型から外して粗熱を取り、食べやすいサイズに切りましょう。

栄養豊富な「最強の野菜」ブロッコリーを積極的に食べて健康に役立てましょう

ブロッコリーは栄養価が高く、ビタミンや食物繊維を豊富に含む食品で、「栄養宝石の冠」とも呼ばれています。食卓でもおなじみで、毎日の食事に使いやすく、サラダにも、シチューのような煮込み料理にも使える万能野菜です。

今回紹介したレシピも参考に、ビタミンや食物繊維などを豊富に含むブロッコリーを積極的に食べて、健康に役立てましょう。

監修者情報

氏名:高橋健太郎(たかはし・けんたろう)
循環器内科医として臨床に関わりながら、心血管疾患のメカニズムを解明するために基礎研究に従事。現在はアメリカで生活習慣病が心血管疾患の発症に及ぼす影響や心血管疾患の新しい治療法の開発に取り組んでいる。国内・海外での学会発表や論文報告は多数。
日本内科学会認定内科医、日本循環器学会所属。