1.バナナに含まれるビタミンCとはどのような栄養素?
バナナには、可食部100gあたりビタミンCが16mg含まれています。
ビタミンCは、体内でコラーゲンをつくるために必須の栄養素です。ビタミンCが不足するとコラーゲンが合成されず血管がもろくなり、出血を引き起こします。
ビタミンCは抗酸化ビタミンとも呼ばれ、活性酸素の働きを抑える働きもあります。活性酸素が体内で増えすぎると老化や免疫機能の低下などを引き起こします。
人間は体内でビタミンCを合成できないため、食事から摂る必要があります。成人の場合、一日あたり100mg摂ることが推奨されています。
2.バナナに含まれるビタミンC以外の栄養成分について
ここでは、ビタミンC以外のバナナに含まれている栄養素とその働きを解説します。
2-1.炭水化物
バナナには、可食部100gあたり22.5gの炭水化物が含まれています。炭水化物とは、おもに体内でエネルギーを生み出す栄養素です。
体内に取り込まれてエネルギー源となる糖質と、体内で消化されない食物繊維から構成されています。糖質が不足すると、エネルギー不足になり集中力の低下が起きたり、疲れやすくなったりします。
2-2.カリウム
バナナには、可食部100gあたりカリウムが360㎎含まれています。カリウムは体内のナトリウムの排出を促進する作用があり、塩分を摂りすぎたときに調整したり、血圧を下げたりする働きがあります。
2-3.食物繊維
バナナには可食部100gあたり食物繊維が1.1g含まれています。そのうち、水溶性食物繊維が0.1g、不溶性食物繊維が1.0gです。
水に溶けやすい水溶性食物繊維は、腸での栄養素の吸収を緩やかにし、食後の血糖値上昇を抑える役割があります。不溶性食物繊維は水に溶けにくく、水分を吸収するため便のかさを増やして排便を促します。
どちらの食物繊維も大腸内で善玉菌のえさとなるため、腸内環境を整えるうえで重要な栄養素です。
3.バナナを使ったおすすめの料理レシピ
ここからは、バナナを使った料理のレシピを2つ紹介します。普段の食事でバナナを料理に使う機会が少ない人は、ぜひ参考にしてみてください。
3-1.ビサンゴレン~バリ風揚げバナナのおやつ~
次に紹介するレシピは、エスニック風のスイーツである「ビサンゴレン~バリ風揚げバナナのおやつ~」です。
【材料】2人分
(A)
-
・小麦粉 100g
-
・ベーキングパウダー 小さじ1/3
-
・卵 1/2個
-
・砂糖 大さじ1
-
・ココナッツミルク 80cc
-
・水 大さじ3
-
・揚げ油 適量
-
・バニラアイスクリーム 適量
-
・黒糖シロップまたはメイプルシロップ 適量
【作り方】
完熟のバナナは加熱すると溶けてしまう可能性があります。そのため、バナナは完熟のものよりもなるべく若いものを使いましょう。
3-2.りんごソースをかけたバナナのパンケーキ
2品目は、ホットケーキミックスと電子レンジで簡単にできる「りんごソースをかけたバナナのパンケーキ」です。
【材料】2人分
【バナナのパンケーキ】
-
・バナナ 1本
-
・ホットケーキミックス 100g
-
・卵 1/2個
-
・牛乳 大さじ2
-
・バター 適量
【りんごソース】
-
・りんご 1/2個
-
・砂糖 25g
-
・レモン汁 大さじ1/2
【作り方】
-
1. りんごは皮をむき、芯を取り除いて1cm角にカットし、耐熱ボウルに入れてレモン汁・砂糖を加えて混ぜ合わせ、5分ほど置きます。
-
2. 1のボウルにラップをして楊枝で3~4カ所穴をあけ、電子レンジ500Wで2分30秒加熱したあと、取り出してひと混ぜします。この工程をもう1度くり返すと、りんごソースが完成します。
-
3. ボウルにバナナを入れてフォークの背でつぶし、溶き卵と牛乳を入れて泡だて器で混ぜ合わせたら、ホットケーキミックスを加えてさらに混ぜます。
-
4. フライパンを弱火にかけてバターを溶かし、3の1/6量を流し入れて丸く成型します。表面に泡が出てきたら裏返して裏面も焼きましょう。残りの生地も焼いてホットケーキを6枚作ります。
-
5. 焼き上がったホットケーキに、りんごソースをかけたら完成です。
今回のレシピではりんごの皮を取っていますが、皮が付いたまま使うとほんのり赤みが付いたソースができます。
ビタミンCが豊富なバナナを日常に取り入れましょう
バナナにはビタミンC、カリウムや食物繊維など、さまざまな栄養素が含まれています。バナナに含まれているビタミンCはコラーゲン生成のために不可欠で、抗酸化作用も持つ重要なビタミンですが、体内では合成できないため食事から摂る必要があります。
今回紹介したレシピも取り入れて、栄養豊富なバナナを日常的に食べて、健康的な体を維持しましょう。
監修者情報
氏名:高橋健太郎(たかはし・けんたろう)
循環器内科医として臨床に関わりながら、心血管疾患のメカニズムを解明するために基礎研究に従事。現在はアメリカで生活習慣病が心血管疾患の発症に及ぼす影響や心血管疾患の新しい治療法の開発に取り組んでいる。国内・海外での学会発表や論文報告は多数。
日本内科学会認定内科医、日本循環器学会所属。