「肺が痛い」と感じる原因とは?
病院を受診する際のポイントについても解説

これまで、肺に痛みを感じたことはないでしょうか。肺や胸の辺りには心臓をはじめとするいくつかの臓器があり、血管や筋肉なども集まっているため、痛みが生じる際にはあらゆる病気の可能性が考えられます。

今回は、肺に痛みを感じる要因や、医師に相談するときのポイントを解説します。

1.肺が痛いのはなぜ?

肺の周辺には他の臓器や骨、神経や筋肉、胸膜などがあります。そのため、肺の辺りに痛みを感じる場合に考えられる要因は、1つとは限りません。

血管の病気や消化器系の病気などが要因のケース、肋骨が折れているケースなど、さまざまなことが考えられます。さらに、緊張や不安など、心因性により肺に痛みが生じる場合もあります。

肺の辺りに痛みが生じる病気には、生命の危機に関するものもあるため、痛みの出方によっては医療機関を受診したほうがよいでしょう。

2.「肺が痛い」と感じる原因

ここでは、肺に痛みを感じる原因について解説します。

  • 精神的ストレス

    大切な試験や予定の前などに緊張して、胸がどきどきした経験はないでしょうか。胸に何らかの症状が見られる場合、精神状態が影響していることがあります。

  • 肺の病気

    肺が痛む際にまず原因として考えられるのは、肺から空気が漏れ出し、肺の空気が胸にたまって肺が縮んでしまう病気です。無症状の場合もありますが、痛みや息苦しさ、咳などの症状をともなうことも少なくありません。

    上記以外の肺の病気でも、痛みが生じるケースもあります。

  • 血管の病気

    胸が締め付けられるような痛みがあったり、胸の不快感が主体であったりする場合には肺や心臓にある血管の病気が疑われます。

    また、胸や背中に突然痛みが走るときは、大動脈という血管が裂けてしまう病気や、血栓が肺の動脈に詰まる病気などが疑われることもあります。

3.肺の痛みで病院を受診する際のポイント

肺の痛みを感じて病院を受診するときは、痛みに関しての記録をつけておきましょう。診断のためには問診が重要になるため、以下のポイントを考慮して記録をつけることをおすすめします。

  • どのような痛みなのか

    締め付けられるような痛み、なんとなく重い痛み、圧迫感のある痛みなど

  • 痛む場所

    胸や背中側、肩・首にも痛みがあるかなど

  • 痛みの持続時間

    すぐに治まるか、数分続くのか、数時間続くのかなど

  • 痛みが出るタイミング

    食後、動いたとき、安静状態、明け方など

  • 他に症状はあるか

    吐き気や発熱、呼吸がしづらい、冷や汗がでるなど

肺が痛むときは、痛みの記録を付けて早めに病院を受診しましょう

肺に痛みを感じる要因として、肺自体の病気のほか、血管の病気や他の臓器の病気が関わっていることもあります。その他、肋骨が折れるなど臓器以外の要因や精神的な要因で肺の辺りに痛みが生じることもあるため、要因は1つとは限りません。

なかには、命に関わる病気が隠れていることもあるため、早めに病院へ相談しましょう。

病院を受診する際には、肺の痛みの原因を正しく診断できるよう、痛みの特徴や痛くなる時間、痛みを感じる場所などの記録をつけるのをおすすめします。

監修者情報

氏名:高橋健太郎(たかはし・けんたろう)
循環器内科医として臨床に関わりながら、心血管疾患のメカニズムを解明するために基礎研究に従事。現在はアメリカで生活習慣病が心血管疾患の発症に及ぼす影響や心血管疾患の新しい治療法の開発に取り組んでいる。国内・海外での学会発表や論文報告は多数。
日本内科学会認定内科医、日本循環器学会所属。