成人女性の摂取カロリー量の目安・基準
カロリーが過剰な場合・不足している場合のリスクを解説

「摂取カロリーを制限して体重を減らしたい」「毎日の食事量が適切なのか知りたい」などと考える方もいるのではないでしょうか。

一日に必要なカロリーは、日々の活動量や運動習慣によって変わります。カロリーの過剰摂取や極端なカロリー制限は、健康を害するリスクがあるため注意が必要です。

今回は、成人女性における一日の必要カロリー量の目安や、摂取カロリーが過剰または不足している場合のリスクなどを紹介します。

1.成人女性の一日の必要カロリーについて

一日に必要なカロリーの目安は、年齢・性別のほかに、身体活動レベルによっても変わります。身体活動レベルは、日々の活動量や運動習慣によって3つに分かれ、ほとんどの方はレベルⅠまたはレベルⅡに該当します。

レベルごとに、成人女性の必要カロリー量を見てみましょう。

1-1.身体活動レベルⅠ

身体活動レベルⅠは、一日の大半を座って過ごすなど、活動量が少ないケースを想定しています。

年齢別の一日の必要カロリーは、次のとおりです。

  • ・18~29歳:1,700kcal

  • ・30~49歳:1,750kcal

  • ・50~64歳:1,650kcal

  • ・65~74歳:1,550kcal

  • ・75歳以上:1,400kcal

1-2.身体活動レベルⅡ

身体活動レベルⅡは、座って過ごす時間が多いものの、軽い運動や散歩など、適度な運動習慣があるケースを想定しています。

年齢別の一日の必要カロリーは、次のとおりです。

  • ・18~29歳:2,000kcal

  • ・30~49歳:2,050kcal

  • ・50~64歳:1,950kcal

  • ・65~74歳:1,850kcal

  • ・75歳以上:1,650kcal

1-3.身体活動レベルⅢ

身体活動レベルⅢは、立ち仕事や移動が多い仕事に従事しているケース、活発な運動習慣があるケースを想定しています。

年齢別の一日の必要カロリーは、次のとおりです。

  • ・18~29歳:2,300kcal

  • ・30~49歳:2,350kcal

  • ・50~64歳:2,250kcal

  • ・65~74歳:2,100kcal

2.カロリーが過剰な場合・不足している場合はどうなる?

一日の摂取カロリーは、多すぎても少なすぎてもいけません。ここでは、摂取カロリーが過剰な場合と不足している場合のリスクを紹介します。

2-1.カロリーが過剰な場合

摂取カロリーが過剰な生活を続けていると肥満になり、病気の罹患リスクが高まります。

間食が多い場合は、無意識のうちにカロリーを摂りすぎることがあるため、注意が必要です。

2-2.カロリー不足が続いた場合

不健康なダイエットなどで摂取カロリーを極端に制限すると、リバウンドしたり、だるさ・疲れやすさを引き起こしたりして、健康を害するおそれがあります。

また、女性は月経が来ない状態になることも考えられるでしょう。

3.ダイエットが本当に必要か判断する方法

ダイエットや体重コントロールは、本当に必要か判断することから始めましょう。

判断基準の一つに「BMI」があります。BMIは、体重(kg)÷{身長(m)×身長(m)}で求められ、年齢別に次の適正範囲が設定されています。

  • ・18~49歳:BMI18.5~24.9

  • ・50~69歳:BMI20.0~24.9

  • ・70歳以上:BMI21.5~24.9

ただし、BMIが適正範囲内でも、腹囲が基準値を超えている・血圧や血糖が高めである・体脂肪率が高いといった場合は、生活習慣の見直しが必要です。

減量を目指すなら、摂取カロリーを極端に制限するのではなく、まずは食事の栄養バランスを整えたり間食を控えたりしてみましょう。併せて、ウォーキングやジョギング、筋力トレーニングなどの適度な運動を習慣にし、エネルギーの消費量を増やしてみてください。

適切なカロリー量を摂取し健康リスクを減らしましょう

摂取カロリーが目安よりも多すぎたり少なすぎたりすると、健康を害するおそれがあります。

もし、BMIが適正範囲外である、腹囲が基準値を超えているなど、摂取カロリーを調整する必要がある場合は、食事の栄養バランスを見直すことから始めましょう。加えて、減量を目指すなら、日々の活動量や運動量を増やすことも欠かせません。

エネルギーの摂取と消費のバランスを見直し、健康リスクを減らしましょう。

監修者情報

氏名:井林雄太(いばやし・ゆうた)
総合病院勤務。大分大学医学部卒。
日本内科学会認定内科医、日本内分泌内科専門医、日本糖尿病内科専門医の資格を保有。現在は医師業務のかたわら、正しい医療情報を伝える啓発活動も市民公開講座など通して積極的に行なっている。