目次
1.日本人は一日にどれくらい野菜を摂っているのか
2019年の国民健康・栄養調査によると、日本人の野菜の摂取量は平均280.5gで、男性は288.3g、女性は273.6gです。
2010年から2019年までの10年間では、数値が横ばいでほとんど増減していません。
年齢別に摂取量の傾向を見ると、男女ともに20~40歳代で平均値を下回り、60歳以上では平均値以上の野菜を摂取しています。
現在若い年代では、野菜が足りない傾向にあります。健康的な体を維持するためにも、野菜はしっかり摂ることが大切です。しかし、理想的な一日分の野菜の摂取量はどのくらいなのか、よくわからない方もいるかもしれません。
この記事では、一日に必要な野菜の量や、野菜を食べるメリットを解説します。さらに、より多くの野菜を無理なく食べるポイントも紹介します。
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2019年の国民健康・栄養調査によると、日本人の野菜の摂取量は平均280.5gで、男性は288.3g、女性は273.6gです。
2010年から2019年までの10年間では、数値が横ばいでほとんど増減していません。
年齢別に摂取量の傾向を見ると、男女ともに20~40歳代で平均値を下回り、60歳以上では平均値以上の野菜を摂取しています。
健康増進法に基づいて定められている、国民の健康づくりを進めるための具体的な計画「21世紀における国民健康づくり運動(健康日本21)」では、健康的な毎日をキープするために350g以上の野菜を食べることを推奨しています。
日本人が一日に摂取する、平均的な野菜の量は280.5gです。そのため、理想的な数値より約70g不足しており、ほうれん草のおひたしだと小鉢1~2皿分が足りません。このことから、食事1回につき、野菜がメインの小鉢を1皿以上食べることが大切だといえるでしょう。
さらに、食事バランスガイドによると、野菜・きのこ・豆・いも・海藻料理を副菜として、一日に5~6皿を目安に食べるよう設定されています。
しかし、野菜だけを食べるのではなく、魚や肉、白米などの食材も摂ることが大切です。主食・主菜・副菜を意識することで、バランス良く栄養を摂取できます。一日の野菜摂取量にばかりこだわるのではなく、さまざまな食品から必要な栄養素を摂ることが重要です。
ここでは、野菜食べることで得られるメリットと野菜不足のデメリットについて解説します。併せて、なるべく多くの野菜を食べるための工夫も紹介します。
野菜は、ビタミンや食物繊維、ミネラルなどを多く含み、病気の予防に効果的です。
またビタミンは、炭水化物をエネルギーに変換するサポートをしています。体に取り込んだ栄養素を使うためには、ビタミン類が欠かせません。特にビタミンB群は、しっかり摂取しましょう。
ミネラルは、体の機能を正常に保つうえで重要な役割を果たしています。そのなかでも、カリウムは、摂りすぎた塩分を体の外に排出する作用があるため、塩分過多による病気の予防に効果が期待できるでしょう。ただし、腎臓の機能が低下している場合、カリウムをしっかり排出できないことがあるためカリウムを摂取する際は要注意です。
毎日の食事に野菜を1皿プラスすると、摂取量はビタミンCや食物繊維がおよそ10%、カリウムがおよそ5%アップします。
なお、野菜が不足すると、次のような不調が引き起こされます。
・肌荒れ
・便秘
・肩こり
・イライラ
野菜を食べる習慣がない場合、十分な量を摂るのは難しい方も少なくありません。無理なく野菜を食べるためには、次のような工夫を試してみてください。
・加熱や切り方を工夫してカサを減らす
・そのまま食べられる野菜を使う
・少量ずつ食べる
・作り置きで調理の手間を減らす
・ジュースで野菜を補給する
野菜のカサが多くて食べにくい方は、加熱するのがおすすめです。火を通すとカサが減るため、生よりも多く食べられます。このほかには、千切りやすりおろしなどで、食べやすく調理するのもよいでしょう。
そのまま食べられるカット野菜や、洗ってすぐに食べられる野菜などを使うと、品数を増やしても手間がかかりません。特に、冷凍したカット野菜であれば、必要になったらいつでも使えるため便利です。
1回の食事で350gを摂るのが難しい場合には、毎食少量ずつ分けて食べる方法もあります。おひたしやサラダなど、小鉢1皿分をプラスすれば、無理なく野菜の摂取量を増やすことが可能です。
また、きんぴらごぼうや切り干し大根など、作り置きを冷凍して毎回の調理時間を短縮するのもよいでしょう。
調理をする時間がない場合は、無添加の野菜ジュースをプラスすることで手軽に野菜を摂取できます。塩分や糖分が加えられていることもあるため、野菜ジュースを選ぶ際には注意してください。
20~40代の若い年代では、野菜が不足している傾向にあります。野菜が足りなくなると、肌荒れや便秘などのトラブルにつながるため、バランスの良い食事を心がけながら野菜を摂取することが大事です。
一度に多く食べられなくても、1食ごとに野菜がメインの小鉢を1皿以上食べると、不足している野菜を補えます。調理方法や食べ方などを工夫して、毎日の食事に野菜を取り入れましょう。
氏名:梅村 将成(うめむら・まさなり)
外科医として地方中核病院に勤務中。
消化器外科のみならず総合診療医として、がん治療(手術・抗がん剤・緩和治療/看取り)を中心に、幅広く内科疾患・救急疾患の診療を行なっている。
資格:医師免許・外科専門医・腹部救急認定医
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