目次
1.カリウムとはどのような栄養素?
カリウムとはエネルギー代謝や血圧の調整などに働く必須ミネラルのことです。必須ミネラルは体内で作ることができないため、食べ物から補う必要があります。
カリウムの多くは、タンパク質と結合したり遊離イオンの形になったりして存在していることが特徴です。ほとんどは細胞内に存在していますが、一部はナトリウムとともに細胞外液にも存在しています。
カリウムは、私たち人間が生きていくうえで必要不可欠なミネラルの一種です。成人であれば、体内に約200gものカリウムが貯蔵しています。
激しい嘔吐や下痢に陥った場合に、腸液から失われたカリウムを補給しようといわれることがありますが、そもそもカリウムとはどのような働きを持つ栄養素なのでしょうか。
今回は、カリウムの働きや摂取目安量、カリウムが多く含まれる食べ物などについて詳しく紹介します。
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カリウムとはエネルギー代謝や血圧の調整などに働く必須ミネラルのことです。必須ミネラルは体内で作ることができないため、食べ物から補う必要があります。
カリウムの多くは、タンパク質と結合したり遊離イオンの形になったりして存在していることが特徴です。ほとんどは細胞内に存在していますが、一部はナトリウムとともに細胞外液にも存在しています。
カリウムには、おもに次のような働きがあります。
・細胞の浸透圧を調整する
・水分を保持する
・神経刺激を伝達する
・エネルギー代謝に関与する
・pHを維持する
・心臓や筋肉の機能を調節する
・細胞内の酵素反応を調節する
・ナトリウムを排泄して血圧を下げる
摂取したカリウムは腎臓の働きにより、血液中の濃度が3.6~5.0mEq/Lになるように調節されています。細胞の浸透圧を調整したり水分を保持したりする働きがあることでよく知られ、血圧を下げる栄養素としても有名です。普段からカリウムを摂取しておくことで、血圧を下げる効果があるとされています。ただし、腎機能に異常がある場合、カリウムの過剰摂取は体に悪影響を及ぼす可能性があるため、かかりつけの医師に相談するようにしましょう。
カリウムを多く含む食べ物としては、いも類や豆類、海藻類などが知られています。それぞれ、具体的にどのような食品があるのかを見ていきましょう。
野菜のうち、特にいも類やかぼちゃには多くのカリウムが含まれています。その他、トマトジュースにも、200mlあたり546mgと多くのカリウムが含まれているため、カリウムの補給源として利用しやすいでしょう。
食品名 | 100gあたりの含有量 |
---|---|
さつまいも | 980mg |
さといも | 660mg |
かぼちゃ | 450mg |
じゃがいも | 430mg |
れんこん | 440mg |
肉類と魚類では、次の食べ物にカリウムが多く含まれています。
食品名 | 100gあたりの含有量 |
---|---|
むろあじ | 850mg |
ビーフジャーキー | 760mg |
豚ヒレ肉 | 690mg |
鶏むね肉 | 570mg |
あゆ | 510mg |
きな粉は、非常に多くのカリウムを含む食べ物です。とはいえ、大量に食べることは難しいため、大豆やおから、ひきわり納豆などをうまく活用するとカリウムを摂取しやすいでしょう。
食品名 | 100gあたりの含有量 |
---|---|
きな粉 | 2,100mg |
乾燥大豆 | 1,700mg |
乾燥おから | 1,300mg |
えんどう豆 | 970mg |
ひきわり納豆 | 700mg |
海藻類は、多くのカリウムを含みます。効率良くカリウムを摂取したいときに役立ちます。
食品名 | 100gあたりの含有量 |
---|---|
りしり昆布の素干し | 5,300mg |
焼海苔 | 2,400mg |
わかめ | 730mg |
干しひじき | 200mg |
くきわかめ | 88mg |
カリウムは私たちにとって欠かせないミネラルの一つですが、たくさん摂れば摂るほど良いというものではありません。安全にカリウムを摂取するために、目安量や過剰摂取したときの危険性についても知っておく必要があります。
カリウムの一日の摂取目安量は、成人男性で3,000mg以上、成人女性で2,600mg以上です。WHO(世界保健機関)のガイドラインでは、男女関係なく一日に3,510mgのカリウムを摂取するように推奨しています。カリウムはいも類や海藻類など、身近な食べ物に豊富に含まれているため、基本的に普段の食事で不足することはありません。
カリウムを過剰摂取してしまうことは、普通の生活をしていればまずないといってよいでしょう。多くの食品に含まれてはいるものの、腎臓が正常に働いていれば排泄されていくため、過剰摂取になることはありません。
以下に当てはまる場合は、カリウムを過剰摂取してしまう可能性があります。
・腎臓の機能が落ちている方
・カリウムのサプリメントを使用している方
腎臓の機能が落ちていると、カリウムがたまりやすくなります。食事以外から摂るカリウムを減らしたり、野菜を細かく刻んで火を通し、ゆで汁を捨て水気をしっかり切ったりすることでカリウムの摂取量を減らすことが可能です。
その他、カリウムが上がりやすいサプリメントや薬を飲んでいる場合も過剰になる可能性があるため、注意しましょう。
カリウムは、必須ミネラルのため私たちにとって欠かせない栄養素です。日常で食事を摂れていれば不足することはまずありません。また、腎機能が正常に働いておりサプリメントなどを利用していなければ、過剰摂取になることもないといわれています。
カリウムはいも類や豆類などに多く含まれていますので、これらの食べ物を活用しながらカリウムを摂取していきましょう。
氏名:井林雄太(いばやし・ゆうた)
総合病院勤務。大分大学医学部卒。
日本内科学会認定内科医、日本内分泌内科専門医、日本糖尿病内科専門医の資格を保有。現在は医師業務のかたわら、正しい医療情報を伝える啓発活動も市民公開講座など通して積極的に行なっている。
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