1.カジキに含まれる栄養素
カジキから摂取できる栄養素の概要、おもな働きについて解説します。
1-1.タンパク質
タンパク質は多数のアミノ酸が結合したものであり、糖質・脂質と並ぶ三大栄養素の一つです。筋肉・内臓・皮膚といった体の組織を構成するほか、ホルモンバランスや免疫機能にも関わるので、人間の生命活動に欠かせない栄養素といっても過言ではありません。
カジキから摂取できるタンパク質の量(可食部100gあたり)は、それぞれ以下のとおりです。
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・クロカジキ:22.9g
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・マカジキ:23.1g
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・メカジキ:19.2g
また、タンパク質はカジキ以外の魚のほか、肉・卵・大豆製品・乳製品からも摂取できます。
1-2.ビタミンD
ビタミンDにはD2~D7の6つ存在しますが、食材から摂取できるものはD2(エルゴカルシフェロール)とD3(コレカルシフェロール)の2つです。筋収縮や神経伝達の恒常性を保つ働きがあります。
カジキから摂取できるビタミンDの量(可食部100gあたり)は、それぞれ以下のとおりです。
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・クロカジキ:38.0μg
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・マカジキ:12.0μg
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・メカジキ:8.8μg
また、ビタミンDはカジキ以外の魚だと紅鮭やニシン、魚介類以外だときのこ類や卵に多く含まれています。
2.カジキを使ったレシピ3選
カジキを使ったおいしい料理のレシピを紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
2-1.メカジキのトマトソテー
タンパク質・ビタミンDを摂取できるメカジキに、リコピン・カロテン・クエン酸などが多く含まれているトマトを組み合わせた一品です。にんにくの香りが食欲をそそります。
【材料】2人分
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・メカジキ 2切れ
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・にんにく 1/2片
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・ミニトマト 5個
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・ブラックオリーブ 25g
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・パセリ 適量
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・塩 適量
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・こしょう 適量
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・オリーブ油 大さじ1.5
【A】
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・白ワインビネガー 大さじ2
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・砂糖 小さじ1/2
【作り方】
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1. メカジキは半分にカットし、塩・こしょうで下味を付けます。
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2. にんにく・パセリはみじん切り、ミニトマトは縦4等分にカット、ブラックオリーブは3mm幅の輪切りにします。
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3. オリーブ油大さじ1をフライパンに入れて熱し、メカジキを焼きます。両面に焼き色が付いて、中心までしっかり火が通ったら一度取り出します。
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4. 残ったオリーブ油とにんにくを3のフライパンに入れ、弱火にかけます。
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5. 良い香りがしてきたら、ミニトマト・ブラックオリーブ・混ぜ合わせた【A】を加えて少し煮詰めます。
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6. パセリのみじん切りと塩・こしょうを仕上げに加え、味を調えます。
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7. 皿に3を盛り付けて、5をかけたら完成です。
2-2.メカジキのフリット
パン粉をつけて揚げたメカジキを、漬物入りのタルタルソースでいただく一品です。タルタルソースに使う漬物は、たくあん漬けやぬか漬けなど、冷蔵庫にあるもので構いません。
【材料】2人分
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・メカジキ 2切れ
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・塩 適量
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・こしょう 適量
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・ゆで玉子 1個
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・玉ねぎ 1/8個
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・漬物 15g
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・パセリ 適量
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・レモン汁 大さじ1/2
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・マヨネーズ 大さじ2.5
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・小麦粉 大さじ1
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・溶き卵 1/2個分
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・パン粉 適量
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・揚げ油 適量
【作り方】
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1. メカジキは1cm角の棒状にカットし、塩・こしょうで下味を付けます。
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2. ゆで玉子・玉ねぎ・漬物・パセリはみじん切りにします。
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3. レモン汁・マヨネーズ・塩・こしょうと2を混ぜ合わせタルタルソースを作ります。
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4. メカジキに小麦粉・溶き卵・パン粉の順で衣を付けたら、170度の油で揚げます。
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5. 皿に4を盛り付けて、タルタルソースを添えたら完成です。
2-3.カジキのソテー カポナータ添え
色とりどりの野菜が煮込まれたカポナータはビタミン豊富で、単品でもおいしい料理です。カジキのソテーに添えると、さらにおいしさがアップします。
【材料】4人分
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・カジキの切り身 4切れ
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・薄力粉 少々
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・塩 適宜
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・こしょう 適宜
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・オリーブオイル 大さじ1
<カポナータ>
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・たまねぎ 1/4個
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・なす 2本
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・にんじん 1/2本
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・ピーマン 2個
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・しいたけ 2個
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・トマトの水煮缶 1/2缶
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・白ワイン 大さじ1
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・乾燥バジル 適宜
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・乾燥オレガノ 適宜
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・塩 適宜
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・こしょう 適宜
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・オリーブオイル 大さじ2
【作り方】
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1. まずはカポナータを作ります。野菜をすべて1cm角にカットしたら、鍋にオリーブオイルを投入し、たまねぎ・にんじん・ピーマン・なす・しいたけの順に炒めます。
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2. トマトの水煮缶・乾燥バジル・乾燥オレガノ・白ワインを1に加えて煮込み、塩・こしょうで味を調えます。
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3. カジキに塩・こしょうをふり、薄力粉を薄くまぶします。
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4. 熱したフライパンにオリーブオイルを入れて、2のカジキを両面がきつね色になるまで焼きます。
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5. 皿に4を盛り付けて、カポナータを添えれば完成です。
カジキは栄養十分でおいしい食材
カジキを食べると、良質なタンパク質とビタミンDを摂取できます。どちらも健康を維持・促進するうえで欠かせない栄養素なので、積極的に摂りたいところです。
あっさりしつつも旨味が強いカジキは、さまざまな料理で使えます。この記事で紹介したレシピも参考にして、普段の食卓やお弁当などに取り入れてみてください。
監修者情報
氏名:井林雄太(いばやし・ゆうた)
総合病院勤務。大分大学医学部卒。
日本内科学会認定内科医、日本内分泌内科専門医、日本糖尿病内科専門医の資格を保有。現在は医師業務のかたわら、正しい医療情報を伝える啓発活動も市民公開講座など通して積極的に行なっている。