ダイエット中の食事で注意すべきポイントとは?
おすすめのヘルシーレシピも紹介

現代の食生活や生活習慣は人によってさまざまです。肥満に悩む人がいる一方で、過激なダイエットによる「やせ」も社会全体の課題となっています。極端な食事制限はかえってやせにくい体質へつながるだけでなく、病気や不調を引き起こしかねません。

ダイエットに取り組むならば、正しいカロリー制限と栄養バランスを意識した食事が大切です。そこで今回は、過剰な食事制限が体に与える影響を確認するとともに、ダイエットで注意すべきポイントとおすすめのヘルシーレシピをご紹介します。

1.食事を摂らないダイエットはNG

一般的なダイエットの意味は、食事制限や運動による減量や痩身を指します。通常、減量のためには消費エネルギーよりも、摂取エネルギーを少なくしなければなりません。食事量を極端に減らしたり特定食品だけを食べ続けたりするダイエット方法は、一時的には減量につながってもさまざまな不調を起こすおそれがあります。

また、ダイエットのために食事を抜くと体は栄養不足となり、かえってエネルギーを溜めこもうとします。その結果、やせたい気持ちとは裏腹に太りやすい体質を招いてしまうのです。ダイエットを成功させたいなら整った食生活を心がけましょう。

さらに近年問題になっているのが、若い女性の多くに過剰な「やせ願望」があることです。ダイエットの必要がないにも関わらず、極端な食事制限を繰り返すと健康トラブルのリスクが高まってしまいます。

2.ダイエット中の食事で注意すべきポイント

極端な食事制限は体に負担をかけ、体の不調を招きます。ここでは、健康にダイエットするための食事のポイントを紹介します。

2-1.一日の摂取カロリーを意識する

まずは、自分は本当にダイエットの必要性があるのかを考えてみましょう。BMIが正常範囲(18.5~24.9)にある場合は、極端な食事制限は特に必要ありません。体重が適正であれば、エネルギー消費量と同じ量のエネルギーを摂取するのが理想です。

必要なエネルギー量を下回ると、筋肉量の減少や体の機能が十分に働かなくなることに加えて感染症にかかるリスクなどが高まります。自分に必要なカロリーを把握し、無理のない範囲でカロリーを抑えましょう。

ただし、BMIは適切であっても腹囲や血圧などが基準値から外れていたり、体力不足を感じたりする場合は食生活を見直しましょう。

2-2.バランスの良い食事

ダイエットを行なう場合は特定の食品を抜いたり、極端に食事量を減らしたりするのは避けましょう。食事のスタイルは主食・主菜・副菜をベースに栄養バランスを意識し、調理法や間食のとり方をチェックします。

同時に、筋肉をつくるタンパク質やビタミン類といった栄養素を十分に摂取することも大切です。エネルギー産生に関わっているアミノ酸由来の物質「カルニチン」が多い食品を積極的に摂取するのもよいでしょう。カルニチンはおもに牛肉や鶏肉など赤身肉に豊富に含まれています。

3.ダイエットの効果を高める食材

ダイエットをサポートする食品には次のものがあります。毎日のメニューに取り入れてみましょう。

食品 含まれる栄養素とおもな働き
お酢 クエン酸による疲労回復や整腸作用が期待できる。
オリーブオイル オレイン酸が代謝をサポートする。
アーモンドなどのナッツ類 水溶性食物繊維、脂肪の代謝に関わるビタミンB2を含む。
アボカド オレイン酸が代謝をサポートし、ビタミンE・食物繊維も豊富。
キムチ 乳酸菌や食物繊維による腸内環境の改善、カプサイシン、ビタミンB群が代謝をサポートする。
さば DHAやEPAを含むほか、タウリンが代謝をサポートする。

4.ダイエット中の食事におすすめのヘルシーレシピ

ここではおすすめの健康レシピを紹介します。ダイエットをサポートする食品も使用しているため、ダイエット中にもおすすめです。

4-1.ドレッシングにもおすすめの「酢しょうが」

しょうがには、体を温めて血行を改善する作用があります。しょうが料理を冷え対策として取っている人も多いでしょう。

今回紹介する「酢しょうが」は酢にしょうがを漬けるだけでできる簡単レシピです。酢しょうがは刻んでドレッシングや薬味として利用する以外に、煮物や炒めもののアクセントにもなります。できた酢しょうがは、冷蔵保存で1カ月を目安にお使いください。

【材料】

  • ・しょうが 2~3個(100~150g)

  • ・穀物酢 1カップ

【作り方】

  • 1.しょうがは洗って水気を切ります。ざるに入れて少し乾燥させるのもおすすめです。

  • 2.皮ごと1mmくらいの薄切りにして清潔な保存びんに入れ、しょうがが浸るように穀物酢を加えたら完成です。

4-2.カロリーの低い糸こんにゃくを使った「糸こんにゃくのキムチ炒め」

糸こんにゃくを使ったヘルシーメニューです。しっかり炒めて、糸こんにゃくの水気をなくすのがおいしく作るポイントです。

【材料】2人分

  • ・糸こんにゃく 1袋

  • ・にんにく 1/2片

  • ・にら 1/2束

  • ・白菜キムチ 50g

  • ・ごま油 大さじ1/2

  • ・鶏ガラスープの素 小さじ1/2

  • ・オイスターソース 小さじ2

  • ・塩 適量

  • ・白ごま 適量

【作り方】

  • 1. 糸こんにゃくは、熱湯で2分ほどゆでて湯切りし、食べやすい大きさに切ります。

  • 2.にんにくはみじん切りにし、にらは4cmの長さに切ります。

  • 3. ごま油を熱したフライパンに糸こんにゃくを入れ、水気がなくなるまで中火で炒めます。

  • 4.糸こんにゃくの水分が飛んだら、にんにく、にら、白菜キムチを加えてさらに炒めます。

  • 5.全体に火が通ったら、鶏ガラスープの素とオイスターソースを加えてさらに炒め、塩で味を調整します。

  • 6.お皿に盛り付け、白ごまをちらして完成です。

正しい食事法を身につけてダイエット成功につなげましょう

健康でいきいきと自分らしい生活を送るには、適切な体重の理解と体重管理が重要です。極端な食事制限は、病気や不調の原因となります。

また、女性の行き過ぎた「やせ願望」は、自身の健康のみならず生まれてくる子どもに影響するおそれもあります。

ダイエットの際は必要なエネルギー量を把握し、体に負担のない範囲でカロリーを制限しましょう。リズムと栄養バランスの整った食生活も大切です。ダイエット成功のためにも、正しい食習慣を身につけましょう。

監修者情報

氏名:梅村 将成(うめむら・まさなり)
外科医として地方中核病院に勤務中。
消化器外科のみならず総合診療医として、がん治療(手術・抗がん剤・緩和治療/看取り)を中心に、幅広く内科疾患・救急疾患の診療を行なっている。
資格:医師免許・外科専門医・腹部救急認定医