
2020年 富山で50人から始まったBeサポーターズ!
2024年には、全国230施設、延べ10,000名以上の方が参加する活動へと広がりました。
各地域の参加者、お一人おひとりから生まれる人生の物語は活動の広がりとともに魅力を増し、
その魅力を伝えるべく“人生100年時代の物語大賞”は、はじまりました。
Beサポ!の物語は、施設の職員の方はもちろん、ご家族や地域の方々、
クラブのスタッフやサポーター、私たちのエネルギーにさえなっています。
人生100年時代を“幸せ”に生きるためには何が大切なのだろう。
そんな壮大な問いに、この物語たちがヒントをくれている気がします。
皆さまも、ワクワクから生まれる、笑い、涙、驚き・・・ココロ揺さぶられる物語をぜひおたのしみください。
“いくつになってもワクワクしたい、すべての人へ”
Beサポーターズ!





2024年12月12日公開

この度はこのような賞を頂戴し誠に光栄に思います。
この賞は鹿児島、神戸のクラブ、サポーターのみなさんの温かい支えがあっての賞だと思っています。この物語を通じていくつになっても「夢」を持つことの大切さ、諦めずに「挑戦」することの素晴らしさを改めて教えてもらうことができました。トキメキやワクワクがいっぱい詰まったテルコさんの「夢」。
この感動がひとりでも多くの方々の胸に届くことを願っています。
高齢者総合福祉施設オリンピア兵庫
ユニットリーダー 大野裕子



2024年12月11日公開

開幕戦に向けて盛り上がり始めていた頃。 やってきたのは、笑顔がとっても素敵な101歳の稲生さんでした。 「ここでは、みんなで横浜FCを応援しますよ」とお伝えすると、さらに笑顔になりました。 難聴で会話が難しいときもあるようでしたが、『みんなで一緒にやること』がお好きなご様子。 応援グッズも、みんなと楽しそうに作っておられました。 迎えた、Beサポ!応援の日。 私たちの施設では、横浜FCカラーの“青いアイテム”をドレスコードに集まります。 「耳が聞こえにくい稲生さんにも、一体感を感じていただきたい」 そんな思いで職員がお渡ししたのは、青いアフロヘア。 「えぇ?」 稲生さんは驚きながらもしっかりと被り、みんなでつくった応援グッズを両手とびきりの笑顔で応援しておられました。 アフロ姿の稲生さんを見た入居者にも笑顔が広がっていき、いつしかアイドルのような存在に。 「難聴の方も、こんなに一緒に楽しめるんだ!」と職員まで笑顔になりました。 さらに、そんな写真を見た娘さんご夫婦も「一緒に応援したい!」と次の応援会にご参加。 みんなで過ごした思い出の写真が、お部屋にどんどんと増えていきました。 そして、シーズンすべての試合を見届け、訪問会で選手とお会いできた1ヶ月後。 眠るように稲生さんは天国へと旅立たれました。 「最期をここで過ごすことができて、本当に良かったです。 」 アフロ姿の写真を見つめながら、ご家族はそうおっしゃってくださいました。 101年という長い人生のほんの半年だったけれど、最期まで、一緒に楽しい思い出をつくれたよね。 ありがとう。みんなのアイドル、アフロ姿の稲生さん。

今年から参加をはじめたBeサポーターズ!の活動を通じて、稲生様のホスピスでの生活に輝きを取り戻すことができました。
一緒に応援をする中で、私たち自身もご入居者様の本当の笑顔を見る事ができ幸せな気持ちでいっぱいになりました。
この物語をまとめるにあたり稲生様との出来事を思い出すことができました。ご家族様もBeサポーターズ!の活動を大切に思ってくださり、今でもアフロ姿の写真を飾ってくださっているようです。
ReHOPE東戸塚
看護師 井原汐音



2024年12月11日公開

石塚さんは、ときおり物忘れはみられるものの、 一人で歩くことはできるお元気な方でした。 だからこそ、まだ施設の入居に納得されていない部分もあったようで、 「ほかの人と一緒にするな!」とよく怒っていました。 そのため、みんな少し距離を置いていたように思います。 Beサポでカターレ富山の応援にも参加してはいましたが、ほとんど一人で観ておられました。 そんなある日。 一睡もせず、楽しそうにオリンピックを観ている石塚さんを目撃したのです。 「スポーツがお好きなんだ。」 そう確信し、こんなお願いをしてみました。 「サッカーが分からない方に、教えてあげてくれませんか」 すると、次の試合から、 石塚さんはまるで先生のように、みんなを導いてくれるようになったのです。 恥ずかしがって誰も着なかったユニフォームを着て、 ゴールが入るたびに、大きな声で点数を読み上げるようになりました。 それが、みんなと話すきっかけになったようです。 Beサポ以外でも、話しかけたり、何かを教えるようになりました。 「あの人、あんな話しやすい人やったんやね」とみんなもびっくり。 石塚さんは、笑みを浮かべながらこう呟いておりました。 「やっぱり、みんなと話せるとうれしいわ」 たった少しのきっかけで人はこんなにも変わるものなんだ、と 職員が学べた大きな出来事になりました。 今では誰からも頼りにされ、引っ張っていってくれる私たちの大切な応援リーダーです。

女性が多い施設の中で、ほとんどの男性は少し浮きがちでした。
Beサポ!活動により交流が始まり、本人の知識が活かせる場ができました。頼りにされたり、役割ができることで、施設に入居しても、楽しく生き生きと暮らすことができます。まるで少年のように目を輝かせるステキな出来事にも出会うことができました。
これからも、ワクワクとキラキラした暮らしをサポートします。
地域密着型小規模特別養護老人ホーム雅
ユニットリーダー/介護支援専門員 福野友美



2024年12月11日公開

職員の藤岡さんは、もともと別の介護施設で働いていた方でした。 あるとき、Beサポ!に参加していた私たちの施設の利用者が、 フラッグベアラーとしてピッチを歩く姿に感激。 なんと、「私もBeサポ!をやりたいです!」と、転職してきてくれたのです。 「セレッソ、おーさか!」 セレッソガールになりきり、応援をリードする職員の藤岡さん。 そのコールに合わせて、みんな手拍子で応援するようになりました。 ひとり、少しだけ遅れて手を叩かれるのが、利用者の浮名さんです。 そう。浮名さんは難聴で、周りの「音」が聞こえないのです。 どんなに興奮するような状況でも、静かにスクリーンを見つめています。 「好きってほどでは、ないのかな」 職員の藤岡さんはそう感じながらも、メガホンを使って必死に声を届けていました。 そんなある日。 浮名さんをご自宅から施設へ、送迎しているときのこと。 なにかの音が後部座席から聞こえてきたのです。 よく聞くと・・・(リズム)「セレッソ、おーさか!」のコールリズムじゃありませんか。 驚いて後ろを振り返ると、 空を眺めながら、浮名さんが指と車の壁でリズムを取っていたのです。 「届いてたんだ」 興味がないのではなく、表現の仕方がちがっただけなんだ。職員の藤岡さんが気づいた瞬間でした。 その後も、浮名さんが小さくリズムを刻んでいたことを、たくさんの職員から聞くようになったそうです。 控えめな浮名さんならではの思いの届け方。きっと、セレッソにも届いているのでしょう。

セレッソを応援したいというご利用者様の「思い」、
そして、ご利用者様に楽しんでもらいたいというスタッフの「思い」……これらの「思い」がつながって、
今回のストーリーが生まれました。
何気ない日常の光景の中で、すぐに消えてしまうような、ほんの一瞬の出来事ですが、ご利用者様の生活において「セレッソ」を応援すること、が存在し始めた証に大きな意義を感じます。
株式会社あぷり
広報部ディレクター 白川浩一



2024年12月11日公開

お部屋にこもり、ごはんも食べず、人と関わろうとしない。 それが入居された当時のヒロアキさんのご様子で、ご家族もとても心配されていました。 そこで、できるだけ一人の時間を減らせるようにと、Beサポ!にもお誘いしたのです。 そんなある日。 息子さんが、たまたまサッカーのユニフォーム姿で会いに来られたのです。 すると、会話が盛り上がり、ヒロアキさんも前のめりなご様子。 そこで、職員からこんなお誘いをしてみました。 「今度の敬老の日に、一緒にスタジアムに行ってみますか?」 しかし、「考えてみる」とつれない返事。 やんわり断られてしまったか、と思っていると、数日後。 「サッカー行くがいつだっけ?」と話しかけてくださいました。 「足けっぱなす爽快感がいいよね」と呟いていたヒロアキさんは、この目で観てみたいと思ったのかもしれません。 そして、迎えた当日。 ヒロアキさんは目を輝かせながら、スタジアムへ。 普段はほとんどごはんを食べないのに、かき氷、焼きそば、そして、コーラ。スタジアムグルメを「美味しい!」とペロリ。 ご家族は車椅子で一緒にピッチを歩きながら、 「何年ぶりかなあ、一緒にでかけたの」と嬉しそうに笑っておられました。 それから、ヒロアキさんの毎日にも変化が。 誰よりも大きな声で「いただきます」と「ごちそうさま」。ごはんも、たくさん食べるようになったのです。 きっと、明日を生きたい、と思える理由を見つけられたのだと思います。 そして、職員の顔を見るたび、こう言うのです。 「連れてってくれてありがとう。また、よろしく」

この度はこのような賞を頂戴し誠に光栄に思います。
今回の受賞エピソードは、職員とご本人との距離がグっと縮まっただけでなく、環境や関わり方で人はこんなにも変わるのだと改めて人と関わる事の難しさとやりがいを思い出させていただいた大事な出来事です。
施設というと世間的にはマイナスなイメージで、施設に入りたくないと思われがちですが、このエピソードを見て少しでも前向きな明るい印象になればいいなと思っています。
地域密着型小規模特別養護老人ホーム雅
生活相談員 若松真優



※役職は選考会当時のものです

Beサポーターズ!にご興味のある施設の方は
こちらより説明会へご参加ください!
取材など、その他のお問い合わせは 以下のお問い合わせフォームのリンクよりご連絡ください。
慶応義塾大学 名誉教授
伊藤裕 先生
慶應義塾大学医学部 腎臓内分泌代謝内科 教授を経て、慶應義塾大学 名誉教授。慶應義塾大学 予防医療センター 特任教授。医学博士。主な著書に「幸福寿命 ホルモンと腸内細菌が導く100年人生」(朝日新書)など。
タレント・介護福祉士
上条百里奈さん
現在、介護福祉士として現場に従事しながら、白梅学園大学で嘱託研究員兼非常勤講師を務める。また、介護現場の労働負担や労働生産性について研究し、日本介護福祉学会等で発表。情報番組のコメンテーターやテレビドラマの介護監修なども手掛け、モデルとして東京コレクション等のランウェイ、CM広告等に出演。
株式会社ライツ社 代表
大塚啓志郎さん
京都の出版社に入社し、編集長を務めた後に30歳で独立。地元・明石市でライツ社を創業。「write」「right」「light」をキーワードに多数の書籍を出版する中で、認知症のある方が経験する出来事を「旅のスケッチ」と「旅行記」の形式でまとめた「認知症世界の歩き方」は、NHK Eテレで番組化するなど話題に。
株式会社小国士朗事務所 代表取締役、Beサポ!発起人
小国士朗さん
元NHKプロデューサー。大学の卒論で密着した仙台のサポーターの熱狂が原風景となりBeサポ!を構想。これまでに手掛けたプロジェクトは「注文をまちがえる料理店」「deleteC」など多数。主な著書に「笑える革命~笑えない『社会課題』の見え方がぐるりと変わるプロジェクト全解説」など。
サントリーウエルネス株式会社 代表取締役社長
沖中直人
1991年、サントリー(現サントリーホールディングス)入社。「伊右衛門」開発リーダー等を経て、2020年1月より現職。