目次
1.インスリンとは?
インスリン(インシュリン)とは、膵臓のβ細胞から血液中に分泌されるホルモンのことです。
インスリンは、空腹時や就寝中でも膵臓から分泌されていますが(基礎分泌)、食後に血液中の糖の濃度(血糖値)が上昇すると、追加で分泌されます。
骨格筋・脂肪組織・肝臓といったインスリン標的臓器に作用して、私たちの体が活動するためのエネルギー源となる糖の吸収をサポートします。
インスリンは、血液中の糖の濃度を下げる働きがあるホルモンです。
インスリンの働きが悪くなると、血液中の糖の濃度が高い状態が続き、糖尿病につながる可能性があります。
今回は、インスリンの役割や、インスリンの働きが悪くなる原因などを解説します。
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インスリン(インシュリン)とは、膵臓のβ細胞から血液中に分泌されるホルモンのことです。
インスリンは、空腹時や就寝中でも膵臓から分泌されていますが(基礎分泌)、食後に血液中の糖の濃度(血糖値)が上昇すると、追加で分泌されます。
骨格筋・脂肪組織・肝臓といったインスリン標的臓器に作用して、私たちの体が活動するためのエネルギー源となる糖の吸収をサポートします。
食事をすると、体内に入った栄養素の一部は糖となり、腸から吸収されます。また、食事をしない時間が続くときでも、肝臓などで糖が作られるため(糖新生)、糖は常に血液中に存在します。
血液の流れに乗って、それぞれの臓器や組織の細胞まで糖がたどり着くと、同じく血液中を流れているインスリンが、細胞内に糖を取り込めるよう働きかけます。インスリンの働きがなければ、体が活動するためのエネルギー源として糖を使うことはできません。
また、糖を細胞に速やかに取り込むインスリンの働きにより、血糖値は一定の範囲内に収まります。
余った糖は、筋肉の収縮などに不可欠な「グリコーゲン」や、体脂肪の大部分を占める「中性脂肪」に合成されて蓄えられます。実はグリコーゲンや中性脂肪の合成を促すのも、インスリンの働きの一つです。
インスリンは、いくつかの原因によって働きが悪くなる可能性があります。ここでは、インスリンが十分に働きにくくなる2つの原因を見てみましょう。
1つ目は、膵臓のβ細胞の分泌機能が低下することで、十分なインスリンを作れなくなってしまう状態です。インスリンの分泌量が減ると、血液中を流れている糖を細胞にうまく取り込めず、血糖値が高くなってしまいます。
日本人は、欧米人と比べるとインスリン分泌予備能が低く、早い段階でインスリンの分泌量が減り始めると考えられています。
2つ目は、分泌されるインスリンの量は足りているものの、標的臓器の感受性が低下し、インスリンの効果を十分に発揮できない状態です。この状態を「インスリン抵抗性」が高いと表現します。
インスリン抵抗性が高い場合も、血液中の糖を効率良く取り込めないため、血糖値が下がりにくくなるでしょう。
インスリンを適切に作用させ、血糖値を正常に戻すためには、通常よりも多くのインスリンが必要となります。これにより、インスリン抵抗性が高い状態が続くと、膵臓の分泌機能が低下します。
インスリン抵抗性が高くなるおもな原因は、遺伝・肥満・運動不足・高脂肪食・ストレスなどです。
インスリンには、エネルギー源となる糖を細胞に取り込む役割や、血糖値を一定の範囲内に収める役割などがあります。
しかし、膵臓のインスリン分泌機能が低下したり、インスリン抵抗性が高くなったりすると、インスリンの働きが悪くなるでしょう。
特にインスリン抵抗性の悪化は、遺伝的な影響だけでなく、運動不足や高脂肪食などの生活習慣が原因となるケースがあります。したがって、インスリンの働きを維持するためには、運動習慣や食生活を見直すことが大切です。
氏名:井林雄太(いばやし・ゆうた)
総合病院勤務。大分大学医学部卒。
日本内科学会認定内科医、日本内分泌内科専門医、日本糖尿病内科専門医の資格を保有。現在は医師業務のかたわら、正しい医療情報を伝える啓発活動も市民公開講座など通して積極的に行なっている。
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