1.ダイエットは筋力トレーニングと有酸素運動の組み合わせが重要
ダイエットをするうえで運動は欠かせませんが、運動の組み合わせ方も重要です。
運動を行なう際は、有酸素運動と筋力トレーニングのどちらか一方だけを行なうのではなく、バランス良く行なうのが効果的です。
ここでは、おすすめの有酸素運動と筋力トレーニングを紹介します。
1-1.有酸素運動
減量や体重維持を目的とする場合は、まずは有酸素運動で消費エネルギーアップを目指して運動プログラムを考えます。
おすすめの有酸素運動は、ウォーキングや自転車、水中歩行などです。運動に慣れてきたら、少しきついと感じるくらいまで徐々に強度を上げても大丈夫です。
1-2.筋力トレーニング
有酸素運動とともに筋力トレーニングにも取り組むと、さらに効果的です。胸や背中、下肢といった大きな筋肉をまんべんなく鍛えるとよいでしょう。
胸の筋力トレーニングは、仰向けになって軽く膝を立て、ダンベルを持ったまま両手を床から体の上に伸ばしながら上げる「ダンベルフライ」や、プールのなかで腕を使って前後に水をかく運動などがおすすめです。
軽く膝を曲げながら前屈みになって片手を膝に付き、もう片方の手でダンベルを胸の高さまで引き上げる「ダンベルロウイング」や、トレーニング機器を使用した「ラットプルダウン」などは背中の筋肉を鍛えられます。下肢へ効果的なのは、ダンベルを持ちながら行なう「ダンベルスクワット」や足の筋肉を鍛えるトレーニング機器「レッグプレス」です。
筋力トレーニングは個人に合った負荷で、8~12回を2~4セット、週に2~3回の頻度で行なうとよいでしょう。
2.簡単にできるダイエットトレーニングメニュー
ここでは、運動に慣れていない方でも簡単に取り組める筋力トレーニングメニューを3つ紹介します。
それぞれのメニューを1セット10回、一日2~3セットを目標に始めてみましょう。トレーニングは反動をつけずに筋肉を意識しながら行ないます。また、息を止めず、力を入れるときは息を吐きましょう。
2-1.上体起こし
仰向けの状態で肩を床から離す運動です。慣れないうちは、背中と床の間にクッションや枕などを挟んでも大丈夫です。
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1. 両膝を立てて仰向けになり、足を腰ほどの幅まで開きます。
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2. 伸ばした両手をふとももに付け、肩を床から浮かすようにゆっくりと上半身を起こします。
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3. 1秒間キープし、もとの体勢にゆっくりと戻ります。
2-2.スクワット
膝を45度ほどに曲げるスクワットです。曲げる際に膝が、つま先より前に飛び出さないように注意しましょう。
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1. 足を肩幅ほどに開き、背中をまっすぐ伸ばします。
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2. 膝とつま先が同じ向きになることを意識しつつ、イスに座るイメージでゆっくりと膝を曲げていきます。
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3. 1秒間キープし、もとの体勢にゆっくりと戻ります。
2-3.膝伸ばし
自分の体重を利用した膝伸ばしは、左右両方の足で行ないましょう。また、無理に膝を伸ばすと過度な負担となるため、自分でできる範囲で伸ばしてください。
3.誤ったダイエットをすることで起こるリスク
ダイエットのために極端な食事制限を行なうと、便秘・貧血など体の不調を招くおそれがあります。食事を抜くことで体が栄養不足となり、より多くのエネルギーを溜めこもうとするため、「食べない」ダイエットは一時的には減量しても、かえって太りやすい体質を作ることになりかねません。
近年では、若い女性を中心に「やせ願望」を持つ人が少なくありません。また、若い女性のやせ傾向は低出生体重児(2,500g未満)の増加にも関わっていると指摘されています。
自分や生まれてくる子どもの健康のためにも、栄養バランスのとれた食事と適度な運動を行ないましょう。
無理なく続けられる運動でダイエット成功へ
ダイエットで大切なのは食事制限と有酸素運動、筋力トレーニングですが、毎日完璧にやろうと考えると挫折しやすくなります。
食べ過ぎた翌日は食事量を減らしたり、平日に運動できなかったら週末に頑張ったりするなど、柔軟に考えるのがダイエット成功のポイントです。
無理のない範囲で、長く続けられるやり方を見つけて取り組んでみましょう。
ただし、痛みが残るほどの運動は体に負担をかけ過ぎているため、ちょうど良いバランスが大切です。
監修者情報
氏名:梅村 将成(うめむら・まさなり)
外科医として地方中核病院に勤務中。
消化器外科のみならず総合診療医として、がん治療(手術・抗がん剤・緩和治療/看取り)を中心に、幅広く内科疾患・救急疾患の診療を行なっている。
資格:医師免許・外科専門医・腹部救急認定医