トマトに含まれる栄養素とは?
おすすめ料理レシピを4つ紹介

海外のことわざで「トマトが赤くなると医者が青くなる」といわれるほど、健康に良いことで知られているトマト。トマトは栄養が豊富で、生でも加熱調理でもおいしく食べられる便利な野菜です。

この記事では、トマトに含まれている栄養素とおすすめのレシピ4つを紹介します。

1.トマトに含まれる栄養素

トマトに含まれるおもな栄養素は7つです。ここでは、各栄養素の特徴について解説していきます。

1-1.リコピン(リコペン)

リコピンは抗酸化作用を持つ赤色の色素成分で、「リコペン」とも呼ばれます。つまり、トマトの赤色はリコピンによるものです。

リコピンは熱に強く、加熱調理に向いています。脂溶性のため、油を使った加熱料理であれば、効率良く栄養を摂取できるでしょう。

1-2.ビタミンC

ビタミンCは、「アスコルビン酸」とも呼ばれる水溶性ビタミンの一種です。コラーゲンの生成に関わるほか、体の抵抗力向上もサポートします。

なお、ビタミンCは熱に弱いため、加熱調理では分解されてしまいます。

1-3.ビタミンE

ビタミンEは脂溶性ビタミンの一種で、抗酸化作用や血管を健康な状態に維持する作用などがあります。熱や酸に強く、調理によって失われることはあまりありません。

1-4.カロテン

カロテンは「プロビタミンA」とも呼ばれ、体内でビタミンA(β-カロテン)に変換されます。抗酸化作用を持つのが特徴です。

カロテンは脂溶性のため、摂取の際には油と合わせて食べるとよいでしょう。

1-5.食物繊維

食物繊維は大きく分けると、水に溶けない不溶性食物繊維と溶けやすい水溶性食物繊維の2種類です。血中のコレステロール値や食後の血糖値を、上昇しにくくする作用などがあります。

食物繊維は、健やかな体を目指すうえで重要な栄養素とされています。

1-6.カリウム

カリウムは、多量ミネラルの一種です。ナトリウムを体外に排出する作用があるほか、筋肉の収縮にも関与しています。

1-7.クエン酸

クエン酸は酸味を持つ成分で、疲労回復のサポート作用や食欲増進作用などがあります。トマトに酸味があるのは、おもにクエン酸が含まれているためです。

2.栄養豊富なトマトを使ったおすすめ料理レシピ

ここでは、トマトを使ったおすすめのレシピを4つ紹介します。

2-1.ごぼうと鶏肉のトマト煮

まず紹介するレシピは、ごぼうの食感が特徴の「ごぼうと鶏肉のトマト煮」です。風味を生かすために、ごぼうは水にさらさずそのまま使いましょう。

【材料】2人分

  • ・ごぼう 1本

  • ・鶏もも肉 1枚

  • ・玉ねぎ 1/4個

  • ・にんにく 1片

  • ・オリーブ油 大さじ1

  • ・トマト水煮缶(カットタイプ) 1缶

  • ・水 100ml

  • ・イタリアンパセリ(あれば) 適量

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  • ・顆粒コンソメ 小さじ1

  • ・塩 小さじ1/4~

  • ・こしょう 適量

  • ・砂糖 小さじ1/2

  • ・乾燥バジル 適量

【作り方】

  • 1. 皮を取り除いたごぼうは5mm幅の斜め切りにし、鶏もも肉は食べやすいように一口大にカットします。

  • 2. 玉ねぎとにんにくは、細かくみじん切りにします。

  • 3. オリーブ油を敷いた鍋を中火で熱し、2を炒めます。玉ねぎに火が通ってしんなりしてきたら、1を鍋に入れそのまま炒めます。

  • 4. 鶏肉に火が通って色が変わったら、トマト水煮缶と水を入れて<A>も加えます。鍋が煮立ったら弱火に調整し、フタをして15~20分ほど煮込みます。

  • 5. 皿に4を盛り、刻んだイタリアンパセリを散らしたら完成です。

2-2.なすとさば缶のトマト煮

次に紹介するレシピは、フライパンで手軽に作れる「なすとさば缶のトマト煮」です。熟したトマトを使うと、深い味わいになります。

【材料】2人分

  • ・なす 2本

  • ・トマト 1個

  • ・にんにく 1/2片

  • ・さばの水煮缶 1缶

  • ・オリーブ油 大さじ2

  • ・カレー粉 小さじ1/4

  • ・塩 適量

  • ・こしょう 適量

  • ・パセリ(みじん切り) 適量

【作り方】

  • 1. なすは食べやすいサイズの乱切りにして、トマトは1.5cm角に小さくカット、にんにくは細かくみじん切りにします。

  • 2. オリーブ油を敷いたフライパンを中火で熱し、なすを入れてしんなりするまで炒めます。そこに、トマト・にんにく・さばの水煮缶の中身(汁ごと)・カレー粉を加え、さらに煮込みます。

  • 3. なすがやわらかくなったら、塩・こしょうで味を調えます。皿に盛ってパセリのみじん切りを散らしたら完成です。

2-3.トマトとおくらのツナサラダ

続いて、さっぱりと食べられる「トマトとおくらのツナサラダ」です。普通のトマトではなく、4等分にカットしたミニトマトでも代用できます。

【材料】2人分

  • ・トマト 1個

  • ・おくら 1袋

  • ・ツナ缶(小) 1缶

  • ・レモン汁 小さじ2/3

  • ・しょうゆ 小さじ1

【作り方】

  • 1. トマトは2cm角にカットします。おくらは熱湯で下ゆでしてから、食べやすいサイズに切ります。

  • 2. ボウルに、1・軽く油を切ったツナ缶・レモン汁・しょうゆを入れて、あえます。

  • 3. 皿に盛り付けたら完成です。

2-4.トマトのだし漬け

最後に紹介するのは、トマトを丸ごと使ったヘルシーな「トマトのだし漬け」です。使用する調味料は白だしのみのため、ヘルシーなレシピになっています。

【材料】(トマト3個分の分量)

  • ・トマト 3個

  • ・白だし 大さじ2.5

  • ・水 180ml

  • ・かつお節パック 1パック

  • ・大葉 2枚

【作り方】

  • 1. トマトはヘタをくり抜き、ヘタとは反対側に十字の切れ込みを浅く入れます。

  • 2. 沸騰したお湯にトマトを約10~20秒入れ、皮がめくれてきたらお湯から出します。氷水で冷やし、トマトの皮をむいたら、水気を拭きます。

  • 3. 保存袋に白だし・水・皮をむいたトマトを入れて、3時間から一晩ほど漬けます。

  • 4. トマトを皿に盛り付けてだしを入れ、かつお節と千切りにした大葉を飾れば完成です。

トマトをうまく活用して健康的に過ごそう

トマトは、栄養素を豊富に含みます。例えば、リコピンやビタミンC、ビタミンE、カロテン、食物繊維、カリウム、クエン酸などが含まれています。

トマトは生でも加熱しても、おいしく食べられる人気の野菜で、今回紹介したレシピのようにさまざまな食べ方が可能です。

トマトを日々の食事に取り入れて、健康的な毎日を過ごしましょう。

監修者情報

氏名:井林雄太(いばやし・ゆうた)
総合病院勤務。大分大学医学部卒。
日本内科学会認定内科医、日本内分泌内科専門医、日本糖尿病内科専門医の資格を保有。現在は医師業務のかたわら、正しい医療情報を伝える啓発活動も市民公開講座など通して積極的に行なっている。