半身浴にはどのような効果があるのか?
効果的な入浴方法についても解説

日頃の疲れを取るには、湯船に浸かったほうが良いことはわかっていても、毎日シャワーだけで済ませてしまうという人は多いのではないでしょうか。

限られた時間のなかで、何に時間をかけるかは人それぞれです。お疲れの人は、夜の20~30分を「半身浴」にあててみてはいかがでしょうか。半身浴には、現代人のさまざまな悩みを癒す効果が期待できるのです。

今回は、半身浴の効果や効果的な入浴方法・注意点を紹介します。

1.半身浴で期待できる効果とは?

半身浴では、新陳代謝アップが期待できます。半身浴は全身浴と比較して心臓の負担が少ないので、湯船にじっくり浸かって体の芯まで温めることができるのです。新陳代謝が高まると、次のようなメリットがあります。

  • ・寝つきが良くなる

  • ・痩せやすい体になる

  • ・冷えの改善

  • ・肌の調子が良くなる

  • ・体のむくみが軽くなる

  • ・体のコリが軽くなる

  • ・内臓の動きが良くなり、腸の調子も良くなる

  • ・リラックスできる

また、湯船にためるお湯が少なくて済むので、水道光熱費の節約になり、地球環境にも優しいというメリットもあります。

2.効果的な入浴方法

ここでは、「新陳代謝アップ」と「寝つきを良くする」ために効果的な入浴方法についてご紹介します。

2-1.新陳代謝アップに効果的な入浴方法

ポイントを押さえて半身浴を行なうことで、より効率的に新陳代謝アップが期待できます。早速、効果的な入浴方法をマスターしましょう。

  • 1. 新陳代謝を上げる準備のために、入浴前に軽くストレッチをします。

  • 2. 浴槽にためるお湯の高さは、みぞおち程度にしましょう。

  • 3. 温度は少しぬるめにします。(38~40度ほど)

  • 4. 20分ほど入浴しましょう。入浴中は足を大きく動かしたり、腰をひねったり、マッサージをすると効果的です。

  • 5. 入浴後は、ローションやクリームで保湿をしましょう。

2-2.寝つきを良くするのに効果的な入浴方法

快眠効果を得たい場合は、夕方~夜に入浴するのがおすすめです。就寝前に一時的に体温を上昇させることで快眠につながります。

  • 1. 寝る2~3時間前に入浴します。午前中や早い時間の入浴では快眠効果は期待できないので注意しましょう。

  • 2. 浴槽にためるお湯の高さは、みぞおち程度にしましょう。

  • 3. 温度は少しぬるめにします。(38~39度ほど)

  • 4. 30分ほど入浴しましょう。(42度の熱めのお湯なら5分程度)

3.入浴する際の注意点

寒い季節の入浴時に注意したいのが「ヒートショック」です。それは、急激な寒暖差により血圧が急激に高くなったり、低くなったりすることで起こる健康障害をいいます。失神などにより、転んだり湯船で溺れたりする可能性があり、非常に危険です。

ヒートショックを防ぐために、以下の点に気を付けましょう。

3-1.寒暖差を作らないために脱衣所や浴室を温めておく

暖房器具を使ったり、高い位置に設置した温水シャワーで湯船にお湯をためたりすることで、浴室全体を温めることができます。

3-2.食事直後の入浴は避ける

食事直後は、血液が胃に集中しています。このタイミングは、血圧が下がりやすく心臓に負担がかかるので、夕食後1時間以上おいてから入浴しましょう。

3-3.飲酒直後の入浴は避ける

飲酒中は血圧が下がりやすいので、アルコールが十分抜けてから入浴するようにしましょう。

3-4.一人での入浴を避ける

可能であれば、家族と一緒に入浴したり日帰り温泉に行なったりするなど、一人での入浴を避けましょう。万が一、倒れてしまった際の助けになります。

3-5.血液がドロドロになるのを避ける

入浴前後は汗をかくため、コップ1杯のお水を飲んで、血液がドロドロになるのを防ぎましょう。

夜20~30分の半身浴でイキイキした毎日へ

半身浴は、ストレス社会に生きる現代人のさまざまな悩みを癒す効果が期待できます。寝つきが悪い人・ダイエットしている人・冷えが気になる人・肌の調子が悪い人・むくみやコリが気になる人・仕事モードが抜けない人におすすめです。

入浴する際は、脱衣所や浴室をあらかじめ温めておいてください。入浴前後は水分補給をするなど、安全面に配慮することも大切です。

忙しい日々でも、夜の20~30分を半身浴にあてることで、イキイキした毎日を過ごせるでしょう。

監修者情報

氏名:梅村 将成(うめむら・まさなり)
外科医として地方中核病院に勤務中。
消化器外科のみならず総合診療医として、がん治療(手術・抗がん剤・緩和治療/看取り)を中心に、幅広く内科疾患・救急疾患の診療を行なっている。
資格:医師免許・外科専門医・腹部救急認定医