1.肩こりのおもな原因
肩こりのおもな原因は、体の冷えや筋肉の収縮です。体が冷えると血行が悪くなります。すると、本来なら体のすみずみまで行き届くはずの血液が滞り、老廃物がたまってしまうのです。血液は栄養を届けるだけでなく老廃物を回収する働きもあるため、血行が悪くなると老廃物がたまって痛みを生じるようになります。
肩こりの原因として、体の冷えよりも大きな要因を占めているのが筋肉の収縮です。筋肉が収縮すると、毛細血管が筋肉によって挟まれることにより血行が悪くなります。その結果、体が冷えたときと同様に老廃物が蓄積して痛みを生じてしまうのです。その他、ストレスやなで肩も肩こりの原因として知られています。
ところで、なぜ筋肉は収縮してしまうのでしょうか。その原因として知られているのが、歩行数の減少や姿勢の悪化です。歩行数が減ると、全身の筋肉を使う機会が減るため収縮しやすくなります。
姿勢の悪化は筋肉に負荷をかけてこり固まらせる原因です。近頃ではデスクワークをする方が増えたため、肩こりに悩まされている方が増加してきている傾向にあります。
2.日常生活でできる肩こりの解消法
肩こりは日常生活でも緩和することが可能です。特別な道具は必要ありません。具体的には体を温めたりマッサージを行ったりすると肩こりを解消できます。簡単にできるものばかりなので、肩こりが気になる方は試してみてください。
2-1.体を温める
体を温めると血行が良くなるため、肩こりを解消できます。体を温める簡単な方法は、お風呂に入ることです。効果的に体を温めるためには、熱いお湯に短時間入るよりもぬるめのお湯に長く入るほうが良いといわれています。
39~40度くらいのお風呂に10~15分ほどつかりましょう。ぬるめのお湯に長くつかることで、体を芯から温める効果があります。
2-2.マッサージ
血流を良くするには、マッサージも有効です。肩の周辺にはさまざまな筋肉が集まっています。なかでも肩こりと大きな関係があるのが僧帽筋です。僧帽筋は首の後ろから背中にかけて広がっているため、特に僧帽筋を意識したマッサージは肩こりの解消に効果的です。
3.自宅でできる肩こり解消ストレッチ(体操)
ストレッチは、肩こりを解消する有効な方法です。首の運動はデスクでパソコンに向かいながらでもできるので、こりが気になるときはぜひ試してみてください。
肩甲骨をほぐすことも、肩こり解消の効果があります。まず、腕を肩幅より少し広い程度に広げ、両手を上げた状態でタオルを握りましょう。そのまま腕をゆっくりと肩の後ろまで下げていきます。腕を上げたり下げたりする動作を10回ほど繰り返してください。
タオルを使ってねじり運動をするのも効果的です。腕を前のほうに伸ばした状態でタオルを握ります。そのまま体を左にゆっくりと回してください。肩甲骨の筋肉が伸びたことを確認したら、次は右に回していきます。一日に何度も行う必要はありませんが、肩こりが気になるときは一日に1回を目安に運動をしてみましょう。
肩こり対策にはストレッチ(体操)が効果的
肩こりは、体の冷えや筋肉の収縮が原因です。冷えたり筋肉が収縮したりすると血流が悪くなり、老廃物がたまるとこりを生じます。自宅で肩こりを解消するためには、体を温めたりマッサージやストレッチを行ったりすることが有効です。ぬるめのお湯に長くつかると体が温まった状態が長く続きます。
入浴するときは熱いお湯ではなくぬるめのお湯にしましょう。短い時間つかるよりも、10~15分ほどかけてつかると、より体が温まった状態が長く続きます。また、ラジオ体操やウォーキングなど、簡単にできる運動も肩こりの解消に効果があります。
監修者情報
氏名:井林雄太(いばやし・ゆうた)
総合病院勤務。大分大学医学部卒。
日本内科学会認定内科医、日本内分泌内科専門医、日本糖尿病内科専門医の資格を保有。現在は医師業務のかたわら、正しい医療情報を伝える啓発活動も市民公開講座など通して積極的に行なっている。