健康に良い食事とは?健康的な食事の目安量と食べ方のポイントを紹介

なるべく健康に良い食事をとりたいというのは、多くの人が思うことでしょう。毎日とっている食事は体をつくるうえで欠かせないものです。

それでは、私たちの体に良い食事とはどのようなものでしょうか。この記事では、健康に良い食事について、具体的な例も交えて解説します。

1.健康に良い食事とは

「これをとると健康に良い」と聞くと、同じ食品ばかりをとってしまう人もいるかもしれませんが、それは健康的な食事とはいえません。

なぜなら、食品からとれる栄養素はそれぞれの働きが関わり合うことで体を健康に維持することができるからです。

必要な栄養素をバランス良くとるには、主食・主菜・副菜をそろえることが大事です。そこで、主食・主菜・副菜の役割や、それぞれに多く含まれる栄養素を解説します。

1-1.主食

ごはん・麺類・パンなどを主食といいます。栄養素には、エネルギーのもととなる炭水化物を多く含みます。

1-2.主菜

肉・魚・卵・大豆製品などを使ったメインの料理です。たんぱく質や脂質など、体をつくる大切な栄養素を含みます。

1-3.副菜

野菜などを多く使っている料理です。ビタミン・ミネラル・食物繊維を多く含みます。

2.バランスの取れた健康に良い食事の目安量

ここでは、食事の対象者に合わせて、健康に良い食事の一食分の目安量を解説します。

2-1.一般女性・中高年男性向け:一食分の食事内容の目安

一般女性や中高生男性の食事では、以下の内容を一食でとれるとよいでしょう。

  • 主食の目安

    穀類由来の炭水化物は、40~70gが適量とされています。ごはんなら約100~190g、食パンなら約90~150gに相当します。

  • 主菜の目安

    魚介類、肉類、卵類、大豆・大豆製品由来のたんぱく質は、10~17gが適量とされています。食材でいうと、焼きざけ40~60g、皮つき鶏もも肉40~65g、豆腐200~330gくらいに相当します。

  • 副菜の目安

    緑黄色野菜を含む2種類以上の野菜は、120~200gが適量とされています。

  • 牛乳・乳製品の目安

    牛乳を含む乳製品は、100~200gまたはmL(150kcal未満)が適量とされています。

  • 果物

    100~200g(100kcal未満)が適量とされています。この目安は、丸ごと提供される場合の1回の提供量です。

  • エネルギー

    料理全体では、主食+主菜+副菜で650kcal未満が適量とされています。なお、これには牛乳・乳製品、果物は含まれません。

    単品の場合は、主食で300kcal未満、主菜で250kcal未満、副菜で150kcal未満が目安です。

  • 食塩

    主食・主菜・副菜を合わせて、計3g未満が目安です。

    また、料理全体を通して不足しやすい食物繊維などを補給したり、栄養バランスを整えたりする目的のため、精製度が低い穀類や野菜類などさまざまな食材を使うことが望ましいとされています。

2-2.一般男性・身体活動量の高い女性向け:一食分の食事内容の目安

一般男性や身体活動量の高い女性の場合は、以下の内容を一食でとれるとよいでしょう。

  • 主食の目安

    穀類由来の炭水化物は、70~95gが適量とされています。ごはんなら約190約250g、食パンなら約150~200gに相当します。

  • 主菜の目安

    魚介類、肉類、卵類、大豆・大豆製品由来のたんぱく質は、17~28gが適量とされています。食材でいうと、焼きざけ60~100g、皮つき鶏もも肉65~105g、豆腐330~500gくらいに相当します。

  • 副菜の目安

    緑黄色野菜を含む2種類以上の野菜は、120~200gが目安です。

  • 牛乳・乳製品の目安

    牛乳を含む乳製品は、100~200gまたはmL(150kcal未満)が適量とされています。

  • 果物

    100~200g(100kcal未満)が適量とされています。この目安は、丸ごと提供される場合の1回の提供量です。

  • エネルギー

    料理全体で見ると、主食+主菜+副菜で650~850kcalが適量とされています。なお、ここには牛乳・乳製品、果物は含まれません。

    単品の場合は、主食で400kcal未満、主菜で300kcal未満、副菜で150kcal未満が目安です。

  • 食塩

    主食+主菜+副菜を合わせて、計3.5g未満が目安です。

3.食事をとる際のポイント

ここからは、食事をとるときに気を付けたいポイントをお伝えします。

3-1.食事の時間

食事は、一日3食を規則正しく食べることが大切です。間食をとる習慣がある人もいるかもしれませんが、なるべくお菓子類は控えて、ビタミン・ミネラル・食物繊維をとれる果物や、カルシウムをとれる牛乳にするのがおすすめです。

また、夜遅い時間の食事や、就寝する3時間前を超えたあとの食事は控えるようにしましょう。

3-2.塩分をとりすぎない工夫

調理の際には、食材そのものの持ち味を活かしましょう。1品は味を濃い目にして、他の料理は薄味にしたり、酸味を使って味に変化をつけたりすると、塩分を減らしやすくなります。

また、食塩が多い漬物などを減らすことも意識してみるとよいでしょう。刺身につけるしょうゆや揚げ物のソースなどは、食品にかけるのではなく、つけて食べるほうが塩分は少なくなります。

3-3.外食をするときのポイント

外食では、好きな食べ物を楽しみたいという人も多いでしょう。しかし、外食は糖質や脂質が多くなり、ビタミン・ミネラル・食物繊維などは少なくなりやすいため、外食が多い人は工夫が必要です。

この場合は、定食スタイルのメニューを選ぶとバランスが良くなります。また、麺類とごはんのセットや揚げ物ばかりなど、一食にエネルギーが集中するような食べ方は控えましょう。

偏らず、バランス良く健康な食事をとりましょう

健康な体を維持するためには、栄養バランスの取れた食事が大切です。そのため、栄養の偏った食事をとるのではなく、いろいろな食品からまんべんなく栄養をとりましょう。

食事は生きていくうえで欠かせないものです。しっかり食べて毎日を元気に過ごしましょう。

監修者情報

氏名:梅村 将成(うめむら・まさなり)
外科医として地方中核病院に勤務中。
消化器外科のみならず総合診療医として、がん治療(手術・抗がん剤・緩和治療/看取り)を中心に、幅広く内科疾患・救急疾患の診療を行なっている。
資格:医師免許・外科専門医・腹部救急認定医