血液をサラサラにする方法とは?
ドロドロになる原因やおすすめの食べ物についても解説

テレビや雑誌を見ていると「血液がドロドロになる」という言葉を目にすることはありませんか。血液の状態は目に見えないため、自分の血液の状態を気にせずに過ごしている人も多いでしょう。

しかし、ドロドロ血液を放置するのは体にとって良くありません。悪玉コレステロールとの関連も指摘されるため、日々の生活のなかで血液をサラサラに保つ心がけが大切です。

この記事では、血液がドロドロになる原因や対策についてお伝えします。

1.血液の役割

血液は、私たちの生命を維持するために、常に全身に酸素や栄養を運んでくれています。さらに、さまざまなホルモンを必要な場所へ送ったり、血管の傷を修復したりするなど、ほかにも重要な役割を果たしています。

血液や血管の状態は生活習慣などによって影響を受けるものです。食生活に気を配るだけでも、その影響はより良いほうに向かっていくでしょう。

2.血液がドロドロになる原因

「血液ドロドロ」と聞くと、何となく怖い印象を持つ人が多いと思いますが、実際のところ血液ドロドロとは具体的にどのような状態なのでしょうか。

一般的には、血液中の糖質や脂質(中性脂肪やコレステロール)が増えている状態を「血液がドロドロである」といい、このような血液の状態が続くと、悪玉コレステロールが増えやすくなります。

このような事態になるのは、コレステロールの多い食事が原因なのではと考える人も多いかもしれませんが、実はそうとも限りません。コレステロールが多い食事を摂ったとしても、必ず血中コレステロールが高くなるわけではないからです。

食事のうえで気を付けたいのは、コレステロールよりも糖質の量だとされています。食事で糖質を摂りすぎると、余剰分は中性脂肪に変わり、コレステロール値を高くすることにもつながるため、糖質の量には注意が必要なのです。

3.血液サラサラのために摂りたい食べ物

ここからは、血液がドロドロになることを防ぎ、サラサラな状態を保つためにおすすめしたい食べ物や、具体的なメニュー例を紹介します。

3-1.魚や植物の油

青魚に多く含まれるとされるDHAとEPAは、血液をサラサラに導く不飽和脂肪酸の一種です。

  • 食品例

    DHAやEPAを多く含む食品には、イワシ・マグロ・アジ・ブリなどがあります。

    また、魚の油に近いものとしてエゴマ油やアマニ油、くるみなどが注目されています。これらは、ビタミンCやビタミンEと相性が良いため、一緒に摂るとよいでしょう。

  • メニュー例

    魚の油は熱に弱いため、お刺身など、なるべく火を通さずに食べることがおすすめです。魚をカルパッチョにしたり、サラダのドレッシングをアマニ油でつくり、レモンをプラスしたりするとよいでしょう。

3-2.ポリフェノール

硬くなりすぎず、しなやかな血管を維持するためには抗酸化成分のある食材を摂ることが大切です。ポリフェノールを含む食品には、抗酸化成分が豊富に含まれています。

  • 食品例

    赤ワイン、オリーブオイル、たまねぎ、ブルーベリー、大豆、ごま、緑茶などが該当します。

  • メニュー例

    ポリフェノールを多く含むたまねぎをたくさん使ったボルシチ風スープがおすすめです。オリーブオイルを使用したり、お好みで豆類なども摂り入れたりすると、より一層ポリフェノールを摂取しやすくなります。

3-3.カロテノイド

ポリフェノール同様、カロテノイドを含む食品にも抗酸化成分が豊富です。

  • 食品例

    かにやえびなどの甲殻類、トマトやかぼちゃなどの緑黄色野菜、わかめやひじきなどの海藻類、柑橘類など幅広い食品が該当します。

  • メニュー例

    ゆで卵の黄身を味噌・料理酒を混ぜ合わせたソースに漬け込んだ「味噌漬けディップ」を、茹でたえびや、色とりどりの緑黄色野菜に付けて食べるのはいかがでしょうか。

血液の健康のためにも食生活を見直そう

血液は、私たちの生命を維持するために、常に全身に酸素や栄養を運んでくれています。その運搬をスムーズにするためには、血液がサラサラであることが大切です。しかし、生活習慣の影響などから、血液がドロドロになってしまうケースも往々にしてあります。血液がドロドロになると、悪玉コレステロールが増えやすくなります。

血液をサラサラに保つためには、糖質は適度な量に抑え、DHAやEPAを多く含む魚や、抗酸化作用のある緑黄色野菜、海藻類、柑橘類などを中心とした食生活にシフトすることが望まれます。

普段の食生活を今一度見直し、血液の健康にも気を配ってみましょう。

監修者情報

氏名:井林雄太(いばやし・ゆうた)
総合病院勤務。大分大学医学部卒。
日本内科学会認定内科医、日本内分泌内科専門医、日本糖尿病内科専門医の資格を保有。現在は医師業務のかたわら、正しい医療情報を伝える啓発活動も市民公開講座など通して積極的に行なっている。