目次
1.疲れが溜まると健康状態が悪くなる
忙しい毎日を過ごしていると、「なんだか疲れたな」と感じるときもあるでしょう。十分なケアをしないまま疲れが溜まってしまうと、心身の健康状態が悪化してしまうことも考えられます。
疲れが溜まっている目安となる自覚症状には、イライラや不安感、集中力の低下、無気力などが挙げられます。思い当たる症状がある方は、疲れの原因を見つけて負担を減らしたり、休養や睡眠を十分に取ったりするなどのケアを心がけましょう。
休んでもなかなか取れない疲れに困っている方も多いでしょう。疲れにはいくつもの種類があるため、それぞれの原因を理解したうえで対処することが大切です。
今回は、疲れが取れない原因や疲労回復のポイントについて解説します。
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忙しい毎日を過ごしていると、「なんだか疲れたな」と感じるときもあるでしょう。十分なケアをしないまま疲れが溜まってしまうと、心身の健康状態が悪化してしまうことも考えられます。
疲れが溜まっている目安となる自覚症状には、イライラや不安感、集中力の低下、無気力などが挙げられます。思い当たる症状がある方は、疲れの原因を見つけて負担を減らしたり、休養や睡眠を十分に取ったりするなどのケアを心がけましょう。
一口に疲れといっても、肉体的なものや精神的なものなど、いくつか種類があります。疲れの種類と原因を知ることで、疲れが溜まる前に早めに休むといった対策をとることができるでしょう。
団塊世代の大量退職、少子高齢化、経済状況の悪化、人員削減による負担の増大、成果主義の導入、国際競争の激化など、労働者を取り巻く環境は大きく変化し続けています。厚生労働省の調査によると、労働者の約6割が仕事や職業生活に何らかのストレスを感じているのが現状です。
ストレスによる疲れが溜まると、まず気力の低下が見られます。その状態が慢性化してしまうと、不安感やイライラが現れ、最終的には気分が落ち込んだり、何をするのも億劫になったりするなど「メンタルヘルス不調」につながりかねません。
仕事や職業生活で感じるストレスの要因は、人によってさまざまです。自分だけでは対応しきれないと感じたときは、周りの人に相談しましょう。なお、企業によっては、産業医も含めた専門家に相談できる社内相談窓口を設置しているところもあります。
たとえ人間関係や業務内容にストレスを感じていなくても、時間外労働や休日労働などの長時間労働は疲れを蓄積させる要因の一つです。長時間労働による疲れの蓄積は健康障害につながるだけでなく、疲れによって集中力が低下することで業務中の怪我や事故を誘発する危険性もあります。
もし、時間外および休日労働時間が1カ月で45時間を超えるようであれば、労働時間の短縮を検討してみましょう。個人での調整が難しい場合は、上司や産業医などに相談するのも有効です。
長期間疲れが取れず、日常生活にも影響が出ている場合は、「慢性疲労症候群」という病気を発症している可能性があります。
慢性疲労症候群とは、生活に支障をきたすほどの倦怠感や微熱などが少なくとも6カ月以上続く病気です。さまざまな症状が現れることが特徴で、例えば以下のようなものが挙げられます。
• 感染症様症状……リンパ節腫大、咽頭痛など
• 膠原病様症状……筋肉痛、関節痛、頭痛、脱力感など
• 精神・神経疾患様症状……抑うつ、思考力低下、不安、睡眠障害など
症状に心当たりがある方は、早めに医療機関を受診しましょう。
ここでは、疲れがなかなか取れないときに、効率的に疲労を回復するためのポイントを3つ紹介します。
睡眠は、体や脳の疲労を回復するうえで重要な要素です。十分な睡眠時間の確保はもちろん、睡眠の質にも気を配ることで疲労を回復しやすくなるでしょう。
睡眠の質を高めるためのポイントは、以下のとおりです。
• お酒は節度ある適度な量にする
• 寝る前の節度ある量を超える飲酒や夕方以降のカフェイン摂取を避ける
• 日中に適度な運動をする
• 寝室の照明は月明かり程度とされる3ルクス以下を目安にする
食生活の面からも疲労回復へのアプローチが可能です。例えば、以下の栄養素は疲れの予防や回復に効果があるといわれています。
• ビタミンB1(かつお、うなぎなど)
• クエン酸(グレープフルーツ、食酢など)
• イミダゾールジペプチド(鶏胸肉、まぐろなど)
ただし、疲労回復のためには、特定の栄養素だけ摂っていれば良いわけではありません。栄養素は単独ではなく、互いに助け合ったり、影響し合ったりすることで、より効果を発揮します。
さまざまな栄養素を組み合わせたバランスの良い食事を基本としたうえで、疲労回復に良いとされる栄養素もしっかりと摂るようにしましょう。
疲れているときの休日は、なかなか起きられず布団のなかでゴロゴロし続けたり、ソファーに横たわってスマートフォンを見続けたりすることもあるでしょう。しかし、「アクティブレスト(積極的休養)」では、このような静かな休日の過ごし方は疲労回復に効果的でないとされています。
アクティブレストは、疲れているときこそウォーキングやストレッチなどの軽い運動を行なうことで体の調子を整え、疲労回復を促すという考え方です。プロのアスリートも実践しており、軽い運動によって体内の血流が改善され、疲労物質が体外へ排出されることで疲労回復の効果が高まるとされています。
体操やストレッチなど、自宅でできる軽い運動で良いので、日常生活にも取り入れやすいでしょう。
疲れを感じたまま無理を重ねると、気が付かないうちに疲れが蓄積し、健康障害につながってしまうこともあります。
疲れは溜め込まず、早めに対処することが大切です。睡眠の質や食事内容を見直したり、アクティブレストを日常生活に取り入れたりして、効率的に疲労を回復しながら元気な毎日を過ごしましょう。
氏名:井林雄太(いばやし・ゆうた)
総合病院勤務。大分大学医学部卒。
日本内科学会認定内科医、日本内分泌内科専門医、日本糖尿病内科専門医の資格を保有。現在は医師業務のかたわら、正しい医療情報を伝える啓発活動も市民公開講座など通して積極的に行なっている。
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