健康な体づくりに必要な4つのポイントを徹底解説!

忙しくて食生活が偏ったり、ゆっくり眠れない日が続いたりすると、体の不調を感じることはありませんか。整った生活習慣は、健康な体づくりに欠かせません。

生活習慣病を予防し、健やかな毎日を送るためには、運動・心の健康・食生活・睡眠に気を配りましょう。

今回の記事では、健康な体づくりに役立つ生活習慣のポイントを紹介します。

1.健康な体づくりには身体活動&運動習慣が大切

2013年に、より健康的な体づくりを達成するためのツールとして、厚生労働省が発表したのが「健康づくりのための身体活動基準2013」です。

このガイドラインでは運動の強さを「メッツ」という単位で表し、年齢別の活動量、運動量の基準値を記載しています。なお、座っている状態などの安静時を1メッツとし、安静時と比較して身体活動が何倍のエネルギー消費量になるかを示した数値になります。

身体活動 運動
18~64歳 3メッツ以上の身体活動を週に23メッツ以上行なう。

(例)歩行程度の身体活動を毎日60分以上行なう。
3メッツ以上の運動を週に4メッツ以上行なう。

(例)息が弾んで汗ばむ程度の運動を毎週60分以上行なう。
65歳以上 強度に関わらず、身体活動を週に10メッツ以上行なう。

(例)どのような動きでも良いので、体を毎日40分以上動かす。

健康寿命を延ばすためには、毎日10分多く体を動かす意識が大切です。大きな歩幅で速く歩く、自転車で移動するなど、体を動かすチャンスは生活のなかに多くあります。プラス10分の運動で、健康な体づくりにつなげましょう。

また、筋肉を伸ばすストレッチは怪我や肩こり、腰痛などの予防につながります。例えば、次のようなストレッチを生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。

  • 全身のストレッチ

    1.足を肩幅ほどに開きます。

    2.つま先立ちしつつ、両手の指を組んだまま腕を上にまっすぐ伸ばす動作を数回繰り返します。

  • 腰のストレッチ

    1.仰向けに寝転び膝を曲げます。

    2.両膝を抱え、胸に引き寄せる動作を数回繰り返します。

  • 足のストレッチ

    1.足を前後に大きく開きます。

    2.後ろ足のかかとが浮かないように注意しつつ、前に出した足の膝を曲げましょう。

    3.片側だけではなく、両方の筋肉を交互に3~4回伸ばすようにストレッチします。

定期的な運動で、適正体重をキープすることも大切です。適正体重は次の式で計算できます。

適正体重=身長(m)×身長(m)×22

適正体重を大幅に超えると、生活習慣病につながりかねません。一方でやせすぎも体には良くないため、自分の身長に合った体重を知り、維持して健康づくりにつなげましょう。

2.心の健康にも気を配る

心の健康も健康な体づくりに関係しています。

私たちは毎日多くのストレスにさらされていますが、さまざまな工夫によりストレスに対処しています。しかし、ストレスが大きすぎたり、長く続いたりすると上手に対処できず、ホルモンバランスも乱れ、体の不調や病気につながる事態になりかねません。

気分の落ち込みやイライラ感、疲れやすい、思考力の低下、消えてなくなりたいと思うなどの症状が2週間以上続く場合は、心の病気のおそれがあるため、専門医を受診しましょう。

3.健康的な食生活を心がける

毎日の食事から得られる栄養素には、健康な体をつくるために大切な役割があります。偏った食生活は、栄養素が十分に働くことができず、生活習慣病を引き起こしかねません。健康をキープするためには、適切な量のバランスの良い食事を適切な時間にとることが大切です。

献立を立てるときは、エネルギーになるもの、体をつくるもの、体の調子を整えるものを、毎回の食事に組み込みましょう。米、肉、魚、野菜、果物、豆類、乳製品など、さまざまな食材を組み合わせるとバランスの良い食事内容になります。

また、加工品や赤み肉(牛や豚など)はとり過ぎに気を付け、野菜や海藻などの副菜と合わせましょう。外食する際は、主食・主菜・副菜がそろった定食形式のもの選ぶと、栄養バランスが整いやすくなります。

4.質の良い睡眠をとる

睡眠は体の疲労回復だけでなく、精神的なストレス解消、生活習慣病予防にも効果的です。

働く世代の日本人は、睡眠時間が世界一短いことをご存知でしょうか。慢性的な睡眠不足は、昼間の眠気や集中力低下だけでなく、ホルモン分泌や自律神経のバランスを崩しかねません。例えば、寝不足になると、食欲に関するホルモンの影響で食欲が増えることがあります。

さらに、長期的な睡眠不足の人は、生活習慣病になりやすいとされているため、生活習慣病予防のためにも、質の良い睡眠を取りましょう。

良い眠りのためには、運動習慣や健康的な食生活だけでなく、入浴習慣の見直しが大切です。就寝の2~3時間前に、ぬるめのお湯に30分ほど、もしくは熱めのお湯に5分ほど入り快眠につなげましょう。

光には、体内時計の周期を調節する効果があり、朝起きてすぐに自然の光を浴びると体内時計を24時間に整えられます。一方で、夜間に浴びる光は、体内時計を狂わせる原因になるため注意しましょう。

忙しい毎日のなかで、睡眠時間の確保は後回しになりがちですが、慢性的な睡眠不足は健康を損なう原因となります。眠れないなどの不調を感じる場合は、早めに専門家に相談しましょう。

生活を整えて健康な体づくりにつなげよう

健康な体は、毎日の習慣の積み重ねでできています。また、運動・食事・睡眠を整えるだけでなく、ストレスを取り除いて心の健康を保つことも大切です。

生活習慣のポイントを押さえて、元気な体づくりに役立てましょう。

監修者情報

氏名:井林雄太(いばやし・ゆうた)
総合病院勤務。大分大学医学部卒。
日本内科学会認定内科医、日本内分泌内科専門医、日本糖尿病内科専門医の資格を保有。現在は医師業務のかたわら、正しい医療情報を伝える啓発活動も市民公開講座など通して積極的に行なっている。