1.男性の活力をアップさせる方法
男性の活力には、筋肉と男性ホルモンが重要です。
筋肉量の低下は、立ったり歩いたり姿勢を保つなどの行動に影響をきたすケースがあることから、日々の活動が億劫になり、活力を維持しづらくなってしまうのです。
また、男性ホルモンは生殖機能や筋肉、骨格の形成などに関与しています。男性ホルモンが減少すると、QOL(生活の質)が損なわれたり、活力の低下につながったりと、健康維持にも影響をきたす場合があります。
一般的に男性ホルモンは20代をピークに、30代以降は少しずつ減少していきますが、減少値には個人差があるものです。その個人差を左右するポイントの一つが、生活習慣です。生活習慣を見直し、改善することで、男性ホルモンの低下を遅らせることができると考えられています。また、生活習慣の改善は、筋肉量を減少させないためにも効果的です。
生活習慣の改善は下記の点を心がけるようにしましょう。
-
・バランスの良い食事
-
・塩分を摂りすぎない
-
・十分な睡眠をとる
-
・適度に運動する
2.男性の活力が低下してしまうおもな原因と症状
男性の活力が低下してしまう原因の一つは、男性ホルモンの低下です。そしてその男性ホルモンの低下は、女性と同様に更年期障害をもたらす場合があります。
ただし、女性よりも男性のほうがホルモンの低下が緩やかであることから、症状が現れてもそれを更年期障害だと気付かないこともあるようです。
2-1.男性の更年期障害で見られるおもな症状
男性の更年期障害で見られる症状は、精神的・身体・性機能の3つに分けられます。
精神的症状はイライラをはじめ、下記のような症状が見られることが多いです。
身体症状としては、下記のようにさまざまな症状が見られます。
-
・体調不良
-
・背部痛
-
・関節痛
-
・筋力低下
-
・ほてり
-
・不眠
性機能では、下記の症状が出ることが多いでしょう。なお、男性の更年期障害の場合、性機能に関する症状が圧倒的に多い傾向にあります。
-
・性欲低下
-
・勃起障害
-
・射精障害
-
・オーガズム障害
性欲の低下は、うつ病や高プロラクチン血症などの病気、精神疾患によって起こる場合もあるでしょう。
男性更年期障害はその他にも、検査をすると体脂肪率の増加や、骨密度の減少の症状も見られることがあります。
3.精力減退に注意
男性ホルモンの減少は、更年期症状以外にもさまざまな症状をきたします。
-
・筋肉量の減少
-
・骨密度の低下
-
・認知力の低下
-
・造血能の低下
-
・脂肪量の増加
筋肉量の減少は、20代後半から30代にかけて徐々に進行するとされています。男性ホルモンの減少のほか、年齢を重ねていくと不活動によっても起こりうるケースが多く、つまずきや転倒しやすくなるなどの症状が現れるでしょう。
何も対処することなく高齢期を迎えると歩くことも億劫に感じてしまい、活動の幅が狭まることから、活力とはかけ離れた生活を送ることになりかねません。これらを回避するには、日常的に適度な運動を行なうことが大切です。
また、骨密度が下がることで骨粗鬆症や骨折につながりやすかったりします。
なお、このような不調は男性ホルモンの減少だけではなく、社会的なストレスや生活環境が原因となることがあるので、日頃からストレスをためないようにすることが大切です。
活力維持のために生活習慣を改善しましょう
男性の活力は男性ホルモンや筋肉が大きく関わっていることを紹介しました。
男性ホルモンの減少により、男性にも女性同様更年期障害が現れることがあります。症状としては女性と共通するものも多いですが、男性では特に性機能についての症状が見られるのが特徴です。
男性ホルモンの減少は、生活習慣に気を付けることで遠ざけることができます。普段から塩分を控えた食事にしたり、適度な運動をしたりするなど生活習慣を整えていきましょう。
その他にも、お風呂に浸かって疲れをとったり、早めに就寝したりするなど、リフレッシュすることも有効です。ぜひ取り組みやすそうなものからチャレンジしてみてください。
監修者情報
氏名:梅村 将成(うめむら・まさなり)
外科医として地方中核病院に勤務中。
消化器外科のみならず総合診療医として、がん治療(手術・抗がん剤・緩和治療/看取り)を中心に、幅広く内科疾患・救急疾患の診療を行なっている。
資格:医師免許・外科専門医・腹部救急認定医