【40代】血圧が高い原因とは?対処法と併せて解説

高血圧の定義については、意外と知らない方もいるでしょう。生活習慣病のおもなリスクとして知られる高血圧ですが、血圧の数値との関係性はどのようなものなのでしょうか。

そこで今回は、高血圧の定義や原因、予防法について詳しく解説します。

1.高血圧の定義

高血圧の定義は、診察室で測定した際に最大血圧(収縮期血圧)が140mmHg以上、または最小血圧(拡張期血圧)が90mmHg以上認められることを指します。

ただし、自宅で血圧を測定する場合は、診察室で測定するよりも5mmHg低い値が基準です。つまり、最大血圧が135mmHg以上、または最小血圧が85mmHg以上となります。

高血圧と喫煙は、生活習慣病で死亡する際の大きな原因です。高血圧を予防できるのであれば、多くの人が亡くならずに済む可能性が高いとされています。

これまでの数十年間で高血圧の方は大きく減ったものの、高血圧で悩む方はまだ多く存在するのが現実です。

2.40代で血圧が高い場合に考えられる原因

高血圧になる原因には、どのようなものが考えられるのでしょうか。
ここでは、高血圧のおもな原因について詳しく解説します。

2-1.本態性高血圧

血圧が高い場合、二次性高血圧と本態性高血圧の2種類があり、原因もさまざまです。

二次性高血圧は、甲状腺や副腎などの疾患が原因であることが多いでしょう。また睡眠時無呼吸症候群が原因になるケースもあります。

しかし本態性高血圧は、運動不足・ストレス・食塩の過剰摂取・節度を超えた飲酒・肥満・遺伝的体質などが関連して起こるとされています。日本人の場合、特に塩分の摂り過ぎが重要な問題です。

日本人の高血圧は、ほとんどがこの本態性高血圧といわれています。

さらに加齢によって、血管が硬くなると血圧が高くなりがちです。

高血圧の半数以上の方は、肥満をともないません。しかし若年~中年層の男性では、肥満をともなう高血圧が多く、特に内臓肥満であるケースが増加中です。

肥満をともなう高血圧の場合、最初に最小血圧が高くなってから、徐々に最大血圧も上昇するケースが多いとされています。このような高血圧は、血糖や尿酸などに影響が出やすく、メタボリックシンドロームが進む原因にもなるでしょう。

2-2.ホルモンの変化による影響

特に女性の場合、エストロゲンなどホルモンの減少が影響して高血圧になりがちです。

閉経期の40~50代は、更年期障害の症状として血圧が上下しやすい傾向にあります。

3.血圧が高い場合の対処法

高血圧の原因を踏まえたうえで、ここでは血圧が高い場合の対処法について解説します。

3-1.減塩する

日本人が高血圧になるおもな原因は、塩分の過剰摂取です。そのため、塩分の摂取量を抑えることが、高血圧の予防につながります。

食塩の一日の摂取目標は、成人男性の場合は7.5g未満、成人女性では6.5g未満です。すでに高血圧の方は、一日6g未満が目安となります。

日本人の食生活は、意外と塩分が多いため、意識して塩分の摂取量を減らすことが大切です。

例えば、料理を薄味にしたりしょうゆやソースの量を減らしたりするとよいでしょう。さらに、日常的に漬物を食べたり味噌汁を飲んだりする方は、摂取量を減らすことをおすすめします。

3-2.減量する

肥満をともなう高血圧の方は、約5%体重を落とすことで血圧の降下が期待できます。そのため、まずは自分の体重を測り、1カ月に1~2kg程度のペースで減量してみましょう。

3-3.適度に運動する

運動不足は、高血圧になる原因です。そのため、適度な運動を習慣にすることをおすすめします。激しい運動ではなくても、歩くだけでも高血圧予防の効果が期待できるでしょう。

3-4.禁煙する

喫煙は、血圧を上下させる原因とされています。例えば、煙草を1本吸うだけでも血圧が高い状態が一定期間続くでしょう。

3-5.その他注意すべきこと

他にも注意すべき点として、次のようなものがあります。

  • ・睡眠不足

  • ・働き過ぎ

  • ・過剰量の飲酒

  • ・気温の変化

  • ・ストレス

このようなことにも注意しながら、高血圧を予防しましょう。

血圧測定を習慣にしよう

高血圧になっても、自覚症状はほとんどありません。しかし、食塩の多い食事、気温の変化、喫煙、ストレス、睡眠不足など日常的な生活習慣や健康トラブルが高血圧をもたらします。

そのため、生活習慣の見直しで予防をしたり定期的に健診を受けたりすることが大切です。また、血圧を自分で測る習慣をつけて、日常的に血圧を把握することをおすすめします。

血圧とうまく付き合いながら、健康的な毎日を過ごしましょう。

監修者情報

氏名:井林雄太(いばやし・ゆうた)
総合病院勤務。大分大学医学部卒。
日本内科学会認定内科医、日本内分泌内科専門医、日本糖尿病内科専門医の資格を保有。現在は医師業務のかたわら、正しい医療情報を伝える啓発活動も市民公開講座など通して積極的に行なっている。