1.疲れやすい原因とは?
環境の変化や自分の体の変化など、疲れやすい原因はさまざまです。ここでは、疲れやすくなるおもな原因3つについて解説します。
1-1.栄養の偏り
疲れやすくなる原因には、栄養の偏りが考えられます。
体調不良や不健康なダイエットによって食生活が偏ると、鉄欠乏やそれにともなう貧血に陥りやすい傾向にあります。実際に鉄欠乏による貧血になると、疲れやすさやだるさを感じやすくなるでしょう。健康的に過ごすためには、バランスの良い生活習慣に気を配り、自分の適正体重を知り、痩せすぎ・太りすぎにならないことが大切です。
1-2.精神的ストレス
精神的ストレスが原因で心と体の両方が疲れてしまうこともあります。
例えば、冬から春に季節が変わる時期は、気温の高低差や新しい環境への順応などでストレスを抱えがちです。急激な変化によって強いストレスに長期間晒されると、心身の健康に悪い影響をおよぼす可能性があります。
すぐ疲れてしまうと感じるほかに、気持ちが張り詰めていたり不安感を強く感じたりする場合は、精神的ストレスを抱えているかもしれません。
1-3.更年期障害
病気にかかっているわけではないのに疲れやだるさを感じる場合は、更年期障害の可能性も考えられるでしょう。
更年期障害は、性ホルモンの分泌量が低下することで自律神経のバランスが乱れ、心身ともに不調を起こします。特に、疲れやすさやだるさは、日本人の更年期障害に多い症状です。
更年期障害の症状は、男女ともに40歳頃から現われます。
女性の場合は、閉経期前後の約10年間に性ホルモンの分泌が急激に低下するため、その時期に心身の不調を感じることが多いでしょう。
男性の場合は、女性よりもゆっくりとしたスピードで性ホルモンが減少します。そのため、更年期障害の症状が現われても老化現象と間違われ、気付かないケースも多いでしょう。
2.疲れやすさを改善する方法
疲れやすさを改善するためには、バランスの良い食事・ストレッチ・休息が重要です。
ここでは、それぞれのポイントについて解説します。
2-1.バランスの取れた食事を摂る
疲れやすいと感じる方は、バランスの取れた食事を意識することが大切です。ビタミンやミネラルが不足しないように、野菜や果物を積極的に食べましょう。
さらに鉄が不足しがちな女性は、鉄分を多く含む食品を食べることをおすすめします。赤身の肉や魚、ほうれん草などの緑黄色野菜をしっかり食べるとよいでしょう。月経がある20~40歳代の女性であれば、鉄の一日の摂取量は10.5mgが目安です。
また、疲労や精神的な緊張に効果的な食品を摂取するのも良い方法になります。例えば、疲労が気になる方は山芋、精神的な緊張を緩和するためには春菊などがおすすめです。
その季節ごとに旬とされる食材を食事に取り入れることで、季節を楽しみながら疲労回復などを図れるでしょう。
2-2.ストレッチをする
ストレッチで体をほぐし、副交感神経を活発にすることで、ストレス解消が期待できます。
副交感神経とは、体がリラックスすると活発になる神経です。体が温まっているお風呂上りにストレッチを行なうと、血行が良くなるため、心身ともにほぐれるでしょう。
ストレッチをするときは、ゆっくり呼吸することがポイントです。深呼吸をすると心と体の緊張がほぐれやすくなります。
また伸ばす筋肉を意識しながら、反動をつけないことが大切です。ゆっくり呼吸しながら、気持ち良いと感じる程度の力加減で20~30秒筋肉を伸ばしましょう。
2-3.休息をとる
疲れを取るためには、十分な休息をとり心身ともに休めましょう。
単に横になって寝るだけではなく、リラックスしたり自分を見つめ直したりする時間を持つことも大切です。趣味やスポーツなどに打ち込んで気分転換をすることも休むことになります。
自分に合ったリラックス方法を探して、十分に休むことがポイントです。
生活を見直して元気な毎日を過ごそう
疲れやすさを改善するためには、バランスの良い食生活とストレッチ、十分な休息が重要です。
特に環境の変化が大きい時期は、精神的なストレスを抱えてしまいがちです。それが疲れを生み、その疲れがさらなるストレスの元となりかねません。少しでもストレスを感じたら、なるべくストレスが浅いうちに解消するよう心がけるとよいでしょう。
最近疲れやすいと感じることが増えた方は、自分の生活を見直して改善してみてください。
監修者情報
氏名:井林雄太(いばやし・ゆうた)
総合病院勤務。大分大学医学部卒。
日本内科学会認定内科医、日本内分泌内科専門医、日本糖尿病内科専門医の資格を保有。現在は医師業務のかたわら、正しい医療情報を伝える啓発活動も市民公開講座など通して積極的に行なっている。