セラミドとは?お肌を守る役割やセラミドを増やす方法を解説

肌の健康を守るうえで重要だといわれているセラミドは、皮膚から水分が蒸発するのを防いだり、外から病原体や異物が侵入したりするのを防ぐ働きをもっています。つまり、セラミドは、皮膚のバリア機能を保つために必要な成分なのです。

それでは、どうやってセラミドを増やせばいいのでしょうか。

今回は、セラミドが肌にどのような影響をもたらしているのか、どうすればセラミドを増やすことができるのかなどを解説します。

1.セラミドとは

何層かになっている皮膚のうち、最も表面にある部分を表皮といいます。表皮を取り囲んでいる角質層内にある細胞間脂質のおもな成分がセラミドです。なお、セラミドと一括りで言われることが多くありますが、セラミドにはいくつか種類があります。

なかでもアシルセラミドと呼ばれるものは、皮膚を守るうえで欠かせない成分として有名です。アシルセラミドとは、通常のセラミドよりも長い脂肪酸(長鎖脂肪酸)をもち、一部に特徴的な構造をしたセラミドのことを指します。

2.セラミドを含む角質層の役割とは

セラミドは、角質層に含まれるうるおい成分です。肌の表面で脂質の層を作ることで、皮膚を保護します。肌自身がもっているうるおいを蒸発しないように防ぎ、さらに外界から病原体や異物が侵入しないためのバリア機能を担っています。

また、いくつか種類があるセラミドのうち、アシルセラミドは特に皮膚の健康と大きく関わりのある成分です。アシルセラミドが欠損しているマウスでは、表皮にある角質細胞の正常な働きが失われ、バリア機能を保てなくなることがわかっています。

セラミドが不足すると肌が乾燥して老人性乾皮症を引き起こすこともあるため、健康な状態の皮膚を保つために欠かせない栄養素だといえるでしょう。

しかし、セラミドは年齢とともに減少していってしまいます。20歳をピークに減少していくため、日頃からセラミドを意識して摂取していかなければなりません。

3.セラミドを増やす方法

年齢とともに減ってしまうセラミドは、減少すると肌の乾燥を招いたり、アトピー性皮膚炎などを発症させたりする原因になります。セラミドは20歳をピークに減少してしまうため、外から補充することが大切です。

3-1.セラミドを含む食品から摂取する

セラミドを多く含んでいる食品として、大豆や小麦、ほうれん草、ヨーグルト、米、牛乳が知られています。これらの食品を積極的に摂って、セラミドを補充しましょう。

3-2.セラミドを含むサプリメントを摂取する

肌の年齢が気になる方、ハリのある肌を実感したい方向けに、セラミドが配合されたサプリメントも販売されています。サッと混ぜるだけで簡単に摂取できて毎日続けやすいものもあるので、自分のライフスタイルに合ったものを選びましょう。ツヤのある肌を手に入れることで、気持ちに自信をもてるようになるはずです。

セラミドで肌を守ろう

セラミドとは、角質層にある細胞間脂質の一種です。細胞間脂質の多くはセラミドで構成されており、皮膚から水分が蒸発するのを防いだり、病原体や異物が外から体内へ侵入しようとするのを防いだりする働きがあります。

しかしセラミドは、20歳をピークに年齢を重ねるにつれて徐々に減少していく成分です。セラミドが不足すると乾燥肌を招き、かゆみや湿疹を引き起こす原因にもなるため、意識してセラミドを摂取するようにしましょう。

セラミドを増やす方法としては、大豆や米、小麦などはセラミドを多く含んでいる食品やサプリメントから摂取することができ、日々の食生活に積極的に取り入れてみてください。

監修者情報

氏名:井林雄太(いばやし・ゆうた)
総合病院勤務。大分大学医学部卒。
日本内科学会認定内科医、日本内分泌内科専門医、日本糖尿病内科専門医の資格を保有。現在は医師業務のかたわら、正しい医療情報を伝える啓発活動も市民公開講座など通して積極的に行なっている。