イチョウ葉エキスは何に効く?含まれる成分と効果を紹介

健康食品として有名なイチョウ葉エキスは、体の「めぐり」に悩む人にうれしい成分です。
以前から健やかな毎日へつながると注目されており、これまでに多くの研究で作用が確認されてきました。
今回は、イチョウ葉エキスに含まれる成分と効果を紹介します。

1.イチョウ葉エキスとは?

イチョウ葉はヨーロッパ諸国で昔から研究が続けられ、「体のめぐり」をサポートする力があるといわれています。特に、イチョウ葉に入っているテルペノイドは、めぐりをサポートする成分として注目されています。

イチョウ葉エキスとは、イチョウの緑葉にアセトンまたはエタノールを加え、フラボノイドやテルペノイドなどの成分を抽出したものです。日本では食品衛生法により、アセトンを利用できないため、エタノールと水で処理されています。

2.イチョウ葉エキスに含まれる成分

イチョウ葉エキスには、次のようなさまざまな成分が含まれています。

種類 成分
フラボノイド配糖体 ・ケルセチン ・ケンフェロール ・イムラムネチン など
テルペノイド ・ギンコライドA ・ギンコライドB ・ギンコライドC ・ビロバライド など
その他 ・プロアントシアニジン ・ギンコール酸 など
 

イチョウ葉エキスは天然由来の物質のため、産地や収穫の時期、作り方によって品質が左右されます。そこで健康食品原料として安全に使うために、成分規格が設定されました。

規格の内容は、フラボノイド配糖体が22~27%、テルペノイドが5~7%などです。

イチョウ種子の外皮に多く含まれるギンコール酸は有害物質の一つで、イチョウ葉にも入っており、接触皮膚炎やアレルギーを引き起こすおそれがあります。有害な作用を防ぐため、イチョウ葉エキスのギンコール酸は5ppm以下にするよう規格で定められています。

3.イチョウ葉エキスでどのような作用が期待できるのか

さまざまな成分を含有するイチョウ葉エキスは、どのような作用を持つのでしょうか。ここではイチョウ葉エキスのおもな作用を、過去の研究結果と併せて紹介します。

3-1.抗酸化作用

活性酸素は抗菌作用の一面もありますが、脂質を酸化させるほか、血小板凝集や炎症反応に関わり、生活習慣病や老化の原因と考えられています。

イチョウ葉エキスの成分のうち、おもにフラボノイド類では、活性酸素やフリーラジカル(対をなしていない電子を持つ分子や原子)の抑制作用が報告されています。

血小板凝集を抑える作用も期待できることから、イキイキとした日々を送りたい人たちをサポートしてくれます。

3-2.血液凝固抑制作用

「めぐり」をサポートするイチョウ葉エキスに含まれるテルペノイドの一種であるギンコライドBは、血液を固める血小板のはたらきを抑える力があると報告されています。

イチョウ葉エキスの力は元気を目指す人をサポート

イチョウ葉エキスは長年、健康的な生活を作るハーブとして注目され、多くの研究が続けられてきました。また、「めぐり」をサポートする機能により、さまざまな悩みを和らげる可能性が示されています。

いつまでもはつらつと元気に生活したい人たちは、イチョウ葉エキスを毎日に取り入れてみるのはいかがでしょうか。

監修者情報

氏名:井林雄太(いばやし・ゆうた) 総合病院勤務。大分大学医学部卒。 日本内科学会認定内科医、日本内分泌内科専門医、日本糖尿病内科専門医の資格を保有。現在は医師業務のかたわら、正しい医療情報を伝える啓発活動も市民公開講座など通して積極的に行なっている。