1.亜鉛(Zn)は必須ミネラルの一種
必須ミネラルの一種である亜鉛とは、どのようなものなのでしょうか。ここでは、亜鉛の特徴と一日の目安量について解説します。
1-1.亜鉛(Zn)とは
元素記号Znである亜鉛は、健やかな体の維持と深い関係にある必須ミネラルの一種です。おもに体内の骨・皮膚・脳・肝臓・腎臓などに含まれています。
亜鉛は、体内に存在しているたんぱく質と結合し、体内のバランス形成に重要な影響を与えています。そのため、亜鉛が欠乏すると健康的な毎日を維持することが、難しくなってしまうでしょう。
1-2.亜鉛(Zn)の一日の摂取量(18~69歳)
亜鉛の一日の目安量は、18~69歳の成人の場合、男性で10mg、女性で8mgが目安です。また上限量は、男性で40~45mg、女性で35mgと設定されています。
参照:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2015 年版)の概要」
2.亜鉛(Zn)を多く含む食材
亜鉛の一日の目安量がわかったところで、食品にすると何をどれだけ食べれば良いのでしょうか。
亜鉛を多く含む食品で代表的なものは、牛肉や卵、ナッツ類が挙げられます。
【亜鉛を含む食品例(可食部100gあたり)】
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・赤みの牛肉(5.5㎎)
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・卵黄(3.6g)
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・アーモンド(3.6mg)
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・落花生(2.3mg)
次に紹介する亜鉛を摂取できる料理レシピも参考にして、亜鉛不足にならない食生活を意識してみてください。
3.亜鉛(Zn)を摂取できる料理レシピ
亜鉛は、健康的な体を維持するために重要なミネラルですが、せっかくならおいしく召し上がりたいですよね。ここでは、亜鉛を多く含む食材を使った料理のレシピを2品ご紹介します。
3-1.「ほうれん草と牛肉の味噌炒め」
まずご紹介するのは、野菜も摂れる「ほうれん草と牛肉の味噌炒め」。調理時間は約15分、カロリーは約252kcalです。
ほうれん草や赤パプリカだけではなく、冷蔵庫に余っている野菜を加えてもおいしくできあがるでしょう。
【材料】2人分
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・ほうれん草 1/2束
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・牛薄切り肉 100g
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・赤パプリカ 1/2個
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・サラダ油 大さじ1
(A)
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・酒 大さじ1
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・味噌 大さじ1
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・みりん 大さじ1.5
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・しょうゆ 大さじ1/2
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・砂糖 小さじ1
【作り方】
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1. ほうれん草をザク切り、赤パプリカは食べやすい大きさにカット。牛肉は、1.5~2cmの幅に切ります。
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2. (A)の調味料はすべて混ぜ合わせましょう。
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3. サラダ油を敷いたフライパンを熱し、牛肉を炒めます。
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4. 牛肉に火が通ったら、ほうれん草と赤パプリカを混ぜて、さらに炒めましょう。
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5. 野菜に火が通ってしんなりしたら、混ぜ合わせた(A)を加えサッと炒めます。
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6. 最後にお皿に盛り付けたら完成です。
3-2.「牛ステーキとアボカドののっけ丼」
次にご紹介するレシピは、牛肉をしっかり味わえる「牛ステーキとアボカドののっけ丼」。調理時間は約25分、678kcalで、牛肉とアボカド、卵の旨味とコクが特徴的です。
【材料】2人分
【作り方】
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1. 牛肉ステーキの両面に塩コショウを適量まぶします。
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2. サラダ油を敷いたフライパンを強火で熱したら、牛肉ステーキを焼きます。
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3. 牛肉ステーキの片面に焼き色が付いたら、ひっくり返して中火で少し焼き色が付くまで約30秒間火を通しましょう。そのあと、フライパンから牛肉を取り出し、約5分間アルミホイルに包みます。
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4. フライパンに残っている油を捨てたら、照り焼きのタレもしくは焼肉のタレを入れて温めましょう。
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5. その間にアボカドを約3mmの幅にスライス。
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6. 丼に茶碗2.5杯分の米を盛り、フライパンで温めたタレの半分を米にかけます。
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7. 牛肉ステーキをアルミホイルから取り出し、約5mmの幅でカット。丼に牛肉とアボカド、温泉玉子か生玉子を盛り付けて残りのタレをかけたら完成です。
亜鉛(Zn)を摂取して元気な毎日へ
必須ミネラルの一種である亜鉛は、内側から健康的な体をサポートするために重要な栄養素です。そのため、亜鉛が欠乏すると食欲不振など体調が崩れてしまうこともあるでしょう。
食材から亜鉛を摂取するのであれば、牛肉や卵、アーモンドなど亜鉛を多く含む食材がおすすめです。併せて、今回ご紹介したレシピもぜひ参考にしてみてください。亜鉛の一日の目安量は、男性10mg・女性8mgです。亜鉛を積極的に摂取して、健やかな毎日を維持しましょう。
監修者情報
氏名:梅村 将成(うめむら・まさなり)
外科医として地方中核病院に勤務中。
消化器外科のみならず総合診療医として、がん治療(手術・抗がん剤・緩和治療/看取り)を中心に、幅広く内科疾患・救急疾患の診療を行なっている。
資格:医師免許・外科専門医・腹部救急認定医