目次
1.コレステロールとは
コレステロールとは、人間の体内にある脂質の一種でホルモン・細胞膜・胆汁酸を作る素になっており、私たちが生きるために必要不可欠なものです。
体内のコレステロール総量は、一定量を保つようにうまく調節されています。食べ物から取り入れる分が約20~30%、大部分を占める残りは体内の脂肪や糖を使って肝臓などで合成されているのです。
食べ物に恵まれた現代では、食べ過ぎなどが原因で余分なコレステロールが血管のなかに過剰になる傾向があります。
豊富な食材が簡単に手に入る現代では、とり過ぎが問題視されているコレステロールですが、食糧難の時代にはコレステロール不足が問題となっていたことをご存じでしょうか。実は、コレステロールは人間にとってなくてはならないものなのです。
今回は、コレステロールの役割や善玉・悪玉といったコレステロールの種類とバランスについて解説します。コレステロールが多い食品とコレステロール対策におすすめのレシピもご紹介するので、健康的な食事作りの参考にしてみてはいかがでしょうか。
目次
コレステロールとは、人間の体内にある脂質の一種でホルモン・細胞膜・胆汁酸を作る素になっており、私たちが生きるために必要不可欠なものです。
体内のコレステロール総量は、一定量を保つようにうまく調節されています。食べ物から取り入れる分が約20~30%、大部分を占める残りは体内の脂肪や糖を使って肝臓などで合成されているのです。
食べ物に恵まれた現代では、食べ過ぎなどが原因で余分なコレステロールが血管のなかに過剰になる傾向があります。
コレステロールには、大きく分けてLDLコレステロール(以下、LDL)とHDLコレステロール(以下、HDL)があります。
LDLは「悪玉コレステロール」ともいい、肝臓で合成されたコレステロールを全身へ運ぶ役割があるのです。 HDLは「善玉コレステロール」ともいい、体中の不必要なコレステロールを回収して肝臓へ戻す役割があります。 これら2つのバランスが崩れてしまうと、体の不調を招くのです。
LDLが過剰になると「脂質異常症」と呼ばれる状態になり、増え過ぎたLDLが血管の壁にベトベトとくっついて血流が悪くなります。 現代の食事ではLDLをとり過ぎる傾向が強いので、健康のためにはコレステロールが少ない食事を心がけLDLとHDLのバランスを保つことが必要です。
こちらでは、特にコレステロールが多い食品をご紹介します。
食品名 | コレステロール(mg)/可食部100g中 |
---|---|
鶏卵 | 370 |
すじこ | 510 |
イクラ | 480 |
たらこ(生) | 350 |
たらこ(焼き) | 410 |
バター(有塩) | 210 |
バター(無塩) | 220 |
参考:文部科学省 食品成分データベース「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
上記の表を見てわかるとおり、魚卵や鶏卵といった卵類などにコレステロールが多く含まれています。
また、バターなどの動物由来の油脂はLDLを増やす働きがあるので控えたほうが良い食品です。 このほかにも、鶏皮や脂身の多い肉・肉の加工食品(ハム、ベーコンなど)・乳脂肪の多い食品(チーズやアイスクリームなど)・インスタント食品(カップ麺など)・スナック菓子や洋菓子(ケーキなど)は、LDLを増やす働きがあるため食べ過ぎに注意しましょう。
コレステロールが気になる人におすすめの食材は、野菜・きのこ・魚・大豆製品・オリーブ油などがあります。ここでは、これらをふんだんに使ったレシピを2品ご紹介します。
・にんじん 3分の2本
・ひよこ豆水煮 50g
・固形コンソメ 1と2分の1個
・水 2カップ
・塩 少々
・こしょう 少々
1. にんじんは皮をむき、できるだけ細かいみじん切りにする。
2. 鍋に水・固形コンソメを入れて中火にかけ、1とひよこ豆を入れる。
3. 仕上げに塩・こしょうで味を調えて器に盛る。
・マッシュルーム 6個
・ちりめんじゃこ 12g
・にんにく 1片
・赤唐辛子(輪切り) 適量
・ペンネ 120g
・塩 適量
・オリーブ油 大さじ1
・しょうゆ 適量
・刻みねぎ 適量
1. マッシュルームは厚めの薄切りにする。ちりめんじゃこはぬるま湯につけて塩気を抜いておく。にんにくはみじん切りにする。
2. フライパンにオリーブ油・にんにく・赤唐辛子を入れて弱火で炒める。香りが立ってきたらマッシュルームとちりめんじゃこを炒め、しょうゆで味を調える。
3. 塩を加えた熱湯でペンネをゆでる。
4. 2に3を加えて弱火で炒め合わせる。塩気が足りなければ、ペンネのゆで汁を適量加えて味を調える。
5. 器に盛り、刻みねぎを散らす。
コレステロールは私たちの生命維持に必要不可欠な成分ですが、現代の食生活ではなるべく減らすことに気を遣っていくことが健康への近道といえます。
今回ご紹介したコレステロールが多い食品は、食べる頻度や量を控えめにして適度に楽しむのがおすすめです。ぜひ、ご紹介したレシピを参考に健康的な食事を心がけイキイキとした毎日を目指しましょう。
氏名:井林雄太(いばやし・ゆうた) 総合病院勤務。大分大学医学部卒。 日本内科学会認定内科医、日本内分泌内科専門医、日本糖尿病内科専門医の資格を保有。現在は医師業務のかたわら、正しい医療情報を伝える啓発活動も市民公開講座など通して積極的に行なっている。
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