1.冷え性とは?
そもそも冷え性とは、どのような症状のことを指すのでしょうか。ここでは、冷え性の特徴と原因について解説します。
1-1.冷え性のおもな症状
冷え性とは、体の冷えによって引き起こされるさまざまな不調のことです。冷えによる症状は、身体的・精神的・美容面・免疫面の4つに分類できます。それぞれのおもな症状は、次のとおりです。
【身体的な症状】
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・手足の冷え
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・肩こり
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・腰痛や頭痛
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・疲れやすさ
【精神的な症状】
【美容面の症状】
【免疫面の症状】
このように多くの症状を引き起こす冷え性は、万病の元です。しっかり対策を練らないと、健やかな日常を妨げる原因になってしまうこともあります。
1-2.冷え性のおもな原因
冷え性になる原因としては多数ありますが、次のようなことが考えられます。
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・ストレスや生活習慣による自律神経の乱れ
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・筋力の低下
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・貧血や低血圧などの病気
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・衣服の締め付けによる血行不良
特に、女性は月経で貧血になりやすく、ホルモンバランスの変化で自律神経が乱れやすいため、男性と比べて冷え性が多い傾向にあります。
2.冷え性改善におすすめの体を温める食べ物
ここでは、冷え性改善におすすめの体を温める食材や香辛料、飲み物を紹介します。
2-1.体を温める食材
一般的に、冬季や寒冷地で収穫できる以下の食材には、体を温める作用が期待できます。
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・根菜(にんじん、かぼちゃ、ごぼう、大根、かぶ)
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・いも(さつまいも、さといも、やまいも)
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・小松菜
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・にら
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・魚の赤身
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・卵
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・発酵食品(チーズ、味噌)
栄養のバランスを意識しつつ、体を温める食材を積極的に摂るとよいでしょう。
2-2.体を温める香辛料
体を温める香辛料は、次を参考にしてみてください。
しょうが、山椒、しそ、シナモン、ナツメは、漢方薬にも用いられる香辛料です。
2-3.体を温める飲み物
冷たい飲み物ばかり飲むと、体温を低下させる原因にもなるため、注意しましょう。
飲み物の種類によっては、体を冷やすこともあります。例えば、コーヒー、緑茶、牛乳は体を冷やしやすいため、体を温めるのであれば、紅茶などがよいかもしれません。
3.冷え性の改善効果が期待できるレシピを紹介
ここからは、冷え性の改善におすすめのレシピを2品紹介します。
3-1.手羽先と大根の中華風スープ
まず紹介するレシピは、体が温まる「手羽先と大根の中華風スープ」です。
【材料】(2人分)
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・手羽先 6本
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・大根 3cm
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・にんじん 1/4本
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・長ねぎ 1/2本
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・豆苗 50g
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・長ねぎの青い部分 適量
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・しょうが(薄切り) 適量
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・ごま油 大さじ1
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・水 800ml
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・酒 50ml
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・鶏ガラスープの素 小さじ1/2
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・しょうゆ 大さじ1/2
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・塩 適量
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・粗挽き黒こしょう 適量
【作り方】
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1. 手羽先の関節にある細い部位を切り落とし、塩、粗挽き黒こしょうをふりかけて下味をつけます。
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2. 大根とにんじんはいちょう切りにし、長ねぎは斜めに切り、豆苗は半分にカットします。
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3. ごま油を敷いた鍋を熱したら、手羽先の両面に焼き色がつくまで焼きます。
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4. 水、酒、鶏ガラスープの素、長ねぎの青い部分、しょうがを加えて約20分煮込みましょう。
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5. 約20分経ったら大根とにんじんを加え、さらに10分煮込みます。
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6. 10分後、白ねぎ、豆苗、塩、しょうゆを加えてひと煮立ちさせ、長ねぎの青い部分としょうがを取り出しましょう。
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7. 最後に器に盛り、粗挽き黒こしょうをかけたら完成です。
手羽先の代わりに、手羽元を入れるのもおすすめです。スープに入れる野菜として、小松菜やかぶをプラスするのもよいでしょう。
3-2.まぐろのにんにく味噌焼き
次に紹介するのは、にんにくが効いた「まぐろのにんにく味噌焼き」です。
【材料】(2人分)
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・まぐろ(刺身用) 200g
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・白ねぎ 1/2本(25g)
(A)
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・おろしにんにく 適量
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・合わせ味噌 大さじ1と1/2
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・酒 大さじ1
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・みりん 大さじ1/2
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・砂糖 小さじ2
【作り方】
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1. まぐろを約8mmの厚さに切り、白ねぎは約1cmの厚みで斜めにカットします。
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2. (A)の調味料をよく混ぜたら、カットしたまぐろの表面に塗りましょう。
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3. オーブントースターか魚焼きグリルの上にアルミホイルを敷き、まぐろと白ねぎを載せます。
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4. 強火で焼き、味噌に少し焼き色がついたら完成です。
体の内側から冷え性を改善しよう
冷え性は、身体面や精神面だけではなく、美容面や免疫面にもさまざまな不調を引き起こす原因です。
冷え性を改善するには、体の内側から温める必要があります。
特に寒冷地方で収穫できる食材は、体を温める作用が期待できます。栄養のバランスを意識しつつ、これらの食材を積極的に摂取することが大切です。
今回紹介した体を温める食材やレシピを参考に、冷え性を改善して、健やかな毎日を送りましょう。
監修者情報
氏名:井林雄太(いばやし・ゆうた)
総合病院勤務。大分大学医学部卒。
日本内科学会認定内科医、日本内分泌内科専門医、日本糖尿病内科専門医の資格を保有。現在は医師業務のかたわら、正しい医療情報を伝える啓発活動も市民公開講座など通して積極的に行なっている。